監修弁護士 今西 眞弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 副所長 弁護士
遺言書を作成しておけば、自身が亡くなったときに、生前の意思によって相続財産を分配することができます。
そのため、遺言書は遺族が相続財産を奪い合うようなトラブルを防止するために有効です。
しかし、遺言書の内容が絶対に優先されるわけではなく、当事者全員の合意があれば、話し合いで異なる分配をすることができます。
また、訴訟によって遺言書が無効となるケースもあります。
この記事では、遺言書が無効となるケースや遺言無効の申立て等について解説します。
遺言書を無効にしたい!どうすれば無効にできる?
遺言書の無効を申し立てる方法は、遺言無効確認調停または遺言無効確認訴訟です。
基本的には、まず遺言無効確認調停を申し立てて、調停が不成立となったら遺言無効確認訴訟に移行します。
申立人は相続人の1人または遺言書で相続財産のうちの一定の割合を贈られることになっている人(包括受遺者)です。
遺言無効確認調停の管轄裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定めた家庭裁判所です。
なお、調停を経ずに遺言無効確認訴訟を申し立てる場合の管轄裁判所は、基本的に被告の住所地または相続開始時における被相続人の住所地を管轄する地方裁判所となります。
遺言書の無効の申し立て方法
当事者の話し合いによって、遺言書の内容とは異なる遺産分割協議を成立させられなかった場合には、家庭裁判所において遺言書無効確認調停を申し立てることができます。
調停では、調停委員が解決のための助言をしながら、合意に向けた話し合いを仲介してくれます。当事者が調停で合意することができれば、遺言書と異なる遺産相続が可能となります。
しかし、調停には強制力がないため、当事者が合意できなければ訴訟に移行します。
遺言無効確認調停
調停とは、裁判所で、調停委員に仲介してもらいながら、当事者間で話し合いを進め、合意を目指す手続きです。
遺言の無効を争う場合にも、基本的に、訴訟の前にまずは調停を申し立てなければなりません(調停前置主義)。
しかし、遺言書の無効を争う場合、多くは被相続人の遺言能力や遺言書の偽造が問題となっているため、調停で解決させるのは難しく、調停を経ずに訴訟を提起することが多いです。
遺言無効確認訴訟
遺言無効確認訴訟は、遺言執行者がいる場合には遺言執行者に対して、遺言執行者がいない場合には他の相続人および受遺者の全員に対して提起します。
なお、遺言無効確認訴訟は、家庭裁判所ではなく基本的には地方裁判所に提起します。
訴訟では、当事者による事実関係の主張と主張を裏付ける証拠の取り調べという形で審理が進みます。
遺言書が被相続人の自筆であるかが疑わしい場合には筆跡鑑定を行うことが考えられます。
また、被相続人が認知症であった疑いがある場合には病院のカルテ、あるいは介護記録等を取り寄せる方法が考えられます。
訴訟の提起から判決までは、第一審だけでも1年~2年程度かかることが多く、控訴や上告があれば期間はさらに延びます。
遺言無効確認訴訟について遺言書の無効を申し立てる場合の費用
遺言無効確認調停を申し立てるときには、以下の費用がかかります。
- 収入印紙:1200円程度
- 郵便切手代:裁判所によって異なる
また、調停を弁護士に依頼する場合には、着手金や依頼料がかかります。
遺言書の無効申し立てに時効はある?
遺言書の無効を申し立てる訴訟自体には、時効や期間の制限は設けられていません。
ただし、以下のような理由により、早く訴訟提起することが望ましいでしょう。
- 時間が経過することによって証拠が失われるリスクがある
- 遺留分侵害額請求の期限が基本的に1年以内なので、訴訟提起が遅れると遺留分を請求できなくなる
なお、遺言無効確認請求訴訟を提起するだけでは、遺留分侵害額請求権の消滅時効は中断されません。そのため、訴訟提起のときに、遺留分侵害額請求を予備的に行う必要があります。
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遺言書が無効と認められた事例・判例
遺言書の無効は、訴訟によって認められる場合があります。
訴訟によって遺言が無効となったケースとして、自筆証書遺言と公正証書遺言の事例をそれぞれ解説します。
自筆証書遺言の無効が認められたケース
自筆証書遺言の無効が認められたケースとして、裁判例をご紹介します。
【東京地方裁判所 令和4年4月28日判決】
このケースは、被相続人Aが亡くなったときに兄Xと姉Yと母親Bがおり、「すべてを姉Yに託す」旨の遺言書が存在したところ、兄Xが遺言書は被相続人Aの自筆によるものではないこと等を主張した事例です。
なお、母親Bは被相続人Aの死後に亡くなり、その相続人は兄Xと姉Yでした。
裁判所は、遺言書の筆跡が被相続人Aと同一であるとする筆跡異同診断書の信用性は十分でないとしました。
また、被相続人Aが作成した遺言書を姉Yに直接交付せず、保管場所を正確に伝えなかったこと、特に親しくしていた姉Yの娘やその夫に相続財産を少しも遺さなかったのは不自然であること等から、遺言書を被相続人Aが自筆したと推認できず、他に自筆したと認められる証拠はない旨を判示しました。
そして、原告Xの請求を認めて遺言書は無効であるとしました。
公正証書遺言の無効が認められたケース
公正証書遺言の無効が認められたケースとして、裁判例をご紹介します。
【東京地方裁判所 令和3年12月22日判決】
このケースは、被相続人が亡くなって原告Xと被告Yが法定相続人となったところ、被相続人は自筆証書遺言でXとYにそれぞれ1/2ずつ財産を相続させる旨の遺言をしていたが、その後に公正証書遺言によって全財産を被告Yに相続させる旨の遺言をしていたため、原告Xが公正証書遺言について無効であることの確認を求めた事例です。
裁判所は、被相続人の入院時の言動から、遺言書を作成したときには認知症によって認知機能の低下の程度は重度であったと指摘しました。
また、それに反する医師の意見は、被告側の意向によるものであるおそれが否定できないこと等から採用しませんでした。
さらに、原告Xと被告Yの取り扱いを変更した合理的理由はまったくうかがえないこと等から、公正証書遺言を作成した当時には被相続人の遺言能力は欠如していたと認めました。
そして、原告Xの請求を認めて公正証書遺言は無効であるとしました。
遺言書の無効が認められた後にすること
法定相続人全員で遺産分割協議を行う
遺言書が無効となった場合には、相続人全員による遺産分割協議によって、誰がどの相続財産を受け取るかについて決める必要があります。
これは、最初から遺言書が作成されなかった場合と同様です。
ただし、遺言書が偽造であったことが発覚した場合には、遺言書を偽造した人は相続欠格に該当するため自動的に相続権を失います。
そのため、遺言書を偽造した人は遺産分割協議に参加できなくなります。
遺産分割協議がまとまらなければ別途調停や審判で解決する
遺言書が無効になった結果、遺産分割協議を行ったところ、その協議が成立しなかった場合には、調停や訴訟等によって相続分を決めることになります。
遺言が無効にならなかった場合の対応策
遺言無効確認請求訴訟を行っても、遺言書を無効にできなかった場合には、遺留分侵害額請求を行う方法があります。
遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人に保障されている、相続財産の最低限の取り分です。兄弟姉妹に遺留分がないため、兄弟姉妹を代襲相続した甥姪にも遺留分はありません。
遺言書が無効にならなければ、基本的に遺言書の記載に従って相続財産が分配されます。
しかし、遺言書によって遺留分が侵害されている相続人には、侵害された遺留分に相当する金銭を取り戻す権利があります。
遺留分侵害額請求の期限は、次のいずれか早い方です。
- 相続が開始したこと、および遺留分が侵害された事実を知ってから1年
- 相続の開始から10年
遺言書の無効申し立ては弁護士にご相談ください
自身にとって不利となるような遺言書が作成されていたとしても、調停や訴訟によって遺言書を無効とすることが可能です。しかし、明らかに無効となるようなミスがなければ、遺言書を無効とするのは難しいでしょう。
そこで、遺言書を無効にしたい場合には弁護士にご相談ください。
弁護士であれば、遺言書のミスを確認することや偽造の疑い等について確認すること、そして遺言書を作成した時の遺言能力の有無について確認するために必要な資料の収集等についてアドバイスをすることができます。
また、侵害された遺留分の請求等についても併せてご相談ください。
遺産分割協議には相続人全員の関与が求められます。
しかしながら、兄弟姉妹がいる方の中には、同じ相続人の立場にあるものの、連絡がつかない人物や、絶縁したような人物が含まれているという場合もあるかもしれません。
そのような場合に、とりうる手段について記載します。
絶縁した兄弟姉妹との遺産相続はどうなる?
