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交通事故で腕が上がらなくなったら後遺障害認定されるのか

交通事故に遭ってしまった場合、交通事故を原因として様々な怪我を負うことがあります。その中には、交通事故による怪我が原因で、腕が上がらなくなる場合や、腕が以前と同じように動かせなくなる場合があります。

その原因は怪我の内容や程度によって様々であり、とるべき対処法も様々です。ここでは、交通事故で負った怪我が原因で腕が上がらなくなった場合にどのような対処法をとるべきか、もし万が一治療をしても腕が上がらない症状が残ってしまった場合に後遺症として認められるかについて、その原因ごとに説明していきたいと思います。

交通事故後に腕が上がらなくなった時にするべき検査

交通事故の後、腕が上がらなくなってしまった場合には、①医師が目視で肩の状態を見る視診、②医師が直接肩に触れて診断する触診、③腕がどの範囲で動くのか、その際に痛みや音がないかを調べる可動域計測、④徒手筋力テストによる筋力評価、⑤X線撮影、⑥MRI撮影等の検査方法により、腕が上がらなくなってしまった原因を調べることが一般的とされています。…『標準整形外科学(第13版)』p.428~432 腕が上がらなくなってしまった原因が骨折や脱臼であればX線撮影(レントゲン)によって発見することができますが、神経症状等、MRI検査でなければ発見できない場合もあります。

適切な検査を行ったうえで、それぞれの症状に適切な治療方法を医師の先生とご相談ください。 これらの検査は、適切な治療のために必要であることはもちろん、後遺障害の申請においても、これらの検査結果が重要となります。

交通事故後に腕が上がらない原因

交通事故の後、腕が上がらないという場合、その原因としては、肩周辺の骨が骨折・脱臼している場合や、肩の腱板が損傷している場合、腕を動かすための神経が損傷している場合など様々な原因が考えられます。ここではそれぞれの場合について説明していきたいと思います。

骨折

腕が上がらなくなる骨折としては、以下のものが挙げられます。

・鎖骨骨折

・肩甲骨骨折

・上腕骨骨折(特に上腕骨骨幹部骨折、上腕骨近位端骨折) これらは、肩の関節を構成する骨の骨折ですので、腕が上がらなくなる、もしくは腕の可動域が狭くなるといった症状の原因となります。

脱臼

腕が上がらなくなる原因として脱臼も考えられます。

肩には、肩甲骨と上腕骨をつなぐ肩関節と、肩甲骨と鎖骨をつなぐ肩鎖関節という2つの関節があります。そのいずれかが脱臼する、つまり、通常接続している関節が外れてしまった場合、腕が上がらなくなります。

肩関節の脱臼は、手をついて倒れたときなど、肩に圧力がかかったときに発生しやすい症状です。

肩鎖関節の脱臼は、肩を下にして転倒したときなどに、肩甲骨と鎖骨をつなぐ靱帯が損傷することにより発生する症状です。

腱板損傷

腱板は、肩関節の中の腕を動かすための4つの筋腱(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)から構成されます。

腱板を構成する筋腱(特に棘上筋)が傷つくと、腕を上げようとすると痛みが伴う症状や、腕が上げられなくなる症状が現れます。腱板損傷の程度は炎症程度のものから完全断裂まで様々で、その程度に応じて必要な治療方法も治療期間も異なります。

腕が上がらなくなった場合の後遺障害と慰謝料

病院でしっかり治療したにも関わらず腕が上がらない症状や、腕がうまく動かせない症状が治らなかった場合には、その原因となる怪我の内容や、残ってしまった症状の程度に応じて後遺障害等級認定される可能性があります。

ここでは、どのような症状が残ってしまった場合に後遺障害等級認定されるかを中心に説明していきたいと思います。

可動域制限

可動域制限とは、関節が一定の範囲でしか動かなせなくなる症状で、その制限の程度によっては後遺障害として認定されることがあります。

可動域制限の程度は、障害を残す関節の可動域を測定し、原則として健側の関節の可動域と比較した場合の割合により評価されます。

つまり、腕が上がらない場合でいえば、怪我をした方の腕の可動域を測定し、怪我をしていない方の腕の可動域と比べて何%まで制限されているのかによって評価されます。

具体的な等級としては、怪我をした方の腕の可動域が怪我をしていない方と比べて75%以下に制限されている場合には第12級、50%以下にまで制限されている場合には第10級、ほとんど腕が上がらなくなってしまった場合には第8級、といった後遺障害等級が認定される可能性があります。

神経症状

病院での治療の結果、骨折等の怪我は治ったものの、痛みやしびれといった神経症状は治りきらずに残ってしまう場合もあります。そのような場合にも、症状の程度に応じて後遺障害等級認定される可能性があります。

具体的には、腕を動かすための筋肉が神経損傷により麻痺している場合や、腕を上げると我慢できないほどの痛みが生じるため自分では腕を上げられないと医学的に判断される場合には、痛みやしびれを原因とする可動域制限の程度により、可動域制限として後遺障害等級が認定される場合があります。

また、可動域制限としての後遺障害等級が認定されなかった場合にも、残ってしまった痛みやしびれについて、神経症状としての後遺障害等級が認定される可能性があります。

変形障害

骨折の後、骨が正常に癒合せず、偽関節や変形が残ってしまった場合には変形障害として後遺障害等級認定される可能性があります。

腕や肩の怪我についていえば、上腕骨骨折後、上腕骨の変形(15度以上屈曲して不正癒合したもの)等が残ってしまった場合には第12級、偽関節(上腕骨の骨幹部又は骨幹端部の癒合不全など)が残ってしまった場合には第8級、偽関節が残ったことに加え、常に硬性補装具を必要とする場合には第7級、といった後遺障害等級が認定されます。

また、鎖骨骨折後、裸になったときに明らかにわかる程度の鎖骨の変形が残った場合には第12級の後遺障害等級が認定されます。

後遺障害等級のご相談は弁護士へ

腕が上がらない、腕が以前と同じように動かせないといった症状が治らなかった場合、後遺障害として認定されるのか、後遺障害等級認定される場合に何級として認定されるのか、最終的にどのような損害賠償が得られるのかについては、事故態様、治療経過、残ってしまった症状の内容・程度など様々な事情に応じた個別的かつ専門的な判断が必要になります。

お一人で悩まれるのではなく、ぜひ弁護士に相談してみてください。後遺障害等級の認定に関しては法律的知識だけでなく、医療に関する知識も必要となりますので、特に医療に強い弁護士に依頼することをお勧めします。