労働審判にて解雇有効が認められた事例

解決事例

ご依頼者の属性
従業員数100人未満の中小企業
相手の属性:
共同創業者
受任内容
労働審判
弁護士法人ALGに依頼した結果
依頼前 解雇無効による地位確認及びバックペイの支払
依頼後・終了時 解雇有効を前提に、解決金支払で解決

事件の概要

ご依頼者様が、労務管理を改善しようと種々の改善策を社内で講じようとしたところ、ご依頼者様の共同創業者であった相手方が、妨害をしました。そのため、ご依頼者様が、やむなく相手方を解雇したところ、相手方が、解雇無効であるとして労働審判を求めてきました。

弁護方針・弁護士対応

相手方は、高齢であり、ご依頼者様企業の共同創業者であったため、労務管理の重要性を理解していませんでした。そのため、ご依頼者様にとって、相手方を復職させるという選択肢はありませんでした。

そこで、可能な限りコストをかけずに、相手方との関係を解消することを目標に、短期間で多数の証拠を集めて、解雇有効の主張立証を尽くしました。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

労働審判手続の結果、裁判所から、「解雇は有効である」との心証を開示されました。解決金の支払いは必要となったものの、一般的な解雇無効を前提とした解決金の額より低廉な額で、紛争を終了させることができました。

依頼者の属性
建設業
受任内容
就業規則作成

事件の概要

建設業を営む会社が、事業規模の拡大及び従業員の増加に伴い、就業規則を整備する必要性を感じたため、弁護士にその作成を依頼した事案です。

なお、経営者は、残業代を含む賃金規定を見直すことにより、賃金制度を適正かつ合理的なものとするとともに、新たな人材を募集する際のアピールにしたい、という明確な意向をお持ちでした。

弁護方針・弁護士対応

就業規則は、労働条件を記載するものであり、労働基準法等による規制を遵守しなければならないことは、当然です。他方で、その会社の業務の実態に沿わない就業規則が作成された場合、その就業規則が業務の妨げになってしまうおそれがあります。

本件において、弁護士は、まず会社から提出された資料を精査することにより、各従業員の職務内容、近年の出退勤及び賃金支払の実績を把握した上、今後の経営方針について経営者から聴取し、就業規則を作成しました。

その際、残業代を含む賃金規定については、労働基準法を遵守しつつ、会社の経営の妨げにならないようにするため、特に留意して規定を整備しました。また、企業秩序維持のための処分等については、明確な根拠を要するので、その規定を整備しました。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

就業規則を作成しました。

労働基準法などの法律は、種々の規制を設けています。これにより、労働者が保護されることはもちろんですが、適正な労働条件が確保されることによって、労使間の無用な紛争が未然に防止されるとともに、有能な人材が採用されやすくなります。すなわち、就業規則による適正な労働条件の確保は、労働者だけでなく会社にも利益をもたらすものです。

本件において、会社経営者がこの点をよく理解しておられましたので、弁護士としても、資料の精査に時間と労力を要したものの、やりがいの感じられる仕事でした。

依頼者の属性
建設業
相手の属性:
建設作業員
受任内容
死亡労災に関する災害補償
損害賠償請求
弁護士法人ALGに依頼した結果
損害賠償 なし 約2000万円 死亡保険金で解決

事件の概要

マンション建設工事の高所作業中に従事していた下請け会社作業員が、安全帯を装着していなかったために、転落死した事案です。

もっとも、本件会社の経営者は、遺族に対し、早期から謝罪、今後の対応などについて説明するなど誠実に対応しておられた事案でした。

弁護方針・弁護士対応

本件は、法令に従った足場の構造、転落防止柵の設置や安全教育の実施など、法令に従った安全対策がされていました。

ところが、当該作業員は、安全帯を外して階移動をするなど、自己判断で危険な行動をしたようです。このような事案では、元請け会社が、下請け会社の作業員に対して、安全配慮義務違反などの法的責任を負うのか、仮に法的責任を負うとしても、過失相殺がどの程度認められるのか、遺族(厚生)年金など損益相殺の対象になる範囲が問題になります。

確かに、法的な争点はそのとおりなのですが、こういった事案でもっとも大切なのは、具体的な解決の見込みをたて、遺族に誠実に対応することです。ご相談を伺った時点で、本件は、そもそも下請け労働者に対して安全配慮義務違反を負わないということや、相当程度の過失相殺が見込まれる事案だと感じましたので、多くても、おおよそ死亡慰謝料程度で解決されることが多い事案でした。

