建設業

業種別

まだまだ、中小零細企業では、週休1日が当たり前な業界でしょう。また、日給●円に出勤日数をかけて給与を支払っている企業も多く、中小零細企業では、正確に残業代を支払っている企業のほうが少ない印象です。その原因は、残業代を支払うという慣習がそもそもなかった業界で、残業代ついての知識がないことにあると思います。まずは、正確な仕組みを知るところから始めるべき業界だといえます。

長距離トラックドライバーを中心に、未払い残業代、長時間労働の問題を抱える代表的な業界だといえます。タコグラフやGPSによる運行管理が行われるなど、運行時間を把握しやすい業界であることから、未払い残業代の請求が認められやすい業界でもあります。歩合制だから残業代を支払う必要がないと考えているなど、まだまだ、危うい労務管理をしている企業が多く存在します。一度、日本の労働法制に従って検証し、リスクの大きさを認識されることが不可欠な業界だといえます。

飲食業は、以前でこそ長時間労働の代表のような業界でしたが、未払い賃金請求訴訟や死亡労災遺族からの損害賠償請求訴訟が起こされるなどした結果、労働環境は比較的改善されてきている印象です。とはいうものの、安易に定額残業代や変形労働時間制を採用しているなど、まだまだ問題を多く抱えた業界だと思います。

高齢化社会の日本においては、介護事業はとても重要な事業であるにもかかわらず、やはり、低賃金、長時間労働となっている事業所が多い印象です。人員配置について法律で規制されており、採用難の業界としては、どうしても一人の負担が大きくならざるを得ないのだと思います。しかも、ストレスフルな仕事であることから、メンタルヘルスの問題も多い業界です。また、人件費が安いという理由で非正規労働者を多用している事業所も多い印象です。このような状況では、いずれ行き詰まることが予想され、抜本的な改革を推し進める必要性が高い業界だといえます。

病院には、医師や看護師、事務方など様々な職業の方が一緒に働いており、それぞれの特徴に応じた労務管理が必要になります。医師の研究活動と臨床との区別、宿直夜勤の取り扱い、年俸制の取り扱いなど日本の労働法制に違反しないように注意しなければなりません。高額な年俸を払っているから残業代は不要であるとか、夜勤については夜勤手当を払っているのだから深夜割増賃金が不要であるなどと安易に考えるわけにはいきません。医療機関の就業規則をみる機会も多いのですが、どちらかというと時代遅れの就業規則であることが多い印象です。医療機関は、労働法制を遵守することが困難な業界であり、どうしてもグレーな運用がされるのも仕方ないのかもしれませんが、一度、しっかりと検証することが不可欠な業界だと思います。

IT・情報通信業は、過重労働になりがちな業種の一つです。安易に裁量労働制が採用されている企業も少なくなく、一旦、未払い残業代や未払い賃金の問題が顕在化した際には高額化する傾向にある印象です。一度、リスクがあるのかないのか、あるとしてどの程度のリスクなのかは検証しておくべきでしょう。