複数の相続人が存在する事案の場合、遺言書で全ての遺産の取得者等が具体的に定められているような場合でなければ、遺産分割の問題が生じてしまいます。
絶縁しているからといって、相続分を有する以上は、その者を除外することはできないのです。
絶縁した兄弟姉妹がいる場合の遺産相続の進め方
相手の連絡先を知っているケース
相続人全員の連絡先が判明している場合であれば、遺産分割協議の実施を持ち掛けることによって、話し合いが進む場合もあるかもしれません。
もっとも、絶縁するくらいの関係性ですので、話し合いがスムーズに進まないという場合もあると思います。そのような場合には、調停等の手続きを利用する他ありません。
相手の連絡先を知らないケース
そもそも相手の連絡先が分からないという場合には、戸籍や戸籍の附票を取得することによって、住所は判明するという場合があります。
手紙などで連絡を試みるという方法はあるかもしれませんが、この場合にも、話し合いができない・まとまらない等のケースに至る可能性は低くないものと推測されますので、調停等の手続きを利用することを検討すべき場合もあるでしょう。
調査をしても所在不明という場合は、遺産分割調停等を行うにも、不在者財産管理人の選任申立てを行うことが必要な場合もあります。
相手の生死が7年以上不明のケース
所在不明の状態が7年以上継続しているという事案の場合、失踪宣告の申立てを検討すべき場合があります。
申立てが認められ、失踪宣告が発せられると、その人物は死亡したものとみなされます。
その結果、生死不明の人物に相続人がいればその人物と、いない場合は除外して遺産分割協議等を行うことになります。
絶縁した兄弟姉妹に相続させたくない場合の対処法
特定の兄弟姉妹には遺産を渡したくない、という場合、予め遺言書を作成しておくことが有効です。兄弟姉妹には遺留分の権利がありませんので、全ての遺産の行く先が遺言で定められていれば、その人物が取得する余地はなくなります。
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絶縁した兄弟姉妹との遺産相続を弁護士に相談するメリット
絶縁状態にある人物との話し合いを自ら行うことは、関係性が氷解するというポジティブな事態に好転することよりも、心理的負担のほうが大きいはずです。
弁護士に相談・依頼することで、心理的にも手続き的にも、負担を著しく軽減させるとともに、早期に穏当な解決を獲得する等の効果も期待できると思います。
絶縁した兄弟姉妹との遺産相続についてのQ&A
絶縁した兄弟に遺産相続の連絡をしましたが返事がありません。放っておいて手続きを進めても良いですか?
遺産分割協議という意味であれば×、調停等の申立てを進めるという意味であれば〇です。遺産分割には相続人全員の関与が必要です。
遺言書に絶縁した兄弟の名前がありませんでした。連絡せずに相続手続きしても良いですか?
全ての遺産について、有効な遺言書で行く先が決められているという意味なら〇です。一部の遺産についてのみ記載されているものの、それ以外にも遺産が存在するということであれば、結局遺産分割等の問題は生じます。
絶縁状態の兄弟に連絡をせず勝手に遺産分割や相続手続きを行ったらどうなりますか?
遺産分割は、相続人全員で行わなければ無効です。
兄弟姉妹との遺産相続でトラブルにならないためにも弁護士にご相談ください
遺産分割は、心理的な問題、手続き的な問題の他、専門的な知識や相続分等に関する細かい計算等、一個人が付け焼き刃で対応するには限界のある分野だと思います。
特に多額の資産が存する事案の場合、争いや対立も苛烈になることが予想されますので、弁護士への相談は早めに行い、必要に応じて依頼等を検討することを強くお勧めいたします。
結婚は「夫婦」が中心ではありますが、それぞれの家族・親族との関わり合いを避けては通れません。
そのため、親族との関係から夫婦仲に不和が生じることもあるでしょう。
典型的なのは嫁と姑の間で、価値観や考え方の違いなどから深刻な衝突やトラブルが生じる嫁姑問題です。
例えば、夫のことは大事だけど姑のことが嫌いになってしまった、「嫁が悪い」と助けてくれない夫のことも嫌いになってしまった、など嫁姑問題は夫婦間の亀裂を生じさせ、離婚に発展することも少なくありません。
この記事では、嫁姑問題を理由に離婚できるのか、嫁姑問題の離婚率、慰謝料請求と相場などについて解説していきます。ぜひご参考ください。
嫁姑問題を理由に離婚できるか
基本的に、夫婦双方が離婚に合意できれば嫁姑問題が理由でも離婚できます。
ただし、相手が離婚に応じない場合は、注意が必要です。
離婚の方法には、①協議離婚、②離婚調停、③離婚裁判の3つの方法があります。
このうち、①協議離婚と②離婚調停は基本的に夫婦の話し合いであるため、当事者間で合意できればどのような理由でも離婚できます。
一方、③離婚裁判は裁判官が離婚の可否について判断するため、民法で定められた離婚理由(法定離婚事由)があることが求められます。
嫁姑問題は法定離婚事由には該当しないため、それだけを理由に裁判で離婚を認めてもらうのは難しいでしょう。
ただし、嫁姑問題によって「夫婦関係の修復が不可能な状態に陥り、婚姻関係が破綻している」と認められれば、裁判でも離婚が認められる可能性があります。
嫁姑問題が原因の離婚率はどれくらい?
嫁姑問題での離婚率ははっきりとはわかりませんが、離婚調停を申し立てた動機についてはデータが出ています。
令和5年度の司法統計年報による「申立ての動機別割合」によると、離婚調停を申し立てた妻側からの申立て動機として、「家族親族との折り合いが悪い」は2332件となりました。
この結果は、全体の約5%に当たり、嫁姑問題で離婚を考える夫婦が多いことが分かります。本来結婚生活は夫婦が主となるものです。
しかし、実際には夫の両親や親族とも付き合っていかなければなりません。
そのため、嫁姑問題が生じるのは避けがたいといえます。
嫁姑問題は、夫がどのくらいその実態を把握しているのか、妻の味方になっているかが離婚の分かれ目となるでしょう。
離婚前に考えるべき3つのこと
嫁姑問題で離婚した方の中には、離婚したことを後悔してしまう方もいらっしゃいます。
離婚を後悔しないためにも、以下のことを考えましょう。
①姑と和解する方法が無いか
まずは、姑とは本当に和解できないのかを考えてみましょう。もちろん、姑から悪意のある言動をされれば、我慢が限界になって離婚を考えるお気持ちはよくわかります。
しかし、感情的になって愛する夫と離婚してしまうのは、あとから後悔してしまうこともあります。
まずは一度、冷静になって姑の言動だけでなく、ご自身の言動を振り返ってみてください。
姑に対し強い言葉を投げかけていませんか?姑や嫁という関係の前に、一人の人間としてどのような態度で接するべきか考えてみることも有効です。
一方、姑からいじめのような言動をされている場合には、夫に間に入ってもらったり、夫に注意してもらったりすることで、姑との関係が良くなる場合もあります。
②離婚後の生活に備えておく
離婚後の住居や経済面について、離婚前から考えて準備することはとても大切です。
離婚後の住居について実家を頼れるといいのですが、そうでない場合は離婚の話し合いをしている段階で新しい住居を探すなどの準備も必要です。
また、離婚後はご自身の収入で生活しなければなりません。
専業主婦やパート主婦の場合は、離婚前に就職先を見つけておくことも大切です。まずは、毎月の支出を計算して見合った収入を得られるよう下調べをしておきましょう。
③子供の親権・監護権をどうするか
夫婦の間に未成年の子がいる場合は、離婚する際に親権者・監護権者を定めなければなりません。
令和8年4月から共同親権制度が始まり、夫婦共同で親権を行使することができるようになりますが、それでも夫婦が離婚して別々に暮らす以上、子どもの生活の面倒を見る監護権者を両親のどちらか一方に定める必要があります。
また、共同親権でなく従来制度の通りに単独親権とする場合には、両親のどちらか一方を親権者に決めなければなりません。
これまで夫や、同居や二世帯住宅であれば夫の両親も子育てに携わってくれていたかもしれませんが、これからは1人で子育てをしていかなければなりません。
また、離婚して家を出れば、家の変化や環境の変化は子供に少なからずストレスを与えます。離婚を切り出したら、親権問題に姑が口をはさむこともあるかもしれません。
しかし、当然ながら姑が親権者になることはできません。
親権者・監護権者を決める際に重要なのはどちらが多く子供のそばで世話をしたかという監護実績です。
妻側が育児放棄などをしていない限り、妻側の方が親権獲得に有利なのが一般的です。
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嫁姑問題による離婚の慰謝料請求と相場
離婚の慰謝料相場は100~300万円です。
ただし、離婚するからといって必ず慰謝料を受け取れるわけではありません。
では、長年姑から嫌がらせを受けていた場合に慰謝料を受け取れるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
姑への慰謝料請求
当事者間の話し合いによって姑が慰謝料を支払うことに合意すれば、慰謝料を受け取ることができます。
一方、姑が慰謝料の支払いに応じない場合は裁判となりますが、離婚裁判の当事者は夫婦であるため、新たに姑に対し慰謝料請求訴訟を提起する必要があります。
また、裁判によって姑に慰謝料の支払い義務が認められるのは、姑の行為が「不法行為に該当する」ことを、証拠をもとに立証しなければなりません。
具体的には、以下のような証拠が該当します。
- 暴言を録音したボイスレコーダー
- 姑とのやり取りが分かるLINEやメール
- 細かく事情を記した日記
嫁姑問題で精神的に追い詰められてしまった場合は、心療内科や精神科に通院した記録があると証拠として有効です。
夫への慰謝料請求
夫への慰謝料請求も当事者間で話しあいによって合意できれば請求が可能です。
裁判で争う場合には、夫に「不法行為に該当する行為」があったと認められれば、離婚慰謝料が認められるでしょう。
ただし、嫁姑問題によって夫婦関係が破綻したこと、嫁姑問題に対して夫にも責任があることを証明する必要があります。
なお、慰謝料以外にも、財産分与やご自身が親権を獲得した場合の養育費などを請求することが可能です。
嫁姑問題で離婚をお考えなら離婚弁護士ALGにご相談ください
嫁姑問題であっても状況によって慰謝料請求も可能ですし、立派な離婚事由になる場合があります。嫌がらせをされて毎日が不安な方、そろそろ新しい生活を始めませんか?