労災上乗せ保険の多くには、会社の過失を前提とする損害賠償保険部分(いわゆる使用者賠償保険)と、会社の過失を問わない生命保険のような定額保険部分がありますので、会社が労災上乗せ保険に加入していれば、定額保険部分で解決できる可能性が高いと考えられました。

そこで、経営陣には、速やかに会社の契約する保険の内容を遺族へ伝えていただき、その後、弊所弁護士が誠実な対応を代理人として引継ぐこととしました。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

本件は、死亡保険金部分の約2000万円で解決できました。

もっとも、本件は、没交渉となっている相続人がいたために、誰と示談すべきか問題になっていました。しかも、元請けと下請けがそれぞれ別の労災上乗せ保険に加入しており、下請けの加入する保険はグループ傷害保険といわれるもので、保険の受取人が会社ではなく、遺族(相続人)となっていたため、誰に保険金が支払われるべきなのかについても問題になっていました。

弊所では、労災上乗せ保険を扱う事案を扱うことも多く、保険内容についても理解していたので、各保険会社と調整しながら進めることができましたが、労災上乗せ保険の内容はややこしく、よくわかっていなければ間違った保険給付がされるところでした。

いずれにせよ、労災上乗せ保険のおかげで、不幸な事故ではあったものの、紛争になることもなく、皆さんが納得して解決できた事案でした。

依頼者の属性
従業員20名程度の中小企業
製造業
相手の属性:
30代
社歴約3年
従業員
受任内容
未払残業代請求(交渉・労働審判)
弁護士法人ALGに依頼した結果
未払い残業代 約400万円 約300万円 未払い残業代を減額

事件の概要

退職した従業員から、未払残業代を請求された事案です。

ご依頼の企業は、固定の手当として残業代を支払う仕組みを採用し、採用時に労働者へ説明もしていたことから、労働者が納得していたと思っていました。ところが、退職した労働者から、固定残業代の定めが無効であると主張され、未払残業代の請求を受けたというものです。争点は、いわゆる定額(固定)残業代の定めの有効性です。

弁護方針・弁護士対応

固定残業代を採用すること自体は適法なのですが、適切に定めておかないと、固定残業代の定めは無効となり、固定残業代として支給していた手当が、全て残業代算定の基礎賃金に含まれることになり、1円も残業代を支払っていないだけでなく、想定以上の未払残業代を支払わなければなりません。

固定残業代の定めが有効として、残業代の支払がされていたというためには、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できることが必要であるとされており、この判別ができるというためには、当該手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされていることが必要です。そして、その判断には、当該労働契約に係る契約書等の記載内容のほか諸般の事情を考慮すべきであり、その際、当該手当の名称や算定方法だけでなく、同条の趣旨を踏まえ、当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け等にも留意して検討しなければならないと考えらえれています(国際自動車事件 最判令和2年3月30日判決)。

具体的には、固定残業代についての労働者に対する説明内容・方法、固定残業代の額、固定残業時間数などが明確にされているのか、固定残業時間を超えた場合に不足分が支給されているのか、固定残業時間の長さ、基本給の額、他の従業員の賃金との比較などから、労働者が固定で残業代が支払われることを認識できる定めとなっているかどうか、実質的に残業代の支払いを潜脱ではないかなどが考慮されます。

本件では、まずは、就業規則の定め、労働契約書、労働条件通知書、賃金の支払い状況などを確認させていただいたところ、固定残業時間数すら明記されておらず、ざっくりと固定残業代●円としている程度でしたので、およそ通常の労働時間に対する賃金と時間外労働の対価としての賃金とが明確に区分されているとはいえませんでした。

また、基本給を最低賃金に抑え、固定残業時間数が80時間程度になるような仕組みでしたので、実質的にも時間外労働の対価として支払われていると解釈するのは難しいと言わざるをえませんでした。

そこで、企業規模や財務状況などからできるだけ、金額を抑えた解決を目指すこととしました。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

交渉での解決は出来ず、労働審判となりましたが、約300万円で和解となりました。不用意に固定残業代を採用した場合には、想定以上の未払残業代が発生してしまい、突然、会社は多額の支出を余儀なくされてしまいますので、もし、固定残業代を採用されているのであれば、一度、適切な定めとなっているかどうか確認されることをお薦めします。

