離婚調停で聞かれることとは?

離婚調停で聞かれることとは?

まず申し上げておくべきは、離婚調停に至る経緯は夫婦それぞれです。解決までの道のりも夫婦それぞれです。調停は試験ではありませんので、『こう聞かれたら、こう答えたらいい。』という正解もありません。
本ページでは、これらを前提にご理解いただいたうえで、ご覧いただければと思います。

申立人が離婚調停で聞かれること

調停機関は申立書や回答書に記載されたことしか知らないまま、調停は始まります。これら記載の情報が不足している点や、紛争の核心部分、当事者の希望する条件、調停機関が関心を持った点について詳しい聴き取りがされます。

結婚した経緯

結婚した時期等は申立書に記載するよう求められます。結婚の経緯等が紛争の核心でもない限り詳しい聴き取りがされることは稀でしょう。

離婚を決意した理由

これについても申立書に記載することになりますが、紛争の核心になるので、詳しい聴き取りがされる可能性が高いと思われます。申立書の記載で、なぜ離婚したいと思ったのかが伝わらないような場合には、相当の時間をかけて聴き取りがされると思います。

現在の夫婦関係の状況について

同居中か既に別居に至っているのか、生活費はどうしているのか等も申立書に記載することになりますので、聴き取りがされたとしても事実確認程度だと思われます。申立時と状況が変わっているようであれば、聴かれなくても自分から話すべきです。

子供に関すること

離婚後の親権について争いがある場合、調停機関は子の現在の監護状況や、監護を希望する親が将来どのように子供を育てて行くか等に関心を持つと思われます。
親権に争いがない場合には、離婚後の非監護親の面会交流の有無、面会の方法、養育費の支払について、特に非監護親がどう考えているかが調停機関の関心の中心になります。

夫婦関係が修復できる可能性について

双方が離婚を希望している場合であっても、一応の意思確認程度に夫婦関係修復の意向について尋ねられることがあります。夫婦の一方が離婚を希望しておらず、かつ、もう一方が離婚を翻意する可能性があるような場合には、修復に向けた話し合いがされることもあります。

離婚条件に付いて(養育費、財産分与、慰謝料)

調停は話し合いによる紛争解決手段なので、当事者双方が合意をすれば原則有効な決め事になります。話し合いがまとまらない場合には、最終的には裁判所の判断を仰ぐ必要があります。この時は、請求する側が事実を主張・立証する必要があります。

相手方が聞かれること

まずは離婚に応じる意向の有無が聞かれます。離婚の意思が無いとすれば、婚姻関係を維持したい理由等を一応聞かれるか、翻意の意思がないと見られれば調停は不成立となります。離婚の条件等が争いの中心になる場合には、希望する条件(親権・養育費・財産分与・慰謝料等々)について質問がされます。

1回あたりの所要時間の目安と調停の流れ

1回あたりの調停は2時間程度が目安となります(※福岡家裁は、新型コロナウイルス対策期間中は原則100分間と設定しているようです)。交互に調停室に入って話をするので、当事者同士が対面することは原則ありません。当事者の一方が1度で話をする時間は、平均30分程度を一つの目安と考えておけばいいかと思います。当事者の一方が調停室に入っている間、もう一方は原則待合室で待機することになります。ある程度の時間離席する場合には裁判所の事務官・書記官等の担当職員に事情を告げてからにしましょう。

離婚調停で落ち着いて答えるための事前準備

余裕をもって到着できるよう、裁判所へのアクセスを確認

裁判所までの道のりは事前に調べておきましょう。福岡の裁判所(本庁)は、市営地下鉄七隈線六本松駅①出口から約5分程度のところにあります。駅を出て南側正面を向いた時に見える大きな建物が裁判所です。家庭裁判所はその建物3階です。裁判所3階に到着したらまず、書記官に出席の連絡を伝えてください。エントランスでは荷物検査がありますので、それも所要時間の計算にいれておきましょう。

聞かれる内容を予想し、話す内容をまとめる

事前に自分の考えを書面で提出しておけば、当日幾分か安心できると思います。調停機関にとっても、ポイントが分かりやすくなるといったメリットもあると思います。弊所の弁護士の場合、事情説明に別紙を添付したり、主張書面という形で、申立の段階でこちらの言い分をまとめて提出することが多いと思います。

