交通事故を得意とする弁護士の探し方

弁護士や法律事務所に関する情報は、Googleで検索すれば多く出てきます。知人の紹介という場合もあるでしょう。ただ、本当に自分に合った弁護士や法律事務所なのかは一見してわからないものです。

知人や弁護士会などからの紹介

知人が過去に依頼したことのある弁護士や弁護士会からの紹介の場合、一定程度の担保はあるとはいえます。もっとも、紹介してもらった手前、断りにくい場合や、本心を伝えにくいということもでてきます。弁護士の経験などがわからず、不信感があるものの我慢して任せざるを得ないという場合もありえます。

インターネットを利用して探す

Googleなどで検索すると、法律事務所や弁護士のｗｅｂサイトが多数ヒットしますので、ある程度広く弁護士を比較することは可能です。もっとも、webサイトに記載されている法的知識や見解は正確だとしても、書籍などを参考にｗｅｂページを作成することは可能ですから、その弁護士の経験がどれくらいあるのかをｗｅｂサイトだけからは判断できない場合が少なくありません。

保険会社から弁護士を紹介してもらう

加害者へ損害賠償請求する場合、弁護士特約に加入していれば、加入する保険会社が弁護士を紹介してくれることがあります。弁護士を探す手間が省けるものの、保険会社が選んだ弁護士を紹介されるので、交通事故の経験が多いとは限らず、当たり外れはあるようです。

交通事故に強い弁護士・法律事務所の選び方

何らかの方法で弁護士にたどり着いたとして、その弁護士に依頼してしまっていいのか迷うことも多いと思います。弁護士を選ぶ基準のようなものがあれば有益だと思いますので、全てに当てはまるわけではないですが、弁護士選びの参考になると思うことをご紹介しておきます。

交通事故の示談交渉の経験が豊富

やはり、交通事故案件の経験数は重要な基準となるでしょう。経験には、弁護士個人としての経験と法律事務所全体の件数の２つがあります。自身が担当した件数が多い場合だけでなく、交通事故の処理件数が多い事務所で、かつ、その経験を共有できる体制がある事務所であるかどうかも重要です。

過去の解決事例をチェックしましょう

最近では、弁護士や法律事務所は、ｗｅｂサイトで解決事例を公開していることが多くなっています。自分の状況と類似する事案を経験したことがある弁護士や法律事務所であるかどうかは参考になると思います。

医学的知識を兼ね備えている

交通事故は、単に症状を訴えるだけでは足りず、多くの事案で医学的な裏付けが求められます。訴訟になれば、診療録等を元に被害者の症状の内容や程度について立証することになりますし、後遺障害等級の認定に関しても、カルテや各検査結果を踏まえて医学的な意見が重要になることが少なくありません。最低限の医学的知識は、交通事故事案において必要不可欠だといえ、医学的知識があることは、弁護士選びの基準の１つになります。

専門の部署があり、交通事故に特化した弁護士がいる

弁護士の多くは、交通事故案件以外も多く扱っており、交通事故事案を扱う専門部署があるかどうかは弁護士選びの指標になると思います。単純に、交通事故を専門に扱っている部署があれば、取扱い件数も経験も多いといえるでしょう。仮に専門部署を設けていないとしても、交通事故を多く扱っている事務所かどうかは重要だと思います。

後悔しない弁護士・法律事務所の選び方

せっかく依頼した弁護士が思うような対応をしてくれず、後悔しておられる相談者は少なくありません。よく聞くと、案件処理が不適切な場合もあれば、案件処理自体に大きな問題がなくても説明が雑で、これでよかったのか判断がついておられない場合もあります。

説明がわかりやすく理解しやすい

交通事故では、休業損害、主婦休損、通院慰謝料、赤本基準、裁判基準、各種保険用語、症状固定時期など、専門的な用語が出てきます。これに医学的な用語も加わって、依頼者がしっかりと理解することは容易ではありません。自分が理解できるように丁寧にわかりやすく説明してくれるかどうかは重要です。

弁護士以外の受付・事務局の対応が優れている

弁護士は、基本的には説明ベタであることが多く、また、訴状や準備書面といった文書の作成などに多くの時間を取られて、依頼者の方と直接やりとりする時間が限られることが多くなります。そもそも、一般企業での社会人経験が少ないことも影響してか、相談者や依頼者に横柄な態度をとる弁護士も少なからず存在します。日々のこまごました事務連絡や資料収集などの事務作業は、事務局がサポートしていることも多く、事務局にまで指導教育が行き届いているかどうかは、弁護士や法律事務所の取組姿勢を図る指標になると思います。

費用倒れについて説明してくれるかどうかもポイント

ご依頼いただく案件について、費用対効果の面からも検討して、弁護士が対応すべき事案なのかを誠実に検討、説明してくれるかどうかは、弁護士や法律事務所の取組姿勢を図る重要な視点だと思います。さすがに、赤字になる事案を強引に依頼させようとする弁護士や法律事務所はないと信じていますが、費用面の説明を曖昧にしてしまっている弁護士や法律事務所はあるようです。

報酬金等の料金体系が明確

弁護士や法律事務所の報酬体系は、不明確だと思うことがあります。弁護士や法律事務所の報酬は、着手金と成功報酬に大きく分かれており、それぞれ経済的利益を基準に、その何％と算定することが一般的です。着手金は、合理的な目標金額（合理的な請求金額）を元に算出することが多く、目標金額が不明確な場合があります。また、成功報酬は、得られた利益を元に算出するのが一般的で、最低の成功報酬金額が設定されることもあります。最終的な、弁護士費用をみて驚かれることもあるようです。事前に報酬体系を明確に説明してくれるかどうかも重要です。

弁護士の変更はできる？

弁護士と依頼者は委任契約の関係にあって、いつでも解約が可能です。弁護士へ解約したいことを伝えれば、弁護士の了承は不要です。ただ、着手したあとは少なくとも対応した内容に応じた着手金は返金できないということはありますので、ご注意ください。

後悔しないためにも、交通事故に強い弁護士を選びましょう

弁護士は、法的な知識や処理能力もさることながら、依頼者との相性も重要です。色々な視点から弁護士を選び、自身に合った弁護士へ依頼されることは、双方にとって大切だと思います。多くの賠償金を得ることを最優先したいという被害者の方や、できるだけ早く終わらせて欲しいという方など、ご要望は様々です。ご自身の要望に合った弁護士を選び、後悔なく終えられるよう、ご紹介した弁護士選びのポイントを参考にされてください。