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交通事故後に嗅覚障害になってしまったら

交通事故が原因で、嗅覚に異常が発生し、後遺障害として残る場合があります。事故により鼻を損傷したことにより症状が起こる場合(欠損障害)のほか、頭部への衝撃により脳の嗅覚をつかさどる部分を損傷することで、嗅覚に障害を生ずる場合(機能障害)もあります。

本項では、そのような交通事故による嗅覚についての後遺障害への対処について解説します。

嗅覚障害とは

嗅覚障害には、嗅覚脱失と嗅覚減退があります。嗅覚逸失は、においを感じる能力を失ってしまう場合であり、嗅覚減退は、においを感じる能力が低下してしまう場合です。耳鼻科でにおいを感じる能力の検査を受けることにより、そうした障害の有無を明らかにすることとなります。

病院で受けたほうが良い検査

嗅覚障害の有無を明らかにするための検査として、T&Tオルファクトメーターと静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)があります。T&Tオルファクトメーターは、何段階かの強さのにおいを染み込ませた紙を鼻に近付けて嗅ぐことで、においを感じる能力を検査するものです。静脈性嗅覚検査は、ビタミンB1を成分とする強いにおいのする液体を注射し、肺から吐き出されるにおいを鼻で感じる時間を計ることで嗅覚を測るものです。

また、CT、MRIなどの画像を撮影し、嗅覚障害の原因となっている損傷の内容(鼻の損傷か脳の損傷か)を明らかにする必要があります。

嗅覚障害の症状

嗅覚脱失

嗅覚脱失とは、においを感じる能力を全く失ってしまった状態です。T&Tオルファクトメーターまたは静脈性嗅覚検査の結果により判断されます。嗅覚脱失に該当する場合、後遺障害の等級としては12級と認定されます。

また、鼻の損傷を原因とする嗅覚障害については、鼻の欠損(鼻の軟骨の全部または大部分が欠けた状態)と嗅覚脱失に該当すると9級と認定されます(鼻の欠損が外貌醜状に該当する場合、より上位の7級と認定されます)。

嗅覚減退

嗅覚減退はにおいを感じる能力を全く失ったとはいえないものの、従来の能力より低くなってしまった状態です。T&Tオルファクトメーターの検査結果により判断されます。嗅覚減退に該当すると、後遺障害等級14級に認定されることとなります。

嗅覚障害の後遺障害等級と慰謝料

嗅覚障害で認定される可能性のある後遺障害等級とその慰謝料をご紹介します。

等級 自賠責基準 弁護士基準
9級5号 249万円 690万円
12級相当 94万円 290万円
14級相当 32万円 110万円

嗅覚障害が後遺障害として認められるには

嗅覚障害が後遺障害として認められるには、嗅覚に障害が生じていることが検査結果上認められなければなりません。

嗅覚脱失については、T&Tオルファクトメーターの検査結果で5.6以上の数値が出るか、静脈性嗅覚検査でにおいへの反応がみられない場合に認められます。嗅覚減退は、T&Tオルファクトメーターの検査結果で2.6以上5.5以下の数値が出た場合に認められます。

また、交通事故を原因とする障害であるといえるために、鼻または脳などの頭部を損傷したこと、その受傷が嗅覚障害の原因となりうるものであると診断されていることが必要です。

後遺障害等級申請はおまかせください

嗅覚障害が生じている場合、その原因となった鼻または頭部の受傷については整形外科、形成外科、脳神経外科等で治療と検査を受ける必要があるほか、嗅覚障害については耳鼻科で治療と検査を受けねばなりません。

このように、嗅覚障害について受けるべき治療や検査は多く、後遺障害等級申請に向けた証拠を漏れなく取得するためには、通院治療中から弁護士にアドバイスを受けることが望ましいです。

また、後遺障害等級申請における認定機関や保険会社とのやりとりの内容は、医療的知識を必要とする専門的なものとなります。

そのため、嗅覚障害の後遺障害等級申請については、確かな医療的知識を持った弁護士に依頼するべきです。