相手の出方を予想し、対処法を考えておく

細かい事実関係の主張に捉われてしまうのは得策ではありません。相手の主張が真実だろうと虚偽だろうと、一々拘らず、最終的に自分の求める結果を得られるための話合いをしましょう。調停機関の関心も、細かい事情の真偽ではなく、最終的に解決の見込があるかどうかです。最終的な落としどころ(折り合いをつけるライン)を事前に設定しておきましょう。

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調停委員からの質問に答える際の注意点

調停機関に必要以上に畏まる必要はありません。常識的に接してさえいれば不利になることはありませんので、安心してください。また、調停機関は紛争解決のために設けられています。自分の話したいことを一方的に伝えるのではなく、解決に向けた話し合いを心がけましょう。

落ち着いて端的に話しましょう

婚姻解消には多かれ少なかれ情緒的な繋がりを解消するという面がありますので、感情を挟むなとは申しません。しかし、感情の満足を第一に考えていると、建設的な話し合いにならないことが多い印象です。どんなに怒りや悲しみの感情が強くても、あくまで解決に必要な範囲の事実・要望を伝えて、落ち着いて話をするよう心がけましょう。

調停委員との価値観の違いに注意

調停機関も普通の人間が運営しています。自分とは価値観の違う人、意見の合わない人も当然います。調停機関は解決案の提案は出来ても、決定は出来ません。調停機関の顔色を窺う必要はありませんので、意見の合わない人がいても必要以上に気にしないでください。
それでも、誤解の無いように申し上げると、調停機関を味方につけるに越したことはありません。伝え方の工夫等は怠らないようにしましょう。

嘘はつかず誠実に答える

自分に不利なことを敢えて話す必要はありませんが、嘘は厳禁です。話した内容と明らかに矛盾する客観的な証拠が提出された場合には心証が悪くなります。

聞かれてないことを自ら話さない

どうしても伝えたいこと以外は、基本的には調停機関の関心に沿って話しましょう。どうしても伝えたいことも、本当に解決に必要な情報かをもう一度考えましょう。ポイントがわかっていない場合、話が脱線するくらいならまだしも、あえて不要な論点を作り出して反論の隙を与えることにもなりかねませんので注意が必要です。

陳述書は書かない

調停における陳述書とは、調停機関に自身の気持ちや認識を伝えるための書面です。弁護士の介入がない場合にしばしば目にします。しかし、残念ながら私の経験上、当事者作成でポイントを押さえた効果的な陳述書というものは見たことがありません。多くの場合、客観性を欠くエピソードや相手に対する誹謗中傷が記載されているだけで、解決に役に立たないどころか、多くの場合紛争を複雑にしてしまっている印象です。どうしても書きたい場合は、専門家のアドバイスの下で書くことをお勧めします。

譲れないポイントがあるなら決めておく

自分の中で絶対譲れないボトムラインを必ず設定しましょう。ボトムラインを下回った提案に応じて後悔する必要はありません。しかし、そもそもどこにボトムラインを引くかが難しいところです。ラインが高すぎる場合には対立当事者が調停に応じない、逆に低すぎれば自分が損をすることになりますので注意が必要です。

調停で話し合ったことはメモしておく

紛争化している場合や弁護士が介入していない場合、1回で調停が成立することは非常に稀です。調停機関からは次回までに検討すべきことや、準備すべき資料等の指示がされると思われますので、忘れないようにメモを取っておきましょう。

離婚調停2回目以降に聞かれること

成立の見込みがあれば、双方に譲歩が可能か等の確認がされます。できる限りの調整が促されますが、双方の希望が真っ向から対立するような場合や、当事者が調停成立を望まない場合には不成立に終わります。

離婚調停のお悩みは弁護士にご相談ください

弁護士の経験上、「自分で対応していたけど、うまくいかなかった」という依頼者様も少なくありません。その場合の多くは、ポイントを外したり、不用意な主張の所為で、本来は合意できたであろう条件での解決が難しくなっています。経験に勝る知識はありません。後悔しない解決のためにも、多くの事件を経験して研鑽を重ねた弁護士にアドバイスを求めることをお勧めします。

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この記事の監修

福岡法律事務所 所長 弁護士 今西 眞
弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長弁護士 今西 眞
福岡県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
福岡県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。