- 相続財産:
- 不動産(農地、山林、宅地等)
- 依頼者の被相続人との関係:
- 子
- 相続人:
- 子2名
- または受贈者1名
- 争点:
- 複数の不動産の分配方法
- 遺言書の有効性等
弁護士法人ALGに依頼した結果 | |||
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話し合い自体が困難 | → | こちらは希望の宅地等を取得し、時価過少な 農地等は代償金とともに相手方が取得 |
本件は、遺産たる不動産の大半は資産価値寡少な農地・山林である一方、一部の宅地等は相当程度の時価額を有していました。これら複数の不動産をどのように分配するのかが問題となった事案です。
特に一部の宅地等は第三者に賃借され、高額の賃料を毎月得ていたことから、固定資産評価証明書以上の時価額が認定される蓋然性も高く、被相続人が死亡した後に生じた賃料の分配も問題となっていました。
弁護方針・弁護士対応
本件の相手方は受贈者であるところ、認知症の状態にあったはずの被相続人が、他の親族に一定割合を相続させる旨の自筆証書遺言を残していたという事案です。
交渉を持ち掛けたものの、金額面等で意見の隔たりが大きかったことから、調停に方針を切り替えて、手続を進めていきました。
遺言が無効となれば、相手方はなにも取得することができない、という事案ですので、調停の形式は「遺留分減殺請求」ではなく、「遺言無効調停」を選択しています。
福岡法律事務所・相続案件担当弁護士の活動及び解決結果
遺言作成当時のHDS-Rの数値からは、遺言無効が認められるかは微妙なところでした。その上、こちらの意向としても、農地や山林は取得しても扱いに困ると考えていたのに対し、相手方はこれらの取得を希望していたため、一部の利害が一致していました。
そこで、農地や山林は相手方に取得してもらい、一定の代償金を支払う代わり、こちらは資産価値の大きい宅地等を全て取得するという形で調停成立となりました。
代償金を支払ってもなお、こちらが取得した不動産のほうが時価額は大きく、さらに果実たる賃料を全てこちらが取得していることもあって、遺言を有効とした場合に通常得られる金額よりも、大きな経済的利益を獲得しています。