嫁姑問題を弁護士に相談することで、慰謝料以外にも養育費や財産分与などで有益な交渉ができる場合もあります。
離婚後のことを考えたら、少しでも多くの金額を獲得できれば安心ではないでしょうか。
また、早めに弁護士に相談することで、夫や姑に離婚に対して真剣な気持ちであること、大きな問題となっていることを理解してもらえるでしょう。
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共同親権とは
共同親権は、父母の双方が子供の親権を有することを指します。
婚姻中の夫婦と実子の関係は、通常これに該当しますが、離婚後も単独親権だけでなく、共同親権を選択することができるようになる、というのが今回の法改正の大きな内容の一つです。
海外の共同親権の導入状況は?
海外の場合、単独親権のみを採用している国は少数派です。
法務省民事局がG20を含む24か国を対象に行った調査では、インド・トルコの二か国のみが単独親権、その他は選択的な共同親権の制度を採用する国や、共同親権を原則的な形態とする国だったとされています。
日本ではいつから共同親権が導入されるのか?
日本では、令和8年4月1日に共同親権の制度導入を含む改正法が施行されます。
したがって、制度の導入は同日より、ということになります。
共同親権を導入するメリット
離婚時の親権争いを回避しやすい
双方が親権を強く望む場合、単独親権以外の選択肢のない従前の制度との比較では、共同親権という選択肢が存することで、少なくとも親権という問題については穏当な選択肢が一つ増えることになります。
離婚後でも両親ともに子育てに関われる
共同親権の制度導入に付随する内容として、離婚時に監護の分担の定めをすることができます。法務省民事局発行のパンフレットでは、「平日は父母の一方がこどもの監護を担当し、土日祝日は他方が担当するといった定め」というような例も挙げられているところです。
すべての事案に適応可能なわけではなく、“こどもの利益を最優先”という考え方自体に変更はありませんが、従来の制度よりは柔軟な解決につながりうるところだと思います。
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共同親権が認められないケース
親権について、父母双方の協議が整わない場合は家庭裁判所の判断を求めることになります。
その際、①虐待のおそれがある場合、②DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき、に該当する場合、家庭裁判所は単独親権としなければならないものと規定されています(改正民法819条7項)。
共同親権についてのQ&A
共同親権導入後に離婚した場合、自動的に共同親権になるのでしょうか?
新しい制度は、共同親権も選択可能とするものです。
離婚したら自動的に共同親権になるというものではありません。
既に離婚している場合、共同親権になった後の親権はどうなるのでしょうか?
共同親権に関する改正民法の施行後には、それ以前に離婚した方についても「親権者変更調停・審判」の申立てにより、共同親権に変更する途が開かれています。実際に変更等が行われるかは個別的な事情によるところです。
共同親権で再婚した場合、子供の親権者は誰になりますか?
婚姻だけでは親権に変動はありません。
再婚相手が養子縁組をした場合、養親とその配偶者の共同親権となり、他方の実親は親権者ではなくなります。
共同親権は拒否できますか?
離婚の際に、共同親権と単独親権のいずれを選択するかについて、第一義的には両当事者の協議によるところです。
一方が共同親権とすることを拒否し、他方が希望するという状況では、前記のとおり家庭裁判所の判断を求めることとなります。
拒否を貫いた場合にいずれの帰結に至るかは個別の事情によります。
共同親権から単独親権への変更はできますか?
共同親権から単独親権への変更も、「親権者指定調停・審判」の申立てが可能です。
共同親権について不明点があれば弁護士へご相談ください
長年単独親権の制度を採用していた本邦において、今回の民法改正は大きな変革を伴うものです。
法定養育費の導入等、その他の制度変更を含め、離婚や親権の問題にお悩みの方は一度弁護士に相談することをお勧めいたします。
亡くなられた方(被相続人)の遺言が残されていない場合、遺産をどのように分ければ良いのか判断に迷うことや、トラブルになることが少なくありません。
このような場合には、民法で定められた相続財産を引き継ぐ割合の目安である「法定相続分」を前提に、具体的相続分を算定することになります。法定相続分を正確に把握することは、具体的相続分算定の前提となるため、非常に重要です。
法定相続分について理解するためには、「法定相続人」や「相続割合」について正しく理解する必要があります。
本稿では、法定相続人ごとの相続割合や、法定相続分が認められない人、遺産分割が法定相続分どおりにならないケース等についてわかりやすく解説します。
法定相続分とは
法定相続分とは、民法900条に定められている、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときに目安とされる相続割合のことです。
被相続人が遺言書を作成しなかった場合等において、法定相続人が複数人いるときに、誰が相続人となり、どの割合で相続するかを決めるときに用いられます。
法定相続分は遺産分割協議で使用される
遺産分割協議では、法定相続分が目安の割合として活用されます。
遺産分割協議とは、相続人の全員が参加して、相続財産の分け方を話し合う手続きのことです。全員が合意すれば成立しますが、相続人の1人でも反対すると、いつまでも成立しなくなってしまいます。
遺産分割協議が合意に至らなかった場合には、家庭裁判所に申し立てて、遺産分割調停や遺産分割審判によって相続分などを決定します。
調停は、調停委員に仲介してもらいながら進める話し合いなので、結論を強制されることはありません。しかし、審判では裁判官の判断によって結論が下されます。
審判では、法定相続分や、特別受益、寄与分を基に、遺産分割の方法が定められることが一般的です。
法定相続人の範囲と相続順位
法定相続分は、誰が法定相続人となって相続するかによって割合が異なり、民法によって表のように決められています。
法定相続人は、被相続人との関係性によって相続順位が設けられています。
配偶者は常に相続人となります。配偶者以外の相続人は、先順位の法定相続人がいる場合、相続人とはなりません。
配偶者がいない場合、第1順位、第2順位、第3順位の順に相続人が定まります。
| 順位 | 法定相続人 |
|---|---|
| 常に相続人 | 配偶者 |
| 第1順位 |
被相続人の子など直系卑属 (親子関係でつながった親族のうち下の世代) |
| 第2順位 |
被相続人の父母など直系尊属 (親子関係でつながった親族のうち上の世代) |
| 第3順位 | 被相続人の兄弟姉妹 |
【ケース別】法定相続分の割合と計算方法
配偶者+子供の場合
被相続人に配偶者と子がいる場合の法定相続人は、配偶者と、相続順位が第1順位である子です。それぞれ「2分の1ずつ」の割合で分割することとなります。
子が複数名いるときは、子に割り当てられた「2分の1の相続分」を、子の頭数で割ります。
配偶者がいない場合には、子がすべての財産を相続します。子が複数いれば、人数で均等に割ります。
配偶者+直系尊属の場合
配偶者と次順位(第2順位)の被相続人の直系尊属が相続人になります。
法定相続分は、配偶者3分の2、被相続人の直系尊属が3分の1となります。例えば、両親が生存している場合、相続の割合は父親6分の1、母親6分の1となります。
両親のうち片方が死亡している場合、生存している親が相続人となり、相続分は3分の1となります。両親双方が死亡しており、祖父母が生存しているときは、3分の1を祖父母の人数で割った数が、祖父母それぞれの相続分となります。
配偶者+兄弟姉妹の場合
配偶者と、第3順位の法定相続人にあたる兄弟姉妹が相続人になります。
