納得のいかない解決金を支払う離婚の事例

離婚問題

納得のいかない解決金を支払う離婚の事例

依頼者の属性
男性、60代、夫、会社経営、子供有り(成人済み)
相手の属性
女性、60代、妻、専業主婦
受任内容
離婚請求

事案の概要

夫婦関係が悪くなった原因は家計管理についてでした。突然、妻が家を出て別居開始となりご相談に来られたのですが、妻側は代理人弁護士を立て、婚姻費用を請求してきており、今後、婚姻費用分担請求調停(いわゆる婚費調停)が申立てられるという状況です。
夫は離婚の気持ちのほうが強いが、戻ってくるというならそれでも可というスタンスでした。不仲の期間も短くなく、結局、やり直すことは難しいだろうから離婚自体はやむなしというお考えです。

弁護方針・弁護士対応

夫の収入が多く、婚姻費用は相当高額となりうる事案でしたので、別居前から減収の蓋然性が存在していたこと等を主張・立証し婚姻費用をできるだけ下げることを考えました。前年度の年収に応じて婚姻費用が決まることが多いですが、実際は、そう単純でもありません。あくまで、前年度の年収は、現在の収入を推定する資料であって、前年度よりも年収が下がることが明らかなのであれば、そのことが考慮されます。
また、本件は、明確な離婚原因のない事案であったため、離婚請求の時期等も戦略的に行い、解決金の支払いも覚悟しつつ早期離婚を目指しました。婚姻費用を支払うという夫の負担と早く離婚したいのに解決金をあげるために離婚を言い出しにくいという、双方の腹の探り合いといった感じだと感じていました。
こういった事案は本当に多く、婚姻費用を支払うぐらいなら解決金を払ってでも早く終わらせた方が得だという結果が多いものです。

弁護士法人ALG&Associates

福岡法律事務所・離婚案件担当弁護士の活動及び解決結果

着手から約半年後、解決金支払いと引き換えに調停離婚成立。離婚原因がない事案で解決金を支払うことに納得がいかないところもありますが、妻は容易に十分な収入を得ることは難しいのだから、ある意味生活補償の意味があると考え納得しなければいけないのかもしれません。

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