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離婚問題

離婚調停で親権を獲得するポイント

福岡法律事務所 副所長 弁護士 今西 眞

監修弁護士 今西 眞弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 副所長 弁護士

離婚することには争いがなくても、親権に争いがある場合、離婚は成立しません。離婚後の親権をどちらが取得するのか、話し合いで解決できない場合には、最終的には裁判所の判断を仰ぐ必要があります。その際に結論を左右する事情について、本稿で記載していきます。

離婚調停で親権者を判断するポイント

離婚調停は、裁判所を通じた当事者間の話し合いの場です。親権に争いがある場合、最終的には審判等で結論を下すことになりますが、調停の時点でも、調査官の調査が実施され、裁判所が結論を下す場合の見通しなどが示される場合は多いところです。

子供が幼い場合

子供がまだ幼い場合、従前の監護実績の監護状態の二つが極めて重要視される傾向にあります。これまで主に監護をしてきた側が、別居後も単独で監護をしているという事案において、他方の配偶者が親権を取得するのは現実的ではない、というのが現在の裁判実務の確たる傾向です。

その他、監護養育の環境や、監護補助者(祖父母等)の存在、経済状況等は、全く考慮されないわけではありませんが、共働きで監護実績も同程度、まだ同居中で単独監護状態にもない、というような事案なら格別、上記の二点で不利な側が、これを覆すような事情と評価される可能性は皆無に近いところです。

子供がある程度の年齢に達している場合

子供が自身の意見をはっきり言える年齢に達している場合、過去の監護実績等の事情よりも、子供自身の意向が重視される傾向が強まっていきます。中学生以上だとその傾向は顕著ですし、小学校高学年(概ね11~12歳前後)に達している場合も、かなり重視される傾向にあります。

親権者を決める際の離婚調停の流れ

親権争いの場面では、家庭裁判所の調査官による自宅訪問や関係各所への聞き取り、子供との面接等の調査が実施されます。その意見書の内容は、裁判官の判断の基礎となりうるものとして、とても重要な意味を持ちます。

多くの事案では、離婚調停の段階で調査が実施され、意見書が提出されたのち、これを前提とした裁判所の見通し等が示されます。それでも合意に至らない場合は最終的には裁判所に結論を下してもらうということになります。

離婚調停で親権を獲得するためのポイント

調停委員を味方につける

親権争いの場面では、過去の監護実績や現在の監護状況、子供自身の意向など、ある意味どうしようもない部分の比較が主となる事案が多いところです。それでも、調停は調停委員を通じて話し合いをする以上、敵に回すよりも、なるべくなら理解を得られるような行動を心掛けるほうが望ましいと思います。

自分が親権者として適していることを主張する

親権争いでは、適切に主張すべき点を尽くす必要があります。子供への愛情等を語るだけでは、前記の判断基準にはあまり効果的でない主張に終始することになりかねません。事案にもよりますが、例えば共働きの事案なら、自分も育児休業を取得していたことや、家事育児の負担に対する詳細等、従前の監護実績に関連するような主張のほうが的確な場合もあると思います。

調査官調査に協力する

調査官の調査結果は、親権争いにおいて、良くも悪くも極めて重要な意味を持っています。その調査に協力するというのは当然です。自宅訪問は日程調整の上で行われますが、清潔・良好な環境にあることが見て取れるよう、日々心掛けておくほうがあらぬ誤解を生まないと思います。

離婚調停で父親が親権を獲得した解決事例

子の年齢は小学校高学年と低学年、相手方兼業主婦、別居時に2名とも連れ去られていた事案で、初回の調査官調査ではこちらに不利な意見が出されたが、その後の話し合いの上で、調査のやり直しを求める等の活動をした結果、二名ともこちらが親権を獲得する形で解決した。

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親権と離婚調停に関するQ&A

共同親権が導入されたら調停無しで親権を獲得できますか?

現時点では改正法の詳細も不明ですが、あくまで共同親権も選択できる、という制度ですので、一方が共同親権を希望したとして、他方が単独親権を主張している状況で、何らの手続なく親権が獲得できるとは思えません。

離婚調停中に相手方が子供を連れ去った場合、親権への影響はありますか?

調停中の連れ去りに対しては、裁判所も厳しい評価をする傾向にありますので、親権にも影響する可能性があります。

離婚調停中に夫婦のどちらかが死亡してしまった場合、親権は自動的にもう一方が得ることになりますか?

離婚調停中でまだ離婚は成立していないのであれば、一方の配偶者が死亡すれば、他方の配偶者が唯一の親権者となります。離婚前は夫婦双方に親権が帰属していますので、自動的に得る、という表現は正しくありません。

離婚調停で決めた親権者を変更することはできますか?

親権者の変更についても、家庭裁判所の調停・審判の手続があります。そのハードルは低くありませんが、親権者が虐待をしていて児童相談所が一時保護をしている場合等、具体的な事情により認められる場合もあります。

妊娠中に離婚調停を行った場合の親権はどうなりますか?

妊娠中に離婚が成立した場合、親権は母親が原則取得します。離婚後300日以内に出生した子の場合、当事者双方が合意した場合に限り、父親を親権者とすることも可能です。

離婚調停中に出産した場合は、通常の事案と同じく共同親権に属した上で、父母のいずれかを親権者に指定するということになります。とはいえ、乳飲み子を母親から取り上げるという結論に至る可能性は極めて低いものですので、妊娠中の離婚調停では、親権は母親が取得することを前提とした話し合いが行われる可能性が極めて高いでしょう。

離婚調停で親権を獲得したい方は、弁護士に依頼してみませんか?

親権争いの事案は、通常の離婚よりも多くの労力や時間を要し、精神的な負担も大きくなる傾向の強いものです。子供の連れ去り事案では、家庭裁判所に対する各種申立ても迅速に行う必要があります。離婚はまだ検討中という人も含め、自身が置かれている状況を正確に把握しておくことは、今後の人生設計等にも大きく影響するはずです。そのためにも、弁護士への相談や依頼を検討されてみることをオススメ致します。

福岡法律事務所 副所長 弁護士 今西 眞
監修:弁護士 今西 眞弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 副所長
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:47535)
福岡県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。