法定相続分は、配偶者4分の3、被相続人の兄弟姉妹4分の1です。兄弟姉妹が複数人いる場合は、兄弟姉妹の法定相続分である4分の1を、兄弟姉妹の人数で平等に分け合います。
ただし、父又は母の違う兄弟姉妹(半血の兄弟姉妹)がいる場合、半血の兄弟姉妹の相続分は、父及び母を同じくする兄弟姉妹(全血の兄弟姉妹)の2分の1となります。
配偶者のみ・子供のみ・親のみ・兄弟姉妹のみの場合
この場合、配偶者、子ども、直系尊属、兄弟姉妹が全て相続します。
ただし、兄弟姉妹のうち全血の兄弟姉妹と半血の兄弟姉妹がいる場合、半血の兄弟姉妹の相続分は全血の兄弟姉妹の半分です。
配偶者+孫の場合(代襲相続)
被相続人が亡くなったときに、子が既に死亡しており、亡くなった子の子(被相続人の孫)がいた場合には、孫が代襲相続します。
代襲相続とは、被相続人が亡くなったときに、本来相続人となるはずであった者が死亡するなどしていた場合に、その子などが代わって相続する制度のことです。
被相続人に配偶者がおり、代襲相続人が孫やひ孫などのケースでは、その孫などの法定相続分は、本来の相続人である「子」と同じ「2分の1」となります。
なお、法定相続人になる予定であった兄弟姉妹が先に亡くなっているケースでは、その子である被相続人の甥姪も、兄弟姉妹を代襲相続することができます。
ただし、甥姪の子は再代襲相続することができません。
養子がいる場合
養子は法定相続人となるため、実子と同じように法定相続分があります。
被相続人の配偶者の連れ子に相続権はありませんが、養子縁組をすれば、配偶者の連れ子も第1順位の相続人となることができます。
非嫡出子がいる場合
非嫡出子とは、法律上結婚していない男女の間に生まれた子のことです。
非嫡出子であっても、被相続人に認知されて戸籍にその旨が記載されていれば、第1順位の相続人となり、嫡出子と同じだけの法定相続分が認められることになります。
例えば被相続人に配偶者、配偶者との間の子1人がおり、愛人の子1人を認知していると、子2人の法定相続分はそれぞれ4分の1になります。
ここで、非嫡出子の相続分は、「民法の一部を改正する法律」(平成25年法律第94号)の施行前は、嫡出子の2分の1とされていました。
平成25年9月4日の最高裁決定において、嫡出でない子の相続分に関する規定が遅くとも平成13年7月においては違憲であったと判断されました。
平成13年7月1日以降に生じた相続で遺産分割が未了の場合等、法律関係が確定的となっていない場合、同改正前の民法の規定にかかわらず、嫡出子と非嫡出子の相続分は、同じとして扱われます。
なお、被相続人に認知されていなかった非嫡出子は法定相続人にならず、法定相続分もありません。この場合、被相続人の死後3年以内に検察官に対して認知の訴えを提起することで、親子関係を証明できれば死後認知をしてもらうことができます。
法定相続分が認められない人
法定相続分は、民法で定められた“法定相続人の”相続割合ですから、法定相続人以外の人には認められません。
例えば、相続開始前には相続人になると思われていた者が、何らかの事情で相続権を失うと法定相続分を持ちません。
法定相続分を失った者は、遺留分も失うことになります。
また、次のような者は法定相続人として定められていないため、被相続人とどれだけ親しかったとしても法定相続分は認められません。
離婚した元配偶者
法定相続人になるのは、相続発生時に配偶者であった者だけです。
そのため、かつては配偶者であったとしても、相続発生時には離婚していたのであれば、法定相続人にはなりません。
これは、離婚後に同居していた者であっても同じです。
内縁関係や事実婚の状態にある人
法定相続人になるのは、法律上の配偶者だけです。そのため、内縁関係の配偶者や同性のパートナー等は法定相続人になりません。
このような場合には、遺言の作成で相続に備えることになります。
養子縁組をしていない再婚相手の連れ子
被相続人の配偶者に連れ子がいても、そのままでは法定相続人になりません。法定相続人にするためには、養子縁組をして法律上の子にする必要があります。
これは、実の親子のように仲良くしていたとしても同じです。養子縁組しないのであれば、遺言書を作成して遺贈すること等が必要です。
代襲相続人でない孫や甥姪
被相続人の孫や甥姪は、基本的に法定相続人ではありません。
孫や甥姪が法定相続人になるのは、被相続人の子や兄弟姉妹が亡くなっており代襲相続が発生した場合や、被相続人と養子縁組していた場合等です。
相続放棄した人
法定相続人が相続放棄をした場合、最初から相続人ではなかったものとして扱われるため、法定相続分は認められません。
また、相続放棄の手続きによって相続権を初めから持っていなかったものと扱われる以上、相続権がその後の世代に引き継がれることはありません。
つまり、その後の世代に代襲相続は発生しません。
相続廃除や相続欠格に該当する人
相続人廃除とは、被相続人自身から家庭裁判所に申し立てることで、特定の推定相続人の資格を取り上げる制度です。
被相続人に対して虐待行為や重大な侮辱行為をしたり、ひどい非行に走っていたりした場合に認められる可能性があります。
相続欠格とは、遺産を不当に手に入れるために、推定相続人が相続欠格事由に当てはまる不正な行為をしたことを理由として、その推定相続人の相続権を失わせる制度です。
これは、欠格事由に当てはまると自動的に相続欠格になるため、誰かが裁判所などに申し出る必要はありません。
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法定相続分と遺留分の違い
遺留分とは、配偶者や子、父母などに認められている、最低限の相続財産の取得分です。
法定相続分とは違い、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。
また、法定相続分はあくまで「相続割合の目安」なので、遺言や相続人の合意によって異なる割合を指定できますが、遺留分は遺言や相続人の合意では侵害できない「相続人の最低限の権利」です。
そのため、遺言で相続分がないものとされても、遺留分侵害額請求を行うことで、遺留分に相当する金銭を他の相続人等に対して請求できます。
遺産分割が法定相続分どおりにならないケース
遺言書がある場合
被相続人が生前に遺言書を作成していれば、基本的には遺言書で指定されている内容に従って相続財産を分配します。ただし、遺言書で分割方法が指定されていない財産については、別途、遺産分割を行う必要があります。
遺言書では法定相続分とは異なる取り分を指定できます。
相続人の1人に全財産を相続させる旨の指定も可能です。
ただし、遺留分を有する相続人がいると、遺留分侵害額請求が行われてトラブルになるリスクもあるため注意しましょう。
また、相続人の全員が合意すれば、遺言書の内容とは異なる分配を行うこともできます。
生前贈与があった場合
生前贈与が行われると、贈与した時に財産が移転するため、法定相続分がない者であっても被相続人の財産を受け取る結果となります。
財産の大半を生前贈与すると、法定相続人はほとんど財産を相続しません。
ただし、生前贈与によって遺留分が侵害されると、遺留分侵害額請求の対象となります。
法定相続人に生前贈与が行われた場合、相続財産の前渡しとして扱われます。このような利益を「特別受益」といいます。
寄与分が認められる場合
寄与分とは、介護や事業の手伝い等によって、被相続人の財産の維持や増加に特別の貢献をした相続人について、相続財産の取り分(具体的相続分)を増額する制度です。
相続人が寄与分を主張すれば、具体的相続分を増やせる可能性があります。
ただし、寄与分は基本的に相続人の協議又は調停によって金額を決定し、協議がまとまらない場合、審判により定められます。そのため、寄与分があることを証明するための資料等を保存しておかなければ、寄与分を認めてもらえないことが少なくないため注意しましょう。
なお、相続人以外の親族であっても、その寄与に応じた金銭を相続人に対して請求できます。このときに請求できる金銭を「特別寄与料」といいます。
法定相続分に関するよくある質問
法定相続分を超える相続にはどんなものがありますか?
