遺産の使い込みを特別受益として考慮した事例

遺産の使い込みを特別受益として考慮した事例

受任内容:
遺産分割調停
依頼者:
代襲相続人
争点:
寄与分
特別受益

事案の概要

代襲相続人の方からのご依頼で、主たる法的な争点は、寄与分と特別受益でした。
被相続人の介護をしていたことを寄与だとして相手方から主張されていたものの、被相続人が体調を崩されたからは施設に入所されており、扶養義務の範囲を超えて特別な寄与までがあったとは到底思えない事案でした。
それにもかかわらず、相手方は、強硬に寄与分を主張して譲らず、寄与分の主張なのか何なのか不明確な独自の主張に基づいた手書きの資料が多数提出されるなど、争点を整理だけでも手間のかかる事案でした。こういった事案では誰か第三者が調整に入ってくれなければ話が進まないことが多いので、手続きは調停を利用しました。

弁護方針・弁護士対応

まずは、こちらの主張を整理された資料をもとに提出することで、こちらの主張をベースに進めることから始めました。
まず、お亡くなりになった時点の被相続人の財産の確認です。これは、幸い隠されることのなかったので問題になりませんでした。
次に、被相続人の預金口座から度々まとまった引き出しがあるが、これは貰ったものであれば特別受益だし、勝手に使ったのであれば不当利得にあたるが、どういった経緯で引き出したのか説明を求めます。
大抵は、介護の対価としてもらった、被相続人のために必要な物を買ったなどと説明がされます。
本件では、介護の対価としてもらったという回答でした。こちらからは、預金通帳から度々まとまったお金が引き出されていることを5年程度に渡ってエクセルで整理して提出しており、これと照らし合わせると、明らかに介護の対価としては、不定期に引き出されていることや金額が一定でないことから不自然なものでした。寄与分を主張しながら対価を受け取っていたというのも不合理な説明です。挙句は、生前、本来の相続人(代襲相続人の父)と約束していたなどと主張がされるなど法的に合理的でない主張が展開されました。
このように、相続争いでは、こちらが順序だてて進めていかないと、法的に関係のない主張が五月雨式にされることもしばしばです。本件もまさにそういった事案で手間がかかる事案でした。

弁護士法人ALG福岡法律事務所・相続案件担当弁護士の活動及び解決結果

最終的には、寄与分は認めず、一定程度の特別受益を認めて調停成立となりました。相続争いでは、必ずと言っていいほど、「被相続人の財産の生前に使い込んだのではないか。」、「生前、被相続人の世話をしていたのは私だから多く遺産を貰うべきだ。」といった主張がされます。
これを解決に導くのは、大量の預金取引履歴や介護記録を精査しなければならないことも少なくなく、思った以上に手間がかかる作業を要します。
精査してもこちらに有利な事情が出てこないことも多いのですが、確認してからでないと納得がいかないというお気持ちもわかるところなので、いつも、どこまで調べるべきか悩むところです。

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