離婚調停とは|調停の流れと必要な準備

離婚調停とは|調停の流れと必要な準備

本ページでは、離婚調停について解説します。ご自身で調停を申し立てたいという方の参考になれればと思います。

離婚調停とは

離婚調停は、夫婦関係の調整を行う調停の一種です。夫婦の一方が相手方に対し、離婚を求めて家庭裁判所にする調停の申し立てです。離婚調停では、離婚について合意ができ、調停が成立するとただちに離婚の効果が生じます。

離婚調停のメリット・デメリット

離婚調停を含む家事調停は、紛争の自主的な解決を図る手段です。当事者双方が譲歩して紛争の解決に関する合意を目指しますので、それぞれの紛争の実情に則した柔軟な解決を図ることが期待できるというメリットがあります。裏返しになりますが、当事者双方又は一方が譲歩をせず、合意に至らない場合には紛争の解決にならないというデメリットがあります。

離婚調停の流れ

家庭裁判所に調停を申し立てる

(1)申立の方法
離婚調停は事件を管轄する裁判所に申し立てることによって始まります。申立書のひな型は家庭裁判所の窓口で貰うか、裁判所のHPで入手できます。
https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_kazityoutei/index.html)。申立は郵送でも可能です。

(2)管轄
原則、裁判所は管轄権のない事件を処理することはできません。離婚調停を行うのは、裁判所法上の裁判所である家庭裁判所です(裁判所法31条の第1項1号)。離婚調停事件は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄とされています(家事事件手続法245条1項)ので、相手方の住所地のある地域の家庭裁判に申し立てることになります。

調停開始

調停が申立てられると、当該調停委員会を組織する裁判官が調停期日を指定します(家事事件手続法260条2項・34条1項)。時期や地域差もあると思われますが、福岡家庭裁判所本庁の場合、申立がされてから1月~1月半程度で初回期日が指定されることが多いように思います。ちなみに第2回以降は、当事者や調停委員会の日程を調整しながら、概ね2カ月以内に指定されることが多いように思います。

調停終了

調停成立

当事者間に合意が成立し、調停機関がその合意を相当と認めて、これを調停調書に記載した時は調停が成立したものとして終了します。これにより調停離婚が成立します。

調停不成立

当事者間に合意の成立する見込みのない場合、又は成立した合意が相当でないと認める場合には調停は成立しないものとして、調停機関は事件を終了させることができます。調停機関が調停不成立の措置を執ると調停手続きは当然に終了し、その旨が調書に記載されます。

調停取り下げ

申立人は、相手方の同意の有無に関係なく、いつでも調停の申立てを取り下げることができます(家事事件手続法273条1項)。調停をいったん取り下げても、再度、調停の申立てをすることはできます。

離婚調停の準備

申立書を作成する

裁判所の用意しているひな形に記入する場合には、項目に従って記入していただければ十分です。最低限、当事者(申立人・相手方)及び法定代理人の他、申立ての趣旨(どのような内容の調停を求めるのか)及び理由(どのような紛争で、どのようなことを求めるのか等)を記載し、証拠書類がある場合にはその写しを添付しなければなりません(家事事件手続規則127条・37条)。

第一回調停期日までの準備

どのような調停成立を求めるのかを検討することが不可欠です。子供がいる場合にはどちらの親が親権者になるべきか、養育費の額、面会交流の方法・頻度等、財産分与を求めるのであれば財産の全体像等を網羅的に検討する必要があります。話したい内容は忘れてしまわないようにメモにして調停期日に持参しましょう。服装に指定はありませんが、調停委員や裁判官と対面する必要があることを踏まえた服装を心がけましょう。

調停期日ごとの準備

争点毎に臨機応変な対応が必要です。慣れた調停委員であれば適切に調停を運営し、当事者に対し次回期日までに準備すべき証拠や主張を整理するように指示がされます。

調停の付属書類について

申立書のひな型を見ていただければ分かるとおり、事情説明書や進行に関する照会回答書という書面の提出を求められます。調停機関は当事者のことを全く知らないところからスタートします。申立の際にどのような紛争なのか、当事者がどのような属性の方なのかについて理解して貰えるように記載する必要があります。

離婚調停で聞かれること

個々の紛争の主な争点、申立書の記載内容、調停機関のキャラクター等によって、調停機関が関心を持つトピックは異なります。少なくとも離婚を決断するに至った理由や、子供の育て方等については話ができるように用意をしておきましょう。

離婚調停にかかる期間や回数

明らかに調停成立の見込みがない場合には1回か、多くて2回程で不成立となり終了します。調停成立の見込みがある場合には回数に上限はありません。代理人に委任しない場合には適切な主張整理・進行は期待できませんので、成立まで短くとも半年程度は見込んだ方が賢明かと思います。

離婚調停で決めておいたほうがいいこと

当事者間に未成年の子がいる場合には、必ず親権者を決めなければなりません。それ以外は任意になりますが、養育費・面会交流・財産分与・慰謝料・年金分割等の協議をすることができます。

離婚調停に欠席したい場合はどうしたらいい?

指定された期日に出席できない場合には、期日変更を申し出ましょう。無断で欠席をした場合、調停成立の見込み無しとして調停が終了することもあります。

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離婚調停が成立したら

調停調書の確認

調停が成立し、書記官が調書を作成すると、確定した判決又は審判と同じ効力が生じます。それゆえ、成立時には当事者双方を同席させたうえで、調停条項の確認が行われるのが原則です。調停条項案が作成されると、裁判官は調停委員及び書記官と共に調停室において調停条項を読み上げ、内容を説明したうえで、条項が当事者の合意に則しているかを確認します。この時にも気を抜かず、間違いがないかどうかを注意するようにしてください。

離婚届を提出する

調停離婚が成立したことで離婚の効果は発生します。しかし、戸籍にも身分関係が変更したことを記載しなければなりません。離婚調停の申立人(合意すれば相手方)は調停の成立後、10日以内に、調停調書の謄本を添付してその旨を市区町村長に届出なければなりません(戸籍法77条1項、63条1項)。

その他、提出すべき書類

婚姻により氏を改めた一方配偶者は、離婚すると原則として婚姻前の氏に復しますが、離婚の際の氏を称することもできます(民法767条、戸籍法77条の2)。こうした届出は、本籍地の市区町村長にするのが原則です。

いきなり離婚裁判をしたくても、まずは調停が必要

調停前置主義とは

人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず、家庭裁判所に調停の申立てをしなければなりません(家事事件手続法257条1項)。よって、離婚訴訟を提起するときには、まず、調停を申し立てなければなりません。これを「調停前置主義」と言います。

調停前置主義の例外

調停前置主義は、家族に関する紛争の解決には、まずは紛争当事者の自主的な紛争解決能力と意欲を基本にするという考えに基づいてます。当該事件について、実質的に調停を経たといえる場合、調停が取り下げられた場合、客観的に調停を経ることができないもの等について、場合によっては調停前置主義の例外となり得ます。

離婚調停を希望するなら弁護士にご相談ください

離婚が人生の大きな節目であることはいうまでもありません。悔いのない離婚条件の獲得の為にも、専門家に相談することをお勧めします。

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この記事の監修

福岡法律事務所 所長 弁護士 今西 眞
弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長弁護士 今西 眞
福岡県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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