福岡の弁護士による交通事故被害者相談

福岡の弁護士による刑事事件の相談

交通事故による恥骨骨折と後遺障害について

恥骨は、骨盤を形成する骨の一つです。下腹部の下の方を前から触ると骨にあたるのがわかると思います。それが恥骨です。

交通事故により恥骨を骨折した場合、治療をしても骨折部に痛みが残ったり、恥骨が変形したまま治ったりしてしまうことがあります。そのような場合には、後遺障害が認定される可能性があります。

交通事故で恥骨を骨折してしまった場合の対処

骨盤は、大きく分けて、仙骨、寛骨、尾骨の3つにより構成されています。その中でも、寛骨は左右一つずつあり、腸骨、坐骨、恥骨が融合してできています。 このうち、恥骨の骨折が事故により生じる原因としては、歩行中に相手の自動車が恥骨付近にぶつかるなど直接の衝撃を受けた場合、転倒して他の部位を骨折、打撲した際に間接的に恥骨部に衝撃を受けた場合などが考えられます。

恥骨骨折が生じる場合には、坐骨などの骨折を伴うことがあります。

恥骨骨折のみであれば、手術はせず、安静にして骨がくっつくのを待つ保存的治療がとられることも多いですが、恥骨周辺の他の骨の骨折の状況などに応じて、治療内容は変わってきます。

ですので、恥骨を骨折してしまった場合には、医師の判断に従って適切な治療を受けることが重要です。

病院で受けたほうが良い検査

恥骨骨折を含む骨盤骨折が疑われる場合、まずはレントゲン撮影をしますが、骨盤部はその構造が複雑であるため、レントゲン撮影のみでは骨折が発見できないことがあります。

そのため、レントゲン撮影に合わせてCTスキャンをすることで、骨折部位を正確に把握することが重要です。

恥骨骨折に関わる後遺障害と慰謝料

恥骨骨折との関係で考えられる後遺障害としては、恥骨の変形障害(12級5号)や骨折後の疼痛等の神経症状(12級13号もしくは14級9号)があります。

変形障害

変形障害とは、裸体になったとき、変形(欠損を含む)が明らかにわかる程度のものを言います。ですので、レントゲン撮影をすればわかる程度のものでは、変形障害として認定してもらえません。

また、恥骨に限らず変形障害が残ったとしても、それだけでは日常生活に支障が生じないことがほとんどです。

ですので、変形障害が認定されたとしても逸失利益の認定は期待できません。

しかし、後遺症慰藉料については、事故当時38歳の女性が恥骨の変形障害を残したことにより、骨盤内径が狭くなって分娩時の障害になることがあり、恥骨骨折により性交の疼痛が生じる可能性があることを理由に相場よりも高い金額を認定した裁判例もあります(名古屋地判24・8・29)。

神経症状

恥骨骨折後、特に外から見て変形が明らかでないような場合でも、骨折部に疼痛等の神経症状が残ってしまうことがあります。

骨折部に変形癒合がみられるような場合には、12級13号が認定されることがあります。

画像所見上、疼痛等の原因が明らかでないような場合には、事故状況やその後の治療状況などを踏まえて、疼痛等の症状が事故に由来するものと説明できるかを判断することになります。疼痛等の症状が、事故によるものであると説明できると判断された場合には、14級9号が認定される可能性があります。

交通事故で恥骨を骨折してしまったらご相談ください

恥骨骨折により変形障害が残ってしまった場合、その人の性別や年齢など様々な事情を加味することにより、後遺障害慰藉料の額が変動する可能性があります。

また、神経症状が残ってしまった場合でも、治療経過が適切でないと判断されたり、医療機関できちんとした治療が行なわれていなかったと判断されてしまい、後遺障害を認定してもらえない可能性があります。

医師は治療の専門家ですが、どのような場合に後遺症が認定されるかにつき、必ずしも正確に把握しているとは限りません。

後遺障害の認定も含めて、きちんとした賠償を受けるためには、事故後早い段階で弁護士に相談をして今後の方針を決めることが重要となりますので、お気軽にご相談ください。