- 被害者の状況:
- 頚椎捻挫
- 争点:
- 法人の役員の休業損害
弁護士法人ALGに依頼した結果 | ||||
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賠償金 | 約40万円 | → | 約80万円 | 約40万円の増額 |
交通事故事件の概要
既に治療も終えられ、保険会社から損害賠償額の提示を受けてのご相談でした。
内容を拝見すると、休業損害が0円とされており、その理由は法人の役員であるからというものでした。
この点は、ご本人も納得されておられない様子で、詳しく事情を伺うと、自分と妻、従業員の3人で営む個人事業と変わらないような零細事業であるため、自分が仕事にでられないと仕事をセーブするしかないという状況でした。年度途中で役員報酬を減らすことは税務上簡単ではなく、また、生活するには役員報酬を支払った形にするしかないという一般的な感覚もとてもよく理解できます。
ただ、役員は業務執行を行っているのであって労働を行っているのではないから、事故によって働けないということは考えにくいことや役員報酬は利益配当の側面があるなどとして、簡単には休業損害は認められていない現状があり、なかなか簡単ではないだろうなと感じる事案でした。
福岡法律事務所・交通事故案件担当弁護士の活動及び解決結果
保険会社は、自賠責保険からの回収することを念頭に置いていることから、自賠責保険が認めるか否かをまず考えることが多いものです。
実際、自賠責保険では、役員の休業損害は原則否定されています(※自動車損害賠償保障事業が行う損害の塡補の基準実施要領(令和5年3月28日付国官参自保第572号自動車局保障制度参事官室長))。
もっと、裁判実務上は、役員報酬のうち、労働の対価部分については、休業損害として認定されています。
理屈は色々あるのですが、結局は、業務内容や従業員の人数、役員報酬の額、事故前後の売り上げの推移などから零細企業であって役員の休業によって事業へ影響がでるような状況を説明できなければなりません。
本件では、決算書や総勘定元帳などの資料を準備いただき、休業損害が請求どおり30万円程度認められました。