福岡の弁護士による交通事故被害者相談

福岡の弁護士による刑事事件の相談

慰謝料が少ないと感じたら、すぐ確認すべきこととは?

注意!慰謝料が少ないまま示談すると危険です

通常、示談をする際には、「示談書」や「免責証書」という文書を作成します。この文書にはほぼ必ず、「この示談金を受け取った場合には、これ以上のお金の請求はしません。」という内容の文言が入っています。この文言が入った文書を加害者又は保険会社と取り交わしてしまった場合には、裁判をしたとしても特別な事情がない限り、追加で損害賠償請求をすることができなくなってしまいます。そのため、示談をする際には、本当にその金額で納得できるのか、それ以上の損害が発生していないのか、確認する必要があります。

提示された慰謝料が少ないかも?と感じたら弁護士へ

治療費や休業損害は、被害者の方が実際に負担した金額、支払ってもらえなかったお給料の額という「実損」が出ており、請求すべき金額がわかりやすいかと思います。しかし、慰謝料は、「実損」があるわけではなく、抽象的な基準により算定される金額を請求しているにすぎません。

慰謝料の算定基準としては、自賠責基準、保険会社の任意基準、裁判所でも使用される青い本、赤い本又はその他弁護士会で作成されている本による基準等様々な基準があります。それぞれの基準には、それぞれ算定のルールがあり、一概にどの基準が被害者にとって最も有利であるとも言えません。事案によっては、赤い本による基準が最も高額である場合もあり、自賠責基準が最も高額である場合もあります。

どの基準を採用するのが最も有利になるのかは、弁護士でさえ、怪我の内容、程度、通院状況、治療期間等、被害者の方の具体的な事情をお聞きして判断せざるを得ません。そのため、保険会社から提示された慰謝料の金額が低額なのではないか、と感じたら一度弁護士にご相談ください。

その慰謝料、正しい金額で算定されていますか?

慰謝料の算定基準が複数存在していることは上記のとおりです。

このうち、自賠責基準は、文字通り自賠責保険会社の支払い基準です。一方保険会社の任意基準とは任意保険の保険会社が、独自に持っている社内基準であり、算定方法は一般に明らかにされていません。

弁護士基準は、上記のとおり、裁判においても使用される基準で、それぞれ参考としている本に記載されている基準により算定されます。参考としている本は、青い本、赤い本の2種類、地域によっては弁護士会作成の本を含めた3種類程度存在しています。

慰謝料の算定基準についてはこちら

金額を比較してみよう

自賠責基準・弁護士基準の慰謝料相場を、「鎖骨骨折により通院期間5ヶ月(150日)・実通院日数80日・後遺障害等級12級5号 を認定」の場合を例として、見ていきましょう。

自賠責基準 弁護士基準(赤い本)
入通院慰謝料 64万5000円 105万円
後遺障害慰謝料 224万円 290万円
351万5000円 395万円

まず、前提として、慰謝料は、事故直後から症状固定時までの入通院慰謝料と、症状固定後後遺障害が残存したことに対する後遺障害慰謝料の2種類に分けられます。

それぞれの基準による慰謝料の金額は上の表のとおりです。
各項目の金額でも合計金額でも数十万円以上の差額が生じていることは明らかだと思います。しかし、表に記載している自賠責保険の慰謝料の金額は、逸失利益(後遺障害が残ったことによる減収に対する賠償)を含むものとなります。弁護士基準では、上記表に記載されている慰謝料とは別途逸失利益を算出しますので、他の損害費目を含めた損害額の総合計を比較した場合には、さらに金額に差が生じることになります。

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通院頻度も慰謝料に大きく影響します

上記のとおり、入通院慰謝料は、怪我の程度、内容、通院状況、治療期間を考慮して算出します。

特に、自賠責基準は、通院期間又は通院実日数の2倍の日数を基準として慰謝料を算定するため、治療期間と通院頻度は、慰謝料の金額に直結します。

また、弁護士基準による場合でも、治療期間を考慮して慰謝料を算出しますので、自賠責基準による場合ほどではありませんが、慰謝料の算定には影響が生じます。また、治療期間に対して実通院日数が少ない場合には、怪我が軽微ではないかと判断され、慰謝料を低額に見積もられる場合もあります。

通院日数が少ない場合の慰謝料ついてはこちら

後遺障害認定への影響も

上記のとおり、入通院慰謝料は、怪我の程度、内容、通院状況、治療期間を考慮して算出します。

後遺障害認定をする際、特にむち打ち症のように他覚所見がない場合には、同じ治療期間でも、より通院頻度が多ければ、忙しい中時間を割いて通院しているわけですから、それだけ痛かったのではないかと見られ、通院頻度自体が被害者の方に残存する症状の裏付けとして評価される場合もあります。

できるだけ早い依頼がより適正な慰謝料獲得に繋がります

ここまでご説明したとおり、慰謝料の金額は、通院状況、治療期間が影響することはご理解いただけたと思います。

適切な慰謝料の獲得のためには、適切な頻度と期間の通院が必要となります。しかし、「適切」がどの程度かは、怪我の内容や程度によって異なりますので、一概に申し上げることはできません。これについては、事故後早い段階で弁護士に相談しアドバイスを受けることをお勧めいたします。

また、保険会社が治療費を支払っている間は安心して通院することもできるかと思いますが、保険会社が治療費の支払いを打ち切ってしまった場合には、治療を継続していいのかの判断もできず、治療をやめてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、保険会社が治療費の支払いをやめたとしても、必ずしも治療をやめなければならないわけではなく、また治療費の賠償を受けられないわけではありません。

