福岡の弁護士による交通事故被害者相談

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交通事故の慰謝料を自分で計算できる?慰謝料の計算方法を分かりやすく解説します!

交通事故に遭うと、会社を休んで給料が減ったり、病院に行って治療費や交通費がかかったり、警察の事情聴取に応じることで手間を取られたりするなど、さまざまな迷惑や損害を被ることになります。こういった損害を一つ一つ積み上げていき、それらの合計を請求することを「損害賠償請求」といいますが、損害賠償の中身の一つに、精神的苦痛に対する賠償としての「慰謝料」があります。

慰謝料を計算してみよう

慰謝料の基準については、3つの基準があり、法律上の正しい基準は弁護士基準(裁判基準)の金額です。
交通事故における慰謝料は、入通院の期間や実入通院日数をもとに計算を行ないます。弁護士基準を用いて計算式にあてはめることで、具体的な慰謝料の金額を算出できますが、計算式が複雑であるため、下記の計算ツールで簡単に目安となる金額を計算することができます。

計算ツールの結果、保険会社から提示されている慰謝料の金額が大きく異なるという方は、一度弁護士にご相談いただいた方がよろしいかと思います。

損害賠償ツール

損害額計算ツールの結果は弁護士基準です

計算ツールの結果は、弁護士基準によるものですので、法律上はその金額を請求するのが正しいことになります。しかし、保険会社は、弁護士が代理人となっているかどうかで用いる基準を変えており、個人の方が弁護士基準で交渉を行なったとしても、弁護士基準で保険会社が交渉に応じることは、残念ながら、まずありません。適正な慰謝料を支払ってもらうことは、今後の人生にもかかわり得る大事なことなので、ぜひとも弁護士にご相談ください。

慰謝料の計算方法

では、具体的にそれぞれの基準を用いた慰謝料の計算方法をご説明します。なお、保険会社各社の基準については公表されているものではありませんので、以下では自賠責保険基準と弁護士基準(裁判基準)についてご紹介します。

入通院慰謝料の計算方法

自賠責保険基準での計算方法

自賠責保険基準による場合、1日当たりの慰謝料を4300円とした上で、入通院のトータル期間に対応する日数、または、実際に入通院した日数を2倍した日数の、いずれか少ない方を用いて計算します。 例として、入院5日間・通院期間150日のうち80日通院した場合を考えてみましょう。 この場合、入院が5日間と通院期間が150日であるため、トータルの入通院期間は155日となります。入通院実日数は、入院が5日間、通院が80日間の合計85日間のため、これを2倍した日数は170日です。そのため、より少ない日数である155日を用いることとなり、慰謝料の金額は4300円×155日=66万6500円となります。

弁護士(裁判)基準での計算方法

弁護士基準(裁判基準)としてよく用いられる「損害賠償額算定基準」(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部発行。通称「赤い本」)の基準が上の表となります。これを用いて①入院のみ3ヶ月行った場合、②通院のみ10ヶ月行った場合、③入院2ヶ月・通院8ヶ月の場合、をそれぞれ説明します。

まず、入院のみ3ヶ月行った場合、別表Ⅰによると145万円となります。通院のみ10ヶ月の場合は、別表Ⅰによると145万円です。入院2ヶ月・通院8ヶ月の場合は、別表Ⅰによると、それぞれの月数が交差する194万円となります。

なお、ここでは別表Ⅰを用いて説明しましたが、別表Ⅱを用いる場合もあります。原則としては別表Ⅰを用いるのですが、いわゆるむち打ち症など(頚椎捻挫や腰椎捻挫、軽い打撲などを含みます。)の場合、別表Ⅱを用いて計算することとなります。

通常の怪我の場合【別表Ⅰ】

通常の怪我の場合【別表Ⅰ】
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 AB 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13月 158 187 213 238 262 282 300 316
14月 162 189 215 240 264 284 302
15月 164 191 217 242 266 286

むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合【別表Ⅱ】

むちうち等他覚所見のない比較的軽傷の場合【別表Ⅱ】
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 A’B’ 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13月 120 137 152 162 173 181 189 195
14月 121 138 153 163 174 182 190
15月 122 139 154 164 175 183
表の期間以上の入院・通院があった場合

弁護士基準(裁判基準)を用いる場合で、別表Ⅰ、別表Ⅱに記載された期間を超える治療があった場合は、次のように計算します。 以下では別表Ⅰを基に計算します。

①入院のみ16ヶ月の場合
(入院15ヶ月の基準額)+{(入院15ヶ月の基準額)-(入院14ヶ月の基準額)}
=340万円+(340万円-334万円)
=346万円

②通院のみ17ヶ月の場合 (通院15ヶ月の基準額)+〔{(通院15ヶ月の基準額)-(通院14ヶ月の基準額)}×2ヶ月〕 =164万円+(164万円-162万円)×2ヶ月 =168万円

