団体交渉、労働組合対策

最近では、労働組合の組織率は減少し、解雇や賃下げ、残業代未払いなど何らかの問題を感じた労働者が労働組合に駆け込むことで、労働組合と企業とが対峙することが多くなっています。いわゆる合同労組やユニオンといわれる複数の企業に勤める労働者で組織される労働組合への駆け込みです。労働組合は、企業との交渉の経験が豊富で、いわばプロですので、経営者だけで対峙することはリスクが極めて高いと言わざるを得ません。例えば、労働組合は、団体交渉と称して様々な要求を行い、「労働組合の同意がなければ賃金を減額することはできない。」といった約束をさせることもあり、一度約束してしまうと大変なことになります。

1 不当労働行為

まず、労働組合や組合員との関係でやってはいけないことをまとめておきます。

労働組合法7条は、次のことを禁止しており(不当労働行為の禁止)、これに違反した場合には、労組や組合員は、各都道府県の労働委員会に不当労働行為の救済申し立てを行うことが可能で、労働委員会が申立てに理由があると判断すれば救済命令を出します。この命令に従わない場合には、過料50万円の制裁があります(労働組合法32条)。なお、救済命令に不服がある場合には、命令書の公布の翌日から15日以内に中央労働委員会に再審査の申し立てが可能で、再審査の結果に不服があれば命令の取り消し訴訟を提起できます。もっとも、使用者が取り消し訴訟で争った結果、裁判所が当該命令を支持し確定したにもかかわらず、これに従わない場合1年以下の禁固若しくは100万円以下の罰金が科されます(労働組合法28条)。 ① 組合員であること等を理由として解雇し、その他不利益な取り扱いをすること又は労働組合から加入しないことや脱退することを雇用条件とすること(不利益取り扱いの禁止) ② 使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉を正当な理由なく拒否すること(団体交渉拒否) ③ 労働組合を結成し若しくは運営することを支配し介入すること及び経費の支払いに経理上の援助を与えること(支配介入) ④ 労働委員会への申し立て等を理由に解雇し、その他不利益な取り扱いをすること

2 団体交渉対応

(1)交渉事項についての把握

組合との団体交渉は、組合から「労働組合加入(または結成)通知書」、「団体交渉申し入れ書」などが届くことから始まります。慌てず、まずは落ち着いて内容を読んでください。誰がどの組合に加入したのか、支部や分会がある組合なのか、委員長や役員が誰なのか、交渉事項は何なのかを正確に確認してください。

(2)どういった組合かを知る

組合にも特徴があり、好戦的な組合もあれば、柔軟な解決を志向する組合もあります。また、組合の拡大に積極的で社内で組合員を増やすことを目的としている場合もあります。他方、資金に余裕がない組合や組合員の統制が取れておらず、組合員と組合の意見が一致せず脱退してしまうこともあります。例えば、支部や分会が多くあれば拡大に積極的な組合と考えられますし、委員長が会社に恨みを抱いている社員であれば、し烈に争われる可能性があります。

(3)初期対応の重要性

労働組合対応に詳しい経営者は少なく労働組合から団体交渉の申し入れがあると、知り合いの経営者などに相談した結果、誤った対応をしてしまっていることも少なくありません。解雇した相手だからといって対応しなくてもいいというわけではありませんし、退職後に未払い賃金を請求してきたとしても対応しなければなりません。無視してしまえば、団体交渉拒否として不当労働行為に該当します。団体交渉の申し入れを無視することはあってはなりません。中には、直接組合員に対して脱退するよう働きかける社長がいたりします。いずれも不当労働行為です。確かに、労働組合と対峙することは怖いと感じても仕方ないですが、しっかり対応することが最善策だと考えてください。

(4)団体交渉を進めるにあたっての心得

団体交渉の申し入れにおいて、組合事務所が交渉場所に指定されていることがあります。しかし、労働組合の要望に従う必要はありません。使用者は誠実に団体交渉に応じればよいだけですので、貸し会議室などを指定すればよいでしょう。会社の会議室や組合事務所だと、時間が無制限になってしまいかねません。その他、社長を同席させるか否かは事案に応じて判断する、回答は文書で行う、団体交渉の予定はこちらから積極的に決める、罵声や怒声が続くようであれば中止する、労基署へ申告するといわれても動じないなど心得ておくべきことがあります。とても社長一人で適切に対応できるものではないでしょうから、弁護士などへご相談されることを強くお勧めします。

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※会社側・経営者側専門となりますので、労働者側のご相談は受け付けておりません

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