どれくらいの別居期間だと離婚が成立しやすいか

どれくらいの別居期間だと離婚が成立しやすいか

法律上、別居を何年すれば離婚ができるといった規定があるわけではありません。しかし、別居が長期化すると、婚姻関係が破綻していることを示す大きな一事情となりますので、離婚がしやすくなる場合があります。別居期間について、解説します。

婚姻期間の破綻が認められる別居期間の目安は3~5年

婚姻関係の破綻とは、当事者双方が婚姻関係を修復させる意思がないこと(主観的な要素)と客観的にみて婚姻関係を修復させることが著しく困難であるといえること(客観的な要素)のどちらかがあるような場合をいいます。
どの程度の別居期間がある場合に、婚姻関係が破綻したといえるかについては、婚姻期間、子の有無、有責行為等により影響を受けますので、一律で「●年」ということはできません。

以下で詳しく説明しますが、不貞等が無く、性格の不一致といった理由で別居する場合には、修復の意思が無い、または客観的に婚姻関係を修復することができないことを示すために、一般的に、別居期間が3~5年は必要であると考えられます。

相手が有責配偶者であれば、より短い別居期間で離婚できる可能性も

相手が有責配偶者(例:不貞を行った配偶者)であり、それが原因で、他方配偶者が別居を行う場合には、一般的に婚姻関係の修復が困難な一事情となります。そのまま別居期間が継続する場合には、修復が困難であることがより強く推定されます。性格の不一致といった理由での別居に比べ、短い別居期間であっても婚姻関係が破綻したとみられることになるでしょう。

実態としては別居期間1年未満の離婚が多い

平成21年度「離婚に関する統計」(厚生労働省)を参照すると、離婚の別居期間別構成割合のうち、別居期間が1年未満の割合が、82.5%となっています。つまり、多くのケースでは、別居期間が1年未満で離婚しているということです。また、別居期間が1年未満の場合には、協議での離婚の割合が、85.1%となっています。

3~5年別居したうえで離婚する夫婦は、そもそも話合いができなかった場合や、一方が一切離婚に応じないといった対応を取る場合、離婚条件で折り合いがつかない場合等、スムーズに協議が進められなかった場合が多いと考えられます。

離婚までの別居期間が長期に及ぶケース

ただの夫婦喧嘩の場合(性格の不一致)

民法上規定されている離婚原因として、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)があります。「婚姻を継続し難い重大な事由」があるかどうかについて、多くの裁判例は、婚姻の修復可能性があるのかどうかを踏まえて判断しているようです。
性格の不一致で別居した場合に、修復可能性が無いという判断に傾くには、相当期間の別居が必要になるでしょう。一般的に3~5年の別居期間が必要と考えられます。

自身が有責配偶者の場合

有責配偶者から離婚を求める場合には、①別居期間の長さ、②未成熟子の存否、③過酷状態の有無等の事情が総合的に考慮し、有責配偶者の離婚請求が信義則に照らし許されるかどうか、という観点から考えられます。①別居期間の長さに焦点をあてますと、「相当長期の別居」が必要となります。

相当長期といえるかどうかは、夫婦が若年で復元可能性があるのかといった点や、同居期間と比較して別居期間はどのくらいあるのかといった点等を考慮します。少なくとも別居期間が10年を超える場合には、若年性や同居期間との対比をするまでもなく、「相当長期の別居」といえます。

そもそも相手が離婚に同意していない

相手が離婚に同意していない場合には、協議による離婚を行うことが難しくなります。
夫婦間の協議(話合い)以外で離婚を行うための方法としては、裁判所を使った手続きを使う方法があります。具体的には、離婚の調停(裁判所で離婚の話合いを行います)を行い、調停が不成立となれば訴訟の提起を行うという流れになります。ケースバイケースですが、一つ一つの手続きに一定の時間がかかりますので、それに伴い別居期間も長くなっていきます。

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別居は相手の同意を得てから

悪意の遺棄とは、正当な理由なく、「同居し、互いに協力し扶助」する(民法752条)義務を行わないことをいいます。正当な理由の有無の判断は、別居した目的、別居による相手方の生活状況、生活費送金の有無、別居期間等が総合的に考慮されます。婚姻関係が破綻していない中、相手方が同居を望んでいるにもかかわらず、同意を得ずに別居したような場合には、悪意の遺棄にあたると判断されてしまうことがありますので、注意が必要です。

別居期間が長い場合、親権はどうなる?

離婚する場合には、単独親権となりますので、父母のどちらかが親権者となることになります。
親権者をどちらにするかについては、子どもの利益となるのか、という点を第一に考えます。別居を行っている場合には、一般的に、同居して子どもを継続的に監護養育している親が親権を取得することが多いです。子どもにとって、現在の監護環境が良いならば、そのままの状態を維持することが望ましいと考えられるためです。

単身赴任は別居期間に含まれる?

単身赴任とは、家族を持つ就労者が、本人一人で任地へ赴くことをいいます。あくまで就労のために住居を分けているにすぎないので、一般的な単身赴任の場合、別居期間に含まれません。
ただし、通常の単身赴任であれば、単身赴任先から、家族の元に定期的に帰るのが通常です。継続して長期間帰らない意思を持ち、実際に帰らない状況が続く場合には、最後に家族の元に帰った日から、別居期間となるでしょう。

離婚に必要な別居期間を知りたい方は弁護士にご相談ください

夫婦間の協議によって、離婚を行うことができれば一番良いですが、そもそも離婚するかどうかで意見が対立する場合や、条件が折り合わない場合等、協議がスムーズにできないことがあります。
その場合に、どの程度別居期間を続けることで婚姻関係が破綻したものと考えられるのか、他に離婚に際して有利な事情が無いか等、弁護士に相談することで、解決の糸口がみえるのではないでしょうか。
離婚の話合いを行うに際して、別居を考えている方や、現在別居中で離婚を進めていきたい方等、気になることや不安なことがある方は、離婚に詳しい弁護士に一度相談されてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修

福岡法律事務所 所長 弁護士 今西 眞
弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長弁護士 今西 眞
福岡県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
福岡県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。