なお、平成29年職業安定法改正により、平成30年1月1日からは、求人募集の際には、「固定残業代を除く基本給」、「時間と金額を明記した固定残業代の内訳」、「固定残業代に含めた時間外労働を超えた時間外労働については、割増賃金(残業代)を追加で支給する旨」の記載が必要となっていますが、それ以前の労働契約に関しては、特に注意してください。

依頼者の属性
従業員数100名~200名
資本金1000万~2000万
受任内容
就業規則等の作成、整備
改正手続の履践サポート等
弁護士法人ALGに依頼した結果
高リスク状態の就業規則 各種規程を含む就業規則の改正とそのための手続履践、
従業員への周知徹底等の実施

事件の概要

この事案は、相手方から何か請求されているというようなものではなく、いわゆる労務管理等にかかる予防法務として、各種規程の整備とそのための手続のサポートを行ったものです。

ご依頼者様の会社には、就業規則等の規則は一応存在していましたが、正社員とパート社員の区別もあいまいで適用範囲が明確でないこと、各種法改正を踏まえた作りになっておらず、そのような手続も履践されていないことから、労基署からの指摘を受けかねないこと等、高リスクを潜在的に抱えた状態でした。

弁護方針・弁護士対応

本体となる就業規則はもちろんのこと、パート従業員用の規則や、賃金規程、退職金規程、継続雇用規程等について、一から見直しを行い、抜本的に刷新しました。

ご依頼者様の意向により、新しい就業規則等は、なるべく従業員の待遇は変わらないように配慮していますが、元の規則に曖昧な部分が含まれていたことから、不利益な変更と解釈されうる点もあり、これまで就業規則の周知も十分とは言えない状態とも伺っていたため、従業員の代表者選出手続等についても弊所で引き続きサポートしています。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

まずは各種素案を作成し、ご依頼者様の意見も聞いた上で修正した上で、完成版の就業規則を作成しました。その上で、労基署への届け出はもちろんのこと、従業員の過半数代表者の選出について、会社の押し付けにならないように配慮した内容で、各種案内文やひな型等を作成し、代表者の選出から新規則に対する意見聴取までをスムーズに行うことができるようにサポートしています。その結果、万事滞りなく、就業規則の抜本的な改訂を実現しています。

就業規則はその会社の業態や実態の他、労働法規やその改正等も踏まえた内容としておくことが求められます。一から刷新するのは膨大な労力のかかるものですし、専門家に依頼することをお勧めします。

依頼者の属性
介護事業(従業員数50名以下)
相手の属性
介護職員
受任内容
早期かつ穏便な退職
弁護士法人ALGに依頼した結果
解雇無効・バックペイの請求 合意退職(解決金あり)

事件の概要

事業縮小に伴う整理解雇を行ったところ、当該従業員から不当解雇だと主張されるとともに、バックペイを請求された事案。

弁護方針・弁護士対応

整理解雇は、①人員整理の必要性、②解雇回避努力、③被解雇者の選択の妥当性、④手続きの妥当性を考慮して、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には、解雇権を濫用したものとして無効です(労働契約法16条)。決算書を確認すると、ここ数年はわずかに黒字か赤字の状況でした。当該従業員には、数か月間に渡り、事情を説明し、理解を求めていました。しかし、事業を縮小することで人件費以外のコストを削減できる可能性が高い状況でしたし、解雇予告手当以外の緩和措置が取られていなかったことや、能力面などの客観的指標で当該従業員を選んだ様子がなかったことから、他に取りうる手段はあっただろうと思われる事案でした。解雇が無効と判断される可能性が高い以上、長期化すれば、バックペイが増加する一方です。そこで、解決金を支払って早期解決を目指す方針としました。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

決算書の内容から経営状況が悪いことを説明し、当該従業員の人件費の高さや転職が容易だと思われる人などの基準で選んだことなどを説明し、誠実に交渉を重ねたところ、約4か月分賃金に相当する解決金を支払うことで、整理解雇を受け入れてもらうことができました。