しかし、治療を一定期間中断してしまった場合には、再開後の治療費の賠償を受けられない場合があります。これについても、保険会社が治療費の支払いを打ち切ると申し入れてくる前から弁護士が介入していれば、治療費の支払いの打ち切り後どのように対処をすべきかアドバイスができますし、治療状況や怪我の現状も把握しているため、治療期間に関する保険会社との交渉についてもスムーズに対応をすることが可能です。

慰謝料にも種類がある!まずはどんな慰謝料が獲得できるのか知ろう

先にもご説明しましたが、怪我をされた場合には、入通院慰謝料の獲得が可能です。

また、治療の甲斐なく、後遺障害が残存してしまった場合には、入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料を獲得することが可能です。

さらに、交通事故により被害者の方が亡くなってしまった場合には、死亡慰謝料を獲得することが可能です。この死亡慰謝料は、亡くなってしまったご本人の慰謝料とは別に、遺族の方のうち亡くなった方のご両親、配偶者、お子様は、近親者固有の慰謝料を獲得することが可能です。

後遺障害等級の獲得が重要です

治療をしたとしても、痛みや可動域制限等の後遺症が残存してしまう場合は多々あります。しかし、残存した症状のすべてが後遺障害として、賠償の対象となるわけではありません。後遺障害認定申請をし、残存した後遺症について、後遺障害等級認定されて初めて、残存した後遺症に対する賠償を受けることができます。また、後遺障害慰謝料も認定された等級に応じて決まるため、認定された等級も重要になります。

診断書の内容にも注意しましょう

後遺障害認定をする際には、専用の診断書を作成し、この診断書に基づいて後遺障害認定をします。そのため、残存した痛みがあるのに診断書に記載してもらえなかったり、実は可動域制限があるにもかかわらず可動域の測定をしていなかったりすれば、当然審査の対象外となってしまいます。そのため、診断書に必要十分な記載がしてあるのかは重要となります。

適正な慰謝料金額にするには?

治療中の場合

適正な頻度で通院を行う

痛みがあるのに通院しないとなると実情に反して、怪我が軽微であると判断されるだけではなく、それ以上の通院も必要ないのではないかと判断され、早期に治療費の支払いを打ち切られることもあります。また、一定期間通院を中断してしまうと、再び通院しようとしたときには、因果関係(事故と通院再開後の治療とのつながり)が否定され、治療を中止せざるを得なくなる場合もあります。

そうなれば、通院頻度も低く、治療期間も短期間であることを前提に慰謝料を算定されることになるため、相対的に慰謝料が低額にならざるを得なくなってしまいます。

後遺障害等級認定を考えた後遺障害診断書を作成

上記のとおり、後遺障害認定は、専用の診断書に記載してある内容に基づいて判断します。そのため、事故により負った傷病名をすべて記載してもらうこと、残存した自覚症状をすべて記載していることが必要不可欠になります。

また、自覚症状について原因が明らかな方が、後遺障害の認定を受けやすいため、自覚症状の原因がレントゲン、MRI、CT等の画像上明らかである場合には、その旨とどこに異常があるかの記載をしてもらう等、怪我の内容や残存する症状にあった適切な検査を受け、その検査結果を記載してもらう必要があります。

後遺障害等級認定を終えている場合

弁護士基準での慰謝料獲得を目指しましょう
上記の表で見ていただいた通り、自賠責基準の場合には、弁護士基準による慰謝料とほぼ同程度の金額の支払いがされます。しかし、自賠責基準の金額は逸失利益を含む金額であるため、実質的には、逸失利益相当額の差額が生じていることになります。

弁護士基準による慰謝料その他損害額は、怪我の種類、程度、入院期間の有無、治療期間、通院状況、後遺障害の等級によって異なるため、一概に算出することは難しくなっています。そのため、弁護士にご相談いただくのが適切な金額での早期解決の近道になると思います。

慰謝料以外にも獲得できる賠償金があります
交通事故による損害賠償においては、慰謝料の他、怪我の治療のための病院代、通院する際の交通費、怪我のため又は通院のために仕事を休んだ場合の休業損害、松葉杖、ギプス、サポーター等の装具が必要となった場合にはその装具代等が一般的に請求することが可能です。後遺障害が残った場合には、後遺障害が残存したことにより予想される減収分を補填する逸失利益、後遺障害により介護等が必要となった場合に自宅等を改造する必要が生じた場合には改造費用等が請求することが可能な場合もあります。

「慰謝料が少ない」と感じたら、まずは弁護士へご相談ください

上記のとおり慰謝料の算定には、さまざまな基準があり、同じ基準であったとしても通院状況、治療期間、怪我の程度、内容、後遺障害の内容、等級によって金額が異なってきます。保険会社が提示してきた慰謝料の金額が少ないと感じたら、示談をしてしまい、取り返しがつかなくなる前に、提示された金額が適切であるかどうかを、一度弁護士にご相談ください。

また、後遺障害等級の申請をすることができるにもかかわらずしていない場合、もっと上位の等級の獲得が可能であるにもかかわらず下位の等級の認定にとどまってしまっている場合もあります。このような場合には、適切な後遺障害の等級を獲得することにより慰謝料の金額や逸失利益の金額が増額する場合もあります。

後遺障害の等級の獲得が可能なのかどうか、損害の項目を見逃してしまっているかどうかは、知識がなければ判断は尽きません。慰謝料に限らず、適切な示談金を獲得するために、後遺障害等級について、損害の項目についても含め、示談前に一度弁護士にご相談ください。