以下のようなケースが考えられます。
・遺産分割協議で多くの取り分が認められた
・遺言書によって取り分が指定された
・取り分に寄与分が加算された
・他の相続人の特別受益が考慮された
法定相続分がない人に遺産を取得させる方法はありますか?
法定相続人ではない者に相続財産を渡したい場合には、遺言書を作成する方法があります。
ただし、遺言書が無効になってしまうと財産を渡せないため、公正証書遺言を作成することをおすすめします。
また、財産を生前贈与してしまうことも有効な手段です。この場合、110万円を超える生前贈与には贈与税がかかるのが原則です。
ただし、相続時精算課税制度を用いることができる場合もあります。
さらに、養子縁組して相続させる方法も考えられます。
この方法では、養子縁組してから関係が悪化しても、離縁が難しい場合がある点に注意しましょう。
法定相続分についてのお悩みは遺産分割問題に強い弁護士にご相談ください
法定相続分は、法定相続人のうち「誰が」「何人」遺産を相続するのかによって変わります。そのため、正確な法定相続分を知るためには、相続人となる者を漏れなく把握することが重要です。
しかし、事情によっては、亡くなった方の親族関係などが複雑で、相続人調査や法定相続分の確認が難しいケースもあります。他の相続人が独自の主張をして譲らない場合等もあるでしょう。相続問題に強い弁護士であれば、煩雑な手続きを代わりに行うことができます。
また、遺産分割に関する話し合いをスムーズかつ有利に進めることが期待できます。
遺産の取り分等について疑問やご不安を抱かれた際には、まずは弁護士にご相談ください。
独身である方で、自身の財産が死後にどうなるのかが気になる方もいらっしゃるでしょう。
遺言書を作成しなければ、遺産は民法に従って、法定相続人が相続します。
しかし、独身で子がおらず、兄弟姉妹もいない方は、法定相続人が誰もいない場合について考えておくのが望ましいでしょう。
この記事では、独身である場合に誰が法定相続人になるのか、法定相続人がいない場合にはどうなるのか、生前にやっておくべき相続対策はどのようなものか等について解説します。
独身者がなくなった場合の法定相続人は誰?
子供がいる場合は子供だけが相続人になる
被相続人である独身者に子がいれば、子が法定相続人になります。
| 子が2人以上いるケース | 基本的にすべての子が同じ割合で相続する |
|---|---|
| 孫がいる状態で子が亡くなった後で ご自身が死亡したケース |
孫が子に代わって法定相続人になります |
このように、亡くなった者の子が代わりに相続することを代襲相続といいます。
被相続人の子が養子であっても、実子と同じように相続します。
子供がいない場合は父母
独身であり、子や、子の代襲者(孫など)がいない場合には、直系尊属である父母が法定相続人になります。
父母がともに生きている場合は遺産の1/2ずつ、どちらか1人が生きている場合はその者が遺産の全てを相続します。
父母がいない場合は祖父母
独身である者が亡くなり、さらに亡くなった人に子がおらず、父母もすでに亡くなっている場合には、亡くなった者の祖父母が法定相続人となります。
さらに、祖父母についても、すでに亡くなっている場合には、曾祖父母、高祖父母と、各々の親に相続権が移転していきます。
なお、両親が亡くなっており、4人の祖父母(父親の両親と母親の両親)が全員生きているようなケースでは、祖父母1人あたりの法定相続分は1/4です。
4人のうち誰かがすでに亡くなっており、生きているのが3人であれば、法定相続分は1/3になります。祖父母のうちの1人でも生きているのであれば、兄弟姉妹が法定相続人になることはありません。
父母、祖父母がいなければ兄弟姉妹
独身であり、子がおらず、父母や祖父母等の直系尊属がすでに亡くなっている者が亡くなった場合には、兄弟姉妹が法定相続人となります。
このケースでは、基本的にすべての兄弟姉妹の法定相続分が同じになります。
例えば、兄と姉、弟、妹がそれぞれ1人ずつ、合計4人いた場合には、各々の法定相続分は1/4になります。
兄弟姉妹がいない場合は姪甥
独身であり、子がおらず、父母や祖父母等の直系尊属、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合において、兄弟姉妹に子(被相続人の甥および姪)がいれば、代襲相続で甥姪が法定相続人になります。
ただし、甥姪が亡くなっていても、甥姪の子(兄弟姉妹の孫)が相続することはありません。したがって、亡くなった兄弟姉妹に子(甥姪)がいない、または、甥姪が亡くなっていた場合には、被相続人の法定相続人はいないことになります。
兄弟姉妹が多い場合には甥姪も多くなるのが一般的です。甥姪が10人いれば、各々の法定相続分は1/10になります。
それ以外は相続人不存在となる
上記以外の場合には、相続人不存在となり、以下のような対応をすることになります。
相続人がいない場合、独身者の財産はどうなる?
法定相続人がいない場合には、遺産は相続財産清算人によって管理されることになります。
相続財産清算人は、以下の手続きを行います。
- ①相続財産清算人による財産の処分
- ②特別縁故者への財産分与
- ③国庫に帰属する
これらの手続きについて、次項より解説します。
相続財産清算人によって、遺産の精算が行われる
法定相続人がいない独身者の場合、相続財産清算人が選任されます。
相続財産清算人によって、被相続人にお金を貸していた者等、債権者への弁済が行われます。また、遺贈を受けた者がいれば、相続財産が分配されます。
その後、残った財産があれば特別縁故者に与えられます。
特別縁故者へ財産分与される
特別縁故者とは、法定相続人のいない被相続人と特別に親しくしていた者のことです。
主に、以下のような者が該当します。
- 内縁の配偶者
- 被相続人の身の回りの世話や看護した者
- 被相続人と同居しており、家族のような関係にあった者
- 極めて親しかった友人
ただし、これらの者が自動的に特別縁故者になるわけではなく、該当する者が自ら家庭裁判所に申し立てて、特別縁故者として認められる必要があります。この申立ては、相続人の申し出を求める公告期間である6ヶ月以上の期間満了後、3ヶ月以内に行う必要があります。
国庫へ帰属する
全ての手続を行っても遺産が余った場合には、国庫に帰属します。つまり、誰も受け取る者がいなかった遺産は国の物になるということです。
近年は、生涯未婚率の上昇の影響で、国庫に帰属する遺産が増える傾向にあります。
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独身者が今からできる相続対策は?