依頼者の属性
建設業(従業員10人程度)
相手の属性
建設作業員
受任内容
減額交渉
弁護士法人ALGに依頼した結果
当初請求額700万円超え 250万円程度

事件の概要

従業員が会社に来なくなったと思っていたら、突然、弁護士から内容証明郵便が届き、就業規則、タイムカードなどの労働時間に関する資料の開示を求められたためご相談いただいたのが切っ掛けで、弊所が代理人として対応させていただいた事案です。その後、時間外労働、休日労働、深夜労働などに関する未払賃金を請求され、その請求額は700万円を超えており、中小零細企業が容易に支払えるものではありませんでした。いわゆる未払残業代請求です。中小企業は、残業代を支払うべきだという認識に乏しく、残業代も込みで月給を決めているなどと考えている企業も少なくないのではないでしょうか。まさに本件もそういった企業であり、突然、倒産するか否かの危機に見舞われたという状況でした。

弁護方針・弁護士対応

就業規則などの資料を渡さなくてはいけないのでしょうか?と言われることも少なくないですが、私は、開示するようにしています。労働時間を把握する義務が企業にはありますし、隠しても証拠保全手続きを取られれば隠しきれません。未払残業代を支払うこと自体は避けられない事案が多く、誠実な対応によって金額をできるだけ下げるということも重要です。訴訟になれば、悪質だとして付加金が認められるリスクも高まりますので、誠実に対応しつつ、主張すべきとことを的確に主張することが大切になります。本件でも資料の開示は速やかに行い、真正面から未払残業代の金額を争う方針としました。弁護士がタイムカードや実際の出勤時間、セキュリティ記録などの退社時間をもとに計算したところ、未払賃金は合計700万円に近く、正直、会社の規模からすれば厳しいなと感じました。もっとも、タイムカードなどでわかる時間が全て労働時間というわけではありません。実労働時間(実際の始業時間から終業時間までの拘束時間から休憩時間を除いた時間)に対して賃金を支払うことになります。簡単に言うと、業務命令に従い実際に労働した時間です。本件でも、タイムカードが打刻された状況や退社までの仕事もせずタバコを吸って雑談していた時間などは、実労働時間には該当しないであろう時間が多くありましたので、事情を説明のうえ、交渉を進めました。具体的には、毎日の始業、終業時刻を確認し、週単位で労働時間を集計するのですが、これを時効消滅していない期間全て行いますので、なかなか手がかかる作業です。その結果、算出された未払賃金は400万円程度になりましたが、これでも中小零細企業にとっては高額です。ここからは、理屈ではないというのが正直なところですが、企業規模や財務状況、勤務状況など様々な事情を説明し、現実的な解決を探ることになります。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

結果的には、250万円程度で解決ができました。労働者の怠慢や能力不足などといった状況もあって、未払残業代の支払について難色を示す企業も少なくないですが、本件は、弁護士を信頼していただき、状況を冷静に理解していただけたことで、誠実な対応ができたことが良かったのではないかと思います。

依頼者の属性
従業員10名程度の建設会社
相手の属性
40代の現場作業員(男性)
受任内容
損害賠償額の減額
弁護士法人ALGに依頼した結果
賠償金額 約3000万円の請求 約800万円の裁判上の和解 約2200万円の減額

事件の概要

従業員10名程度の建設会社の従業員と下請け労働者が、会社の資材置き場に集まり、翌日の現場作業の準備のため、数十本の鉄パイプをフォークリフトでトラックの荷台へ積み込んでいたところ、突然、鉄パイプを結束していた金具が外れ、トラック荷台横にいた下請け労働者の足の上に鉄パイプが落下しました。
その従業員は、足の骨を複数個所骨折したため、約1年半の通院を要し、結果、足関節の可動域制限などで後遺障害等級併合9級が認定されました。その後、
労災給付では足りないとして、会社を相手に約3000万円を請求する訴訟を提起した事案です。

弁護方針・弁護士対応

確かに、労災の認定結果をみると、足関節の可動域制限などで後遺障害等級9級が認定されていました。
ところが、当該下請け労働者が、事故後も現場で普通に作業を行っている様子や梯子の昇降も行っている姿が目撃されていました。後遺障害等級は、あくまで労災認定に過ぎず、裁判所がこれに拘束されるものではありませんし、認定後に回復していれば当然、損害額は少なくなります。
そこで、弊所弁護士は、興信所へ調査を依頼し、下請け労働者の作業状況を撮影させました。
すると、足関節の可動域が大きく制限されているはずが、普通に歩行している様子や、足首を曲げて蹲踞の姿勢をとっている様子が判明しました。そこで、訴訟では、可動域制限は存在しないか、相当程度改善していることを主張し争いました。
また、治療中の診療録を確認すると、可動域が治療終了前に悪化するといった不自然な経過をたどっていたことから、この点も併せて主張しました。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

