- 依頼者の属性:
- 建設業
- 相手の属性:
- 建設作業員
- 受任内容:
- 死亡労災に関する災害補償
- 損害賠償請求
弁護士法人ALGに依頼した結果 | ||||
---|---|---|---|---|
損害賠償 | なし | → | 約2000万円 | 死亡保険金で解決 |
マンション建設工事の高所作業中に従事していた下請け会社作業員が、安全帯を装着していなかったために、転落死した事案です。
もっとも、本件会社の経営者は、遺族に対し、早期から謝罪、今後の対応などについて説明するなど誠実に対応しておられた事案でした。
弁護方針・弁護士対応
本件は、法令に従った足場の構造、転落防止柵の設置や安全教育の実施など、法令に従った安全対策がされていました。
ところが、当該作業員は、安全帯を外して階移動をするなど、自己判断で危険な行動をしたようです。このような事案では、元請け会社が、下請け会社の作業員に対して、安全配慮義務違反などの法的責任を負うのか、仮に法的責任を負うとしても、過失相殺がどの程度認められるのか、遺族(厚生)年金など損益相殺の対象になる範囲が問題になります。
確かに、法的な争点はそのとおりなのですが、こういった事案でもっとも大切なのは、具体的な解決の見込みをたて、遺族に誠実に対応することです。ご相談を伺った時点で、本件は、そもそも下請け労働者に対して安全配慮義務違反を負わないということや、相当程度の過失相殺が見込まれる事案だと感じましたので、多くても、おおよそ死亡慰謝料程度で解決されることが多い事案でした。
労災上乗せ保険の多くには、会社の過失を前提とする損害賠償保険部分(いわゆる使用者賠償保険)と、会社の過失を問わない生命保険のような定額保険部分がありますので、会社が労災上乗せ保険に加入していれば、定額保険部分で解決できる可能性が高いと考えられました。
そこで、経営陣には、速やかに会社の契約する保険の内容を遺族へ伝えていただき、その後、弊所弁護士が誠実な対応を代理人として引継ぐこととしました。
福岡法律事務所・労務案件担当弁護士の活動及び解決結果
本件は、死亡保険金部分の約2000万円で解決できました。
もっとも、本件は、没交渉となっている相続人がいたために、誰と示談すべきか問題になっていました。しかも、元請けと下請けがそれぞれ別の労災上乗せ保険に加入しており、下請けの加入する保険はグループ傷害保険といわれるもので、保険の受取人が会社ではなく、遺族(相続人)となっていたため、誰に保険金が支払われるべきなのかについても問題になっていました。
弊所では、労災上乗せ保険を扱う事案を扱うことも多く、保険内容についても理解していたので、各保険会社と調整しながら進めることができましたが、労災上乗せ保険の内容はややこしく、よくわかっていなければ間違った保険給付がされるところでした。
いずれにせよ、労災上乗せ保険のおかげで、不幸な事故ではあったものの、紛争になることもなく、皆さんが納得して解決できた事案でした。
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