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交通事故で椎間板ヘルニアになった時の後遺障害

交通事故の際に、首などの脊椎が通っている部分に衝撃を受けることによって「むちうち」と呼ばれる症状を発症することは少なくありませんが、同じ首や腰への衝撃により「椎間板ヘルニア」という症状が生じることもあります。

このページでは、椎間板ヘルニアとはどういうものか、また椎間板ヘルニアと診断された場合にはどうすればよいかについて解説します。

椎間板ヘルニアは2種類ある

椎間板とは背骨と背骨の間にあり、多数の骨からなる脊椎を円滑に動かす役割を果たしています。椎間板ヘルニアは、この椎間板が何らかの原因により飛び出し、神経を圧迫することで、その周辺箇所や脊椎から離れた手足などの痛みや痺れなどの症状を引き起こすものです。「むちうち」は事故の衝撃により首の周辺の筋肉や神経が傷付けられることにより生じますが、椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板が神経を圧迫することで生じます。

椎間板が飛び出す原因としては、事故の衝撃によるもの(外傷性)のほか、加齢などによるもの(経年性)があります。問題となっている椎間板の場所により、首のあたりについては頸椎椎間板ヘルニア、腰のあたりは腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。

交通事故後に頚椎椎間板ヘルニアになった場合の対処法

椎間板ヘルニアが後遺障害として認められるには、症状の医学的な説明ないし証明が必要となり、また、保険会社から事故と発症との因果関係を争われることが少なくありません。したがって、後遺障害等級認定申請を見据え、椎間板が飛び出していることや、それが事故により生じたものであることを明らかにするために、MRIやレントゲン等の画像を撮影して医学的な証拠を残すことが必要となります。

また、痛みや痺れなどの自覚症状を医師に訴え、診察記録に残してもらうこと、定期的に通院することが必要となります。

2.1 病院で受けたほうが良い検査

椎間板に異常が発生していること、またそれが事故により発生したものであることを明らかにするためには、MRIやレントゲン等の画像を撮影します。レントゲン検査で背骨の状態を確認することも必要ですが、椎間板自体はレントゲンには写らないため、椎間板の状態を撮影することのできるMRI検査が必須です。

また、筋力や腱反射などの神経学的検査も、どの部分の神経が圧迫されているかを明らかにするために有用です。

椎間板ヘルニアの種類と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰のあたりの椎間板が神経を圧迫し、腰痛のほか、脚やお尻など、下半身に痛みや痺れなどの症状が発生することがあります。

交通事故により腰のあたりに衝撃を受けた場合、打撲による怪我と痛みも起こりえますし、椎間板の損傷による腰椎椎間板ヘルニアを発症する可能性もありますので、腰のあたりに痛みがある場合、その原因を診察で見極めてもらう必要があります。

頚椎椎間板ヘルニア

頸椎、つまり首のあたりの椎間板が飛び出して神経を圧迫することで、症状としては首周り(首や肩)の痛みだけでなく、腕や手などの痛みや痺れを引き起こすことがあります。

事故後に首周りの痛みがある場合、事故の衝撃で筋肉や神経を損傷したことによる「むちうち」である可能性もありますが、頚椎椎間板ヘルニアの可能性もあるので、画像診断等により症状の原因を見極めることが必要です。

後遺障害等級認定のポイント

椎間板ヘルニアが後遺障害として認められるのは、自賠責の後遺障害等級のうち、神経症状について定められた14級9号「局部に神経症状を残すもの」または12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する場合です。

14級9号は痛みや痺れなどの自覚症状について、事故態様や治療の経過などから医学的に説明することが可能であること、12級13号は自覚症状を医学的に証明することが可能な他覚的所見(画像などの検査結果)が存在することを要件とします。

また、椎間板ヘルニアが他の原因ではなく交通事故により生じたものであること(交通事故との因果関係の存在)も要件となります。

椎間板ヘルニアの後遺障害等級認定は難しい

椎間板ヘルニアは、加齢など、外部からの衝撃によらずとも起こりうるものです。そのため、後遺障害等級認定申請の際に、事故とは関係なく元々生じていたものなのではないか、と言われてしまうことが少なくありません。

また、事故直後には強かった他の部位の痛みが時間の経過により落ち着くことで、首や腰の痛み、あるいは手や足の痺れなどの症状がよりはっきりと認識されるようになり、そこではじめて椎間板ヘルニアを疑い、MRI撮影などを行うこともあります。このような場合、事故から画像撮影までの間に時間が空いていることから、交通事故より後に別の原因で生じたものではないかと保険会社から主張される可能性があります。

したがって、事故後に首や腰の痛み、手や足の痺れ等の自覚症状がある場合は、なるべく早いうちにMRIやレントゲンなどの画像資料を撮影するとともに、自覚症状(事故前には無かった痛みや痺れが生じていること)を医師に伝えて診断書に残してもらうことで、事故と症状の因果関係を示すための証拠を残していくことが必要です。

交通事故で椎間板ヘルニアになってしまったら

交通事故により首や腰、あるいは手足に痛みや痺れなどの症状が生じた場合、椎間板ヘルニアやむちうちなどの症状のうちいずれにあたるのかを明らかにし、適切な治療を受ける必要があります。また、治療を受けてもなお症状が残ってしまった場合の後遺障害等級認定申請を見据えて、認定に必要な証拠を残していかなければなりません。

特に、椎間板ヘルニアは交通事故とは関係なく発症する可能性があることから、交通事故が原因であると認められるための準備を治療の初期から行い、治療終了後には認定機関や保険会社に対して適切な主張・立証をしていく必要があります。

そのため、①事故後のできるだけ早い時期から弁護士に相談し、治療についての継続的なアドバイスとサポートを受けること、②交通事故事件を多く取り扱い、交通事故による怪我の治療や損害賠償についての交渉に必要な医学的知識に長けた弁護士に依頼することが、よい結果につながるでしょう。