独身者が生前にやっておくべき相続対策として、遺言書を作成しておくことが挙げられます。これについて、以下で解説します。
遺言書を作成する
特定の人物に遺産を与えたい場合には、遺言書を作成すると良いでしょう。
遺言書を用いれば、法定相続人がいないケースだけでなく、法定相続人がいるケースであっても、基本的には自由に遺産を与えることができます。
法定相続人や法定相続分は、遺言書がなく揉めた場合に必要となる目安です。
しかし、遺言書さえあれば、遠い親戚や友人、慈善団体等、法定相続人になり得ない者や組織等に対しても遺産を渡すことができるのです。
ただし、これは遺言書が有効であるときに限定されます。せっかく遺言書を作成しても、書式のミスや曖昧な記載等が原因となって、無効とされるリスクがあります。
遺言書を無効とされないために、遺言書はなるべく公正証書遺言によって作成することをおすすめします。
遺言書の作成や、公正証書遺言について詳しく知りたい方は、以下の各ページをご覧ください。
遺言書について詳しく見る 公正証書遺言について詳しく見るエンディングノートを作成する
エンディングノートとは、自身の死後に関する希望等を書き残すためのノートです。
遺言書とは違い、法的な拘束力はありませんが、幅広い事項を記載することができます。
エンディングノートに書くべき事項として、主に以下のようなものが挙げられます。
- 自身の基本的な情報
- 介護や葬儀に関する希望
- 家族や友人等へのメッセージ
- 遺言書を作成した事実
- 大まかな財産の状況、借金の有無など
独身の方の相続に関するお悩みは弁護士にお任せください
独身の方は、配偶者が相続人にならないため、遺言書を作成しなければ子や兄弟姉妹等に全ての遺産が渡ることになります。しかし、近所の住人や自身の介護をしてくれた方等、より身近な方に遺産を渡したいと考える方も少なくありません。
自分の財産を希望する相手に渡したいときには、遺言書を作成する方法が有効です。
ただし、自分だけで遺言書を作成しようとすれば、その遺言書が無効になるリスクがあるだけでなく、密かに遺産をアテにしていた人物が反発する等、思わぬトラブルを招いてしまうおそれがあります。
弁護士にご相談いただければ、遺言書を作成するための助言が可能です。また、死後の遺産の管理等についても相談していただくことができます。
まずはお電話にて状況をご相談ください。
後妻がいる場合の相続では、前妻との間に生まれた子や後妻の連れ子が存在することによって、感情的な対立が発生しやすくなります。
さらに、当事者や関係者が口を出すことによって、争いが拡大するリスクは高いといえるでしょう。
そこで、後妻がいる場合、相続をスムーズに行うためには相続の知識や生前の対策等が必要となります。
この記事では、後妻がいる場合の法定相続人や発生しやすいトラブル、行うべき対策等について解説します。
被相続人に後妻がいる場合の相続はどうなる?
後妻は相続人になる?
後妻が被相続人の生前に被相続人と結婚しており法律上の夫婦関係があった場合には、後妻は相続人となります。
後妻と被相続人の関係が事実婚に過ぎない場合には、後妻は相続人とはなりません。
後妻の連れ子に相続権はある?
後妻の連れ子は、被相続人と養子縁組をしていれば相続権があります。
一方で、養子縁組していない場合には、後妻の連れ子は被相続人が亡くなっても相続権を持ちません。これは、一緒に暮らしていたとしても、父親と後妻の連れ子には、法律上の親子関係が成立していないからです。
一方で、前妻との間に生まれた子については、離れて暮らしているケースや、親権者が前妻になっているケースであっても法定相続人になります。
相続人が誰であるかを考えるときには注意しましょう。
後妻に相続させない方法はある?
ご自身の財産を後妻に相続させたくない場合には、主に以下のような方法が考えられます。
- 事実婚にして、法律上の婚姻関係にならないようにする
- 自分が生きているうちに、前妻の子等の親しい人に生前贈与をする
- 遺言書を作成して他の人に遺贈する
- 相続人排除を行って、後妻の相続権を失わせる
ただし、生前贈与や遺贈によって後妻の相続分をなくしておこうとしても、後妻には配偶者としての遺留分があるため、遺留分侵害額請求によって遺留分に相当する金銭等を取り戻すことが可能です。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に保障されている相続財産の最低限の取り分です。
後妻の死後に前妻の子供が遺産を相続することはできる?
被相続人が、後妻が生きているうちは自宅等の財産を後妻に相続させるが、後妻の死後は、自分の実子である前妻との間に生まれた子へ渡したい等の希望を持っているケースがあります。
この場合は、法定相続人が問題になります。前妻の子は後妻の法定相続人とはならないので、後妻が相続していた自宅等の財産を前妻の子が相続することはできません。
前妻の子が、後妻が相続した自宅等を相続するためには、後妻と養子縁組をする必要があります。また、遺言書を作成すれば自宅等の財産を遺贈できます。
施設に入る等、自宅が不要になったタイミングで生前贈与しておく方法も考えられます。
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後妻と前妻の子の間でよくある相続トラブル
前妻との間に子がいる場合には、前妻の子と後妻、さらには後妻との間に生まれた子がいる場合にはその子も相続人になるため、感情的な対立が生じやすくトラブルが発生するリスクが高まります。
想定されるトラブルとして、主に以下のようなものが挙げられます。
- 後妻や後妻の子が、前妻の子を無視して勝手に相続手続きを進めてしまう
- 前妻の子が相続できないように、後妻や後妻の子が財産を隠してしまう
- 前妻の子が、後妻に対して相続放棄を要求する
- 遺言書が破棄されてしまう
- 遺言書は偽造されたと主張されてしまう
- 遺留分を侵害した遺言書によって相続人同士が揉めてしまう
- 相続財産の評価額について意見が対立して、相続手続きを進められない
後妻がいる場合の相続を円滑に進めるための対策
夫の立場でできること
- 後妻や前妻の子等の遺留分を侵害しない内容の遺言書を作成する
- 遺言書を法務局に保管してもらうか、公正証書遺言を作成する
- 前妻の子に生前贈与を行い、後妻または後妻の子に遺留分の放棄を申し立ててもらう
- 後妻や前妻の子を受取人とした生命保険に加入する
- 遺産分割しづらい不動産等の財産をあらかじめ売却して換金しておく
- 相続がスムーズに行えるよう弁護士に相談する
相続人の立場でできること
- 遺言書の有無を確認する
- 自分で相続財産調査を行う
- 遺産分割協議を、なるべく公平な結果になるように進める
- 遺留分の侵害等、法的な問題について弁護士に相談する
後妻がいる場合の相続をスムーズに行うためにも経験豊富な弁護士にご相談ください
後妻がいる場合、相続トラブルを招きやすいため、被相続人は生前に対策しておく必要があります。しかし、よかれと思って作成した遺言書が、かえってトラブルを招いてしまう等のリスクがあるため、相続対策は慎重に行わなければなりません。
そこで、後妻がいる場合の相続対策は弁護士にご相談ください。
弁護士であれば、相続人の状況等を考慮しながら、なるべくトラブルにならないような対策をアドバイスできます。
また、不動産や美術品の評価等、相続対策の前提となる事項についても併せてご相談ください。
配偶者の浮気や不倫が「不貞行為にあたるかどうか」は、離婚や慰謝料の請求にかかわる重要なポイントです。
この記事では、どこからが不貞行為になるのか、配偶者の不貞行為が発覚したらどうしたらいいのかを詳しく解説していきたいと思います。
不貞行為と認められやすいケース・認められにくいケースの具体例とあわせて、不貞行為の証拠の重要性も紹介していくので、配偶者の浮気・不倫で離婚や慰謝料を請求したいとお考えの方の参考になれば幸いです。
不貞行為になるのはどこから?
