相続の順位と相続人の範囲

相続問題

相続の順位と相続人の範囲

福岡法律事務所 所長 弁護士 今西 眞

監修弁護士 今西 眞弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長 弁護士

相続順位とは

相続人には第3順位までの順位があります。先順位の相続人が存在しないときに、はじめて後順位の相続人が相続人となります。

配偶者は原則的に法定相続人(順位無し)

配偶者相続人は、常に相続人となります(民法890条)。配偶者は法律上の配偶者でなければならず、内縁や事実婚は含まれません。ただし、内縁や事実上の配偶者であっても、特別縁故者として相続財産の全部または一部を得られることがあります(民法958条の3)。

第1順位は子供

第一順位の相続人は、被相続人の子若しくは、その代襲相続人である直系卑属です(民法887条1項・2項)実子・養子・嫡出子・非嫡出子であるかは問わず、複数の子がいる場合は同順位となります。

胎児も相続人として認められる

「胎児は権利の主体とならない」という原則の例外の一つが相続の場面です。相続の場合には、胎児を特別に「生まれたものとみなし」て相続権を保障しています(民法886条1項)。ただし、胎児が死体で生まれたとき(死産)にはこの例外は適用されません(同2項)。

養子の相続順位

養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得します(民法809条。したがって、実子と同様の相続権が生じます。

隠し子や未婚の子がいた場合

非嫡出子(法律上の婚姻関係にない父母の間に生まれた子)であっても、認知されていれば第1順位の法定相続人として、嫡出子と同じ扱いを受けられます。

第2順位は親

第2順位の相続人は被相続人の直系尊属です(民法889条1項1号)。子及び直系卑属がないときにはじめて相続資格を得ます。なお、よくある勘違いですが、第2順位は「親」ではなく「直系尊属」です。親が亡くなっていたとすれば、祖父母が第2順位の相続人となります。

第3順位は兄弟姉妹

第3順位の相続人は、被相続人の兄弟姉妹です(民法889条1項2号)。父母双方を同じくする兄弟姉妹(全血)か、一方しか同じくしない兄弟姉妹(半血)かは問われません。

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相続順位の特殊例 代襲相続とは

相続人となるものが相続開始以前に死亡していたり、一定の事由によって相続権を失った場合、その相続人の直系卑属が、その相続人に代わって、相続分を相続すること(民法887条2項、889条2項)をいいます。

代襲相続が起きるケース

相続開始前の相続人の死亡、相続欠格、相続廃除があると代襲相続が起きることになります(民法887条2項)。相続放棄は含まれません。

代襲相続ができるのは誰か

代襲相続人となるのは、被代襲者の直系卑属です。具体的には被相続人の孫又は、兄弟姉妹の子です。ただし、被相続人の孫が代襲相続人となるにはその孫が被相続人の直系卑属でなければなりませんので、被相続人の子の養子は代襲相続人とはなりません。

再代襲相続は第1順位のみ

被相続人の子に代襲原因が発生すると、被相続人の孫が代襲相続人となります。その孫にも代襲原因が発生すると、被相続人のひ孫(孫の子)が代襲相続人になります。これを「再代襲」と言います。

相続順位が繰り上がるケース

相続人が相続の効果を全面的に拒否する意思表示のことを相続放棄と言います。相続放棄をした相続人はその相続に関しては最初から相続人にならなかってものと扱われます(民法939条)。したがって、先順位の相続人が相続放棄をすれば後順位の相続人が相続をすることになります。

相続順位はトラブルも多いので弁護士にご相談ください

相続の順位は法律で定められておりますので、正しく理解していればトラブルは生じにくいはずです。しかし、そもそも法律が複雑に作られているということもあり、正しく理解している方は極めて少数だと思います。第2順位は「親」と誤った理解をしている実務家も珍しくありません。
相続のトラブルを防ぐためには、相続問題を多く扱い、経験の豊富で正しい知識を持っている弁護士に相談してください。

福岡法律事務所 所長 弁護士 今西 眞
監修:弁護士 今西 眞弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:47535)
福岡県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。