結果、可動域制限は相当程度回復していることを前提に、12級程度の後遺障害を想定した和解(約800万円)となり、約3000万円の請求から2200万円を減額となりました。

依頼者の属性
介護事業(従業員数50名以下)
相手の属性
介護職員
受任内容
早期かつ穏便な退職
弁護士法人ALGに依頼した結果
解雇無効・バックペイの請求 合意退職(解決金あり)

事件の概要

事業縮小に伴う整理解雇を行ったところ、当該従業員から不当解雇だと主張されるとともに、バックペイを請求された事案。

弁護方針・弁護士対応

整理解雇は、①人員整理の必要性、②解雇回避努力、③被解雇者の選択の妥当性、④手続きの妥当性を考慮して、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には、解雇権を濫用したものとして無効です(労働契約法16条)。
決算書を確認すると、ここ数年はわずかに黒字か赤字の状況でした。当該従業員には、数か月間に渡り、事情を説明し、理解を求めていました。
しかし、事業を縮小することで人件費以外のコストを削減できる可能性が高い状況でしたし、解雇予告手当以外の緩和措置が取られていなかったことや、能力面などの客観的指標で当該従業員を選んだ様子がなかったことから、他に取りうる手段はあっただろうと思われる事案でした。
解雇が無効と判断される可能性が高い以上、長期化すれば、バックペイが増加する一方です。そこで、解決金を支払って早期解決を目指す方針としました。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

決算書の内容から経営状況が悪いことを説明し、当該従業員の人件費の高さや転職が容易だと思われる人などの基準で選んだことなどを説明し、誠実に交渉を重ねたところ、約4か月分賃金に相当する解決金を支払うことで、整理解雇を受け入れてもらうことができました。

依頼者の属性
運送業
相手の属性
現業社員
受任内容
損害賠償額の減額
弁護士法人ALGに依頼した結果
賠償金額 約9000万円の請求 約3000万円で示談 約6000万円の減額

事件の概要

月100時間を超える時間外労働が常態化している運送業において、脳疾患に罹患した労働者が、労災認定を受け後遺障害等級3級3号の認定をた受けたのち、過重労働が原因であるとして、会社に対して、安全配慮義務違反に基づき、約9000万円の支払いを求めた事案でした。

弁護方針・弁護士対応

業務負荷によって脳・心疾患の発症可能性が高まるとされており、時間外労働が80時間を超えてくると脳疾患とに因果関係が認められる傾向にあります。基礎疾患があったとしても基本的には因果関係が否定されていません。ただ、会社が労働者の労働によって利益を得ているという関係があるとしても、会社が全責任を負うことが不公平な場合も少なくありません。実務上は、将来に渡って継続的に労災給付がされることや、基礎疾患が一因となっていることなどを踏まえて減額されることも少なくありません。 まず、労働時間を確認したところ、月100時間の時間外労働が常態化しており、会社もそれを認識していたことから、業務起因性(因果関係)を争うことは難しい事案でした。運行記録(デジタコなど)や日報などをみると、拘束時間が長いものの、作業・運行時間自体は多少短いことが分かりましたが、深夜運行も多くあり、決して、身体的負荷が軽いとはいえないものでした。また、年齢や、血圧値、コレステロール値などからすると、脳疾患の好発要因を多く抱えていることが分かりましたので、素因減額が認められる可能性がある事案でしたが、業務軽減が図られているわけでもなく、時間外労働の長さからすると、大きく素因減額される可能性は高くない事案でした。そこで、誠実に対応することを心がけ、素因減額率と将来分の労災給付の控除を前提に約2500万円での解決を提案しました。被災労働者側の弁護士は、将来の介護費用を含めることに固執し、こちらの提示額とは数千万の開きがありました。将来介護費が認められる可能性が決して低くない事案でしたので、素因減額率の低さからすると、裁判になれリスクが高い事案でした。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果

結果、請求額から約6000万円減額した、約3000万円で示談となりました。 高度な後遺障害を残した労災事案は、判決になれば、高額な賠償額になってしまうリスクが高いため、不用意な対応によって訴訟化することは避けなければなりません。裁判の結果を予測した対応を行うことが不可欠です。本件は、労働時間や基礎疾患の内容、業務軽減の有無などを踏まえ、リスクが高い事案だと判断し進めた事案でした。