不貞行為とは、夫婦が負う貞操義務に違反して、配偶者以外の者と自由意思のもとに性的関係(肉体関係)を結ぶことを指します。
性交渉のほか、裸で抱き合う・体を触り合うといった性交類似行為が不貞行為にあたると考えられています。
不貞行為は法律で認められた離婚理由=法定離婚事由のひとつにあたるため、不貞行為をした配偶者に対して離婚や慰謝料の請求が可能になります。
浮気や不倫との違い
不貞行為は法律用語で、既婚者が配偶者以外の者と自由意思で性的関係を結ぶことと定義されています。一方で浮気や不倫は日常用語で明確な定義がなく、どこからが浮気・不倫かという判断は人によって異なります。
<浮気・不倫の一般的な見解>
- 浮気・・既婚かどうかを問わず、パートナー以外の第三者と交際関係にあること
- 不倫・・既婚者が配偶者以外の第三者と交際関係にあること
不貞行為と認められやすいケース
不貞行為と認められるのは、自由意思で配偶者以外の者と肉体関係をもったと認められるケースです。具体的に、
- 肉体関係がある
- 性行為に類似する行為がある
- ラブホテルに二人で長時間滞在していた
- 二人で宿泊を伴う旅行をしていた
- 同棲している
という事情が認められれば、肉体関係またはそれに類似する行為があったとして、不貞行為と認められやすくなります。以下で詳しくみていきます。
肉体関係がある
自分の意思で配偶者以外の者と肉体関係をもった場合、不貞行為が認められます。
配偶者以外の第三者に好意を抱いて肉体関係をもったケースだけでなく、次のようなケースも不貞行為に含まれます。
- 酔った勢いで、配偶者以外の異性と1度だけ性行為をした
- 恋愛感情はないけれど、性行為の誘いを断り切れずに肉体関係をもってしまった
- 性的サービスを受けに風俗へ通っていた など
性行為に類似する行為がある
性行為だけでなく、性行為に類似する行為=性交類似行為も不貞行為とみなされます。
性交類似行為とは、性行為には至らないものの、実質的に性行為と同視できるような性的交渉のことを指し、次のような行為が該当します。
- 裸で抱き合う
- 体を触り合う
- 性交を模して行われる口淫・手淫 など
ラブホテルに二人で長時間滞在していた
ラブホテルに二人で長時間滞在していたケースでは、肉体関係をもったと推認できることから不貞行為と認められる可能性があります。
ラブホテルは、性行為をする目的で利用する場所として一般的に認知されています。
そのため、ラブホテルに二人で入ってしばらくの間出てこなかった場合、当事者が肉体関係を否定しても、性行為があったと認められる可能性が高いです。
二人で宿泊を伴う旅行をしていた
二人で宿泊を伴う旅行をしていたケースも、肉体関係をもったと推認できることから不貞行為と認められる可能性があります。
同じ部屋で二人きりで過ごし、宿泊を伴っている場合は、性行為があったと認められる可能性が高いです。
また、たとえ肉体関係がなくても既婚者と二人きりで宿泊を伴う旅行をするのは、平穏な夫婦関係を脅かす、行き過ぎた行為として慰謝料が発生するおそれがあります。
同棲している・頻繁に泊まりに行っている
同棲しているケースも、肉体関係をもったと推認できることから不貞行為と認められる可能性があります。
男女の同棲は肉体関係を伴うものというのが一般的な認識のためです。
一緒に暮らしていなくても、不倫相手の自宅に頻繁に泊っているケースでは、同棲と同様に肉体関係が認められる可能性が高いです。
不貞行為と認められにくいケース
食事やデート
食事やデートをしただけでは、肉体関係に至ったとはいえないため、不貞行為とは認められません。
- 二人きりで食事をしただけ
- 二人きりでドライブしただけ
- 一緒に映画を観ただけ
など、親密な関係性がうかがえるとしても、肉体関係があったと認められない限りは不貞行為には該当しません。
二人きりで会う頻度が高くなったり、お酒を呑んだりしている場合には、不貞行為に発展してしまう可能性があるので、いざというときに証拠が集められるよう、相手の言動を注意深く観察しましょう。
キスや手つなぎ
配偶者以外の異性とキスをしたり、手をつないでいたりしても、肉体関係があったとまではいえず、不貞行為とは認められません。
キスや手つなぎなどの行為は、浮気・不倫に該当する許しがたい行為ですが、それだけでは肉体関係をもったとはいえないため、法律上は不貞行為にあてはまらないことが多いです。
もっとも、人目をはばからずキスやハグをしたり、手をつないだり腕を組んだりして歩くような行為は、夫婦の関係性を悪化させる原因になり得るため、程度によっては婚姻を継続し難い重大な事由にあたるとして、離婚や慰謝料の請求が認められる可能性があります。
LINEやメールのやりとり
LINEやメールのやりとりだけでは、肉体関係があったとはいえないので不貞行為とは認められません。
LINEやメールで好意を伝えるメッセージを送り合っていたり、電話で親密に話していたりするだけでは、肉体関係をもったとまではいえません。
とはいえ、
- 肉体関係があることを前提とするやりとり
- ホテルや旅行に行ったことがわかるやりとり
- 同棲していることがわかるやりとり
- 肉体関係をうかがわせる写真や動画が添付されたやりとり
など、肉体関係を推認できるやり取りがある場合には、不貞行為があったとみなされて離婚や慰謝料の請求が認められる可能性があります。
不貞行為は立証が難しいため証拠が重要
配偶者の不貞行為を理由に離婚や慰謝料を請求する場合、不貞行為を立証するために証拠が必要になります。
不貞行為は密室で行われるため、肉体関係があったことを立証するのは非常に困難です。
そこで、次に挙げる証拠を少しでも多く集めておきましょう。
不貞行為を裏付ける有力な証拠となり得るものの一例
- 性行為を撮影した写真や動画
- 二人でラブホテルに出入りする写真や動画
- 配偶者や浮気相手が不貞行為を認めた自認書や音声データ
- 肉体関係があったことが推認できるメールやLINE
- 探偵社や興信所などの調査報告書 など
複数を組み合わせることで不貞行為を裏付ける証拠となり得るものの一例
- メールやLINEのやりとり
- 手紙やメモ
- ホテルや旅館の領収書
- クレジットカードの利用明細
- 交通ICカードやETCカード、カーナビの利用履歴
- 配偶者の行動を記録した日記 など
あなたの離婚のお悩みに弁護士が寄り添います
不貞行為が発覚したらどうしたらいい?
配偶者の不貞行為が発覚したときの対処法は、主に次の3つです。
- 慰謝料を請求する
- 離婚を請求する
- 弁護士に相談する
それぞれの対処法について、次項で詳しく解説していきます。
慰謝料を請求する
配偶者の不貞行為が発覚した場合、不貞行為をした配偶者と不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
不貞行為の慰謝料相場はどれくらい?
不貞行為に対する慰謝料の相場は、200万円~300万円程度になることが多いですが、離婚しないケースではこの相場よりも低額になる可能性があります。
- 離婚した場合の不貞慰謝料の相場:200万~300万円程度
- 離婚しなかった場合の不貞慰謝料の相場:50万~100万円程度
不貞行為の慰謝料の請求方法
不貞行為に対する慰謝料は、相手に直接請求する方法と、調停や裁判の法的手続きを利用して請求する方法があります。
配偶者と不倫相手の双方に請求することもできますが、どちらか一方だけに請求することも可能です。
慰謝料請求には時効がある
不貞行為に対する慰謝料を請求するとき、時効に注意しましょう。
不貞行為の慰謝料請求は、次のいずれか短い方で時効が成立して、慰謝料請求ができなくなってしまいます。
- 不貞行為と不貞相手のことを知ったときから3年
- 不貞行為の時点から20年
なお、離婚したこと自体に対する慰謝料を配偶者に請求する場合は、離婚が成立したときから3年で時効が成立してしまいます。
いずれも、慰謝料請求を考えたらすぐに行動に移すことが大切です。
離婚を請求する
不貞行為をした配偶者に対して、慰謝料のほかに離婚を求めることもできます。
離婚請求の流れ
離婚請求は、【協議離婚➡調停離婚➡裁判離婚】の流れで行われるのが一般的です。
- 協議離婚
協議離婚は、夫婦で話し合って離婚することを指します。 - 調停離婚
調停離婚は、家庭裁判所の調停手続きを利用して離婚することを指します。 - 裁判離婚
裁判離婚は、裁判所の判決によって強制的に離婚することを指します。
不貞行為は法定離婚事由に該当するため、配偶者が離婚に合意していなくても、基本的には裁判で離婚が認められることになります。
有責配偶者からの離婚請求は基本的に認められない
不貞行為により夫婦関係が破綻していても、「不倫相手と結婚したいから離婚してほしい」などと不貞行為をした配偶者=有責配偶者からの離婚請求は、相手方が離婚に合意しない限り基本的に認められませんので注意しましょう。
弁護士に相談する
配偶者の不貞行為が発覚したら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談するメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 不貞行為の証拠を集める方法についてアドバイスしてもらえる
- 慰謝料の適切な金額を知ることができる
- 不貞行為の調査を依頼することもできる
- 不貞行為をした配偶者や不倫相手との交渉を任せることもできる
- 裁判に発展する前に解決できる可能性が高まる など
おひとりで悩む前に、離婚問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。
不貞行為の判断基準や離婚に関する悩みは弁護士にご相談ください
不貞行為に該当するかどうかは、肉体関係があるかどうかがポイントになります。
配偶者の不貞行為に対して離婚や慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手に肉体関係があることを裏付ける証拠を集めなければなりません。
不貞行為の証拠は集めにくく、注意しないと「違法に入手した証拠だ」として裁判所で証拠と認めてもらえないこともあるので、配偶者の不貞行為について離婚や慰謝料を請求したいとお考えの方は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人ALGでは、これまでに数々の不貞行為に関する問題や夫婦問題を解決に導いた実績があり、その経験と知識を生かして、証拠集めから相手方との交渉まで幅広くサポートすることが可能です。
おひとりで悩まず、まずは私たちにお気軽にご相談ください。
法律とは関係の薄いテーマではありますが、死後に残された者にとって、エンディングノートの有無は大きく影響する点だと思います。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、生前に、自分自身の情報をまとめて記載しておくことを指します。
資産や債務、引き落としの状況などの金銭面はもちろん、スマホやPCのパスワード、延命治療等に対する希望等、記載内容はその人次第で多岐にわたります。
エンディングノートと遺言書の違い
遺言書は自身の遺産の帰属等を指定するものです。
法的な効果を有するためには、自筆証書遺言の場合は適式な記載要件の具備と検認が、公正証書遺言の場合は公証役場による作成が必要となります。
エンディングノートは情報提供のための記録ですので、法的な効力はありません。
エンディングノートに書くべき内容
エンディングノートには、突然意思表示が出来なくなったとしても、家族が情報を得るための術として準備しておくで、自身の自己決定や、家族の生活等になるべく影響が生じないように準備する者です。
したがって、その内容は個々人ごとに異なる面もありますが、一般的に多く記載される事項を列挙しておきます。
- 自分のこと(個人情報)
- 財産・資産・形見分けについて
- 医療・介護・延命治療に関する希望
- 葬儀・お墓・納骨方法に関する希望
- 保険情報の詳細な記載
- ペットに関すること
- 家族や友人へのその他メッセージ
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エンディングノートの作成方法・書き方のコツ
エンディングノートに決まった書式はありませんし、自分でいつでも好きなように作成することが出来ます。
記載内容を整理するという面では、市販のものや法務省が公開している書式等を用いると、書き漏らしが少なくなると思います。
エンディングノートを作成しない場合の影響
上記のとおり、エンディングノートは意思表示が困難となった後にも事前に自己決定した内容を遂行してもらうことや、家族の負担を大幅に軽減することが可能となります。
常日頃から密にコミュニケーションをとっていたとしても、全てを詳細に共有しておくことは困難ですし、交流が多くない方の場合はなおさら有益だと思います。
作成必須の書類ではありませんが、元気なうちに作成しておかないと、不測の事態が生じたとき、これら情報をご家族に知る術がなく、もはや取り返しがつかないということになりかねません。
医療や介護に関する本人の意志が不明確になるリスク
エンディングノートは、自らの意思を表示できなくなったような場合に、延命治療の要否や、介護施設の利用等、自身の行く末に関する意思をご家族に伝えることを可能にします。
もしもエンディングノートがなければ、ご家族としてもどのような方針を選択すべきかの指針がなく、大きな決断を迫られることになりかねませんし、希望とは異なる決断をさせてしまうことにも繋がりかねません。
資産把握の困難さ
各種引き落としや保険、積み立てや資産運用、所有する不動産の詳細や各種ローンの引き落とし口座や金額等、自身の資産を網羅的に管理・把握することは、本人でも骨の折れる作業です。
エンディングノートがない場合、通帳がどこにあるのかもわからないし、スマホのロックも外せないというように、著しく情報が不足した状況からの対応を余儀なくされてしまうかもしれません。
弁護士なら相続に関する様々な面でサポートできます
エンディングノートは、ご自身の希望等を整理して記載するものですので、各種ひな形等をご活用いただくなど、ご自身での作成が可能と思料されます。
もっとも、自身の資産管理や任意後見契約、遺言書の内容や作成等、元気なうちだからこそ弁護士に相談しておくことが有益な面もありますので、資産が多い方や不安のある方等は、積極的にご相談いただくことをお勧めします。
年金分割は、婚姻中に支払った“厚生年金の掛け金を分割”し、それぞれが受給することを可能とするための制度です。掛け金を分配するとの説明に対し、具体的なイメージが持てない方や、そのための手続きがわからないという方に、本稿が参考になれば幸いです。
年金分割の手続き方法は合意分割と3号分割の2種類
年金分割の手続きは、合意分割と3号分割と呼ばれるものの2種類があります。後者は、いわゆる3号被保険者の方から請求する場合のみに用いることが可能です。
合意分割
当事者双方が手続きに参加することにより、年金分割を行う方法です。分配割合は、当事者間における合意か、裁判所の審判等で定められた数値を用います(※通常は0.5の割合です)。合意書面を作成する方法の場合、夫婦ともに年金事務所にて手続きすることが通常ですが、合意書面について公証役場の認証を受けた場合は、裁判所で取り決めた場合と同様、請求する者単独での分割請求が可能となります。
合意分割の必要書類
- 年金分割のための情報通知書:(年金事務所で取得)
- 戸籍
(婚姻日と離婚日の記載があるもの※婚姻期間を証する書類。事実婚の場合は住民票等、これを証する書類) - 請求前1カ月以内における当事者双方の生存を証する書類
(※戸籍、住民票等。マイナンバーの記載で省略可。) - 年金分割割合を明らかにする書類
(※当事者の合意で割合を定める場合:年金分割合意書or離婚協議書or離婚公正証書or公証人の私署認証を受けた合意書等)
(※裁判所の手続きで割合を定めた場合:審判書謄本・抄本+確定証明書or調停調書謄本・抄本)
3号分割
3号分割とは、いわゆる3号被保険者(※厚生年金加入者の扶養に入っている者)からの年金分割請求は、合意分割のように「当事者間で割合を定めたり、当事者双方が関与しなくても」、0.5の割合により、請求者単独での手続きが可能という制度です。
平成20年4月から導入された制度であるため、同手続きで分割可能なのは同月以降の婚姻期間のみ、それ以前は合意分割による必要がある点には注意が必要です。
3号分割の必要書類
- 請求者の基礎年金番号orマイナンバーを明らかにする書類
(年金手帳・マイナンバーカード等) - 戸籍
(婚姻日と離婚日の記載があるもの※婚姻期間を証する書類。事実婚の場合は住民票等、これを証する書類) - 請求前1カ月以内における当事者双方の生存を証する書類
(※戸籍、住民票等。マイナンバーの記載で省略可。)
※(離婚届は提出していないものの、事実上離婚状態にあることを理由に3号分割を請求するという場合は、これを証する書類として、住民票等の他、当事者双方がその旨を認める内容の書面等が要求されます)。
あなたの離婚のお悩みに弁護士が寄り添います
年金分割に必要な手続き
①情報通知書の取得(合意分割のみ)
合意分割の場合、情報通知書の取得は必須です。取得の具体的な手続について、概要は以下のとおりですが、お近くの年金事務所に問い合わせを行うのが一番確実です。
- 情報提供請求書(窓口でもらうか、日本年金機構のホームページからダウンロードしたものを印刷して記入し)に必要事項を記入し、提出する。
- 「基礎年金番号」は自身の年金手帳等で確認する。
- 婚姻期間を証する書類として婚姻日等の記載がある戸籍等も併せて提出する。
②合意書等の取得(合意分割のみ)
当事者間で合意する場合は、年金分割合意書や離婚協議書などの文書で年金分割に関する取り決めを行います。離婚公正証書や公証人の私署認証を受けた合意書等、公証人が関与する書類の場合は、裁判所で取り決めた場合と同様、請求人単独で③の請求が可能となります。
当事者間では合意できず、裁判所で取り決める場合は、年金分割の請求調停・審判等の手続きを行います。
③年金分割の請求手続き
標準報酬改定請求書(※年金事務所でひな形をもらうか、日本年金機構のホームページでダウンロードしたものを印刷して使用します。)に必要事項を記入した上で、その他の必要書類とともに、年金事務所に提出します。
④標準報酬改定通知書の受け取り
適式な申請が完了すると、審査等が行われた後、年金事務所から標準報酬改定通知書が送付されます。内容を確認して、問題なければ年金分割の手続きは完了です。
年金分割の手続きは一人でできる?弁護士に依頼するメリット
年金分割の手続きに関しては、自分がどちらの手続きを用いるべきなのか、どのタイミングでどのような書類の取得が必要なのか、といった手続き上の疑問の他、相手方との合意分割が必要な事案にも関わらず、合意書等の作成に応じないという、裁判所を利用した分割割合等の確定の問題が存する場合もあります。
離婚協議等が完了し、①や③の手続きのみが残る状態であれば、年金事務所に問い合わせ等を行うほうが直截的という場合もありますが、その峻別等に関し、正確な知識を得るのは容易ではないと思います。離婚そのものに関する相談等もありうることですし、一人で悩むよりも、まずは弁護士に相談してみることをお勧めいたします。

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保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:47535)