③入院16ヶ月・通院18ヶ月の場合
この場合は、入院16ヶ月の入院の慰謝料金額と、通院を入院開始時からしたと仮定し(16ヶ月+18ヶ月)、そこから入院期間分(16ヶ月)を差し引いた通院慰謝料金額を足し合わせます。
(入院16ヶ月の金額)+{(通院34ヶ月の基準額)-(通院16ヶ月の基準額)}
=346万円+〔{164万円+(164万円-162万円)×(34ヶ月-15ヶ月)}-{164万円+(164万円-162万円)}〕 =378万円

後遺障害慰謝料の算定方法

後遺障害が認められた場合、認定された後遺障害等級に応じて後遺障害慰謝料の金額は決まります。後遺障害慰謝料は、「治療を行なっても後遺障害が残存した」ということに対する慰謝料のため、別表Ⅰまたは別表Ⅱで算出される入通院慰謝料とは別の慰謝料です。そのため、後遺障害が認められた場合は、別表Ⅰまたは別表Ⅱで算出された入通院慰謝料に加えて、後遺障害慰謝料を請求することができます。このことから、後遺障害が認められた場合には、慰謝料全体の金額は後遺障害が認められない場合と比較して大きなものとなります。

後遺障害等級 自賠責基準 弁護士基準
1級
(被扶養者あり)
1150万円
(1350万円)
2800万円
(2800万円)
2級
(被扶養者あり)
998万円
(1168万円)
2370万円
(2370万円)
3級
(被扶養者あり)
861万円
(1005万円)
1990万円
(1990万円)
4級 737万円 1670万円
5級 618万円 1400万円
6級 512万円 1180万円
7級 419万円 1000万円
8級 331万円 830万円
9級 249万円 690万円
10級 190万円 550万円
11級 136万円 420万円
12級 94万円 290万円
13級 57万円 180万円
14級 32万円 110万円

死亡事故慰謝料の算定方法

自賠責保険基準での計算方法

交通事故によって死亡に至った場合、自賠責保険基準では、次のように算定します。

①死亡した本人の慰謝料として400万円
②遺族の慰謝料として、被害者の父母、配偶者及び子を請求権者として、請求権者1人の場合は550万円、2人の場合は650万円とし、3人以上の場合には750万円
③死亡した本人に被扶養者がいるときは、②に200万円を加算
したがって、自賠責保険基準での死亡慰謝料の最大額は1350万円(=400万円+750万円+200万円)となります。

弁護士(裁判)基準での計算方法

死亡による損害には大きく分けて死亡慰謝料と逸失利益があり、ここではそのうちの死亡慰謝料について、弁護士基準(裁判基準)を用いて説明します。交通事故によって死亡した場合の慰謝料については、一家の支柱の場合は2800万円、母親や配偶者の場合は2500万円、その他の場合は2000万円~2500万円とされています。これらの金額には遺族としての慰謝料も含むものとされていますが、自賠責保険基準を超えることは明らかです。

状況によって慰謝料が増減する可能性がある

慰謝料の金額は、具体的な状況によって増減することがあります。たとえば、加害者の事故が過失ではなく、故意に引き起こされたような場合や、交通事故によって会社を退職せざるを得なくなったり、留年せざるを得なくなったような場合は、慰謝料が加算される可能性があります。

入院中に死亡してしまった場合

この場合、入院慰謝料として101万円、死亡慰謝料として2500万円が認められる可能性があります。これらの慰謝料以外にも、治療費、休業損害、逸失利益といった損害が考えられます。 この場合において、たとえば、事故原因が加害者の飲酒運転にあるような場合や、加害者側が事故原因を偽るような具体的な行動に出ていた場合といった事情がある場合は、慰謝料が増額される場合もあります。

搬送後、24時間以内に亡くなった場合

搬送後、11時間で死亡した場合、入院に伴う慰謝料はほとんど発生しません。そのため、入院に伴う慰謝料は認められたとしても1日分程度となります。

一方、死亡慰謝料については、これとは別個に認められるものですので、①一家の支柱の場合、②母親や配偶者の場合、③その他の場合に分けて検討を行ない、さらに死亡慰謝料の増額事由がないかを検討することとなります。

寝たきりとなり、病院で生活することになった場合

入院から5ヶ月で症状固定に至り、後遺障害等級2級が認定された場合を想定して、弁護士基準(裁判基準)だと慰謝料がどうなるかを説明します。この場合、入院が5ヶ月ですので、入院慰謝料は5ヶ月分発生し、別表Ⅰによると、217万円となります。また、後遺障害等級2級が認定されていますので、赤い本によるならば、後遺障害慰謝料としては2370万円となります。後遺障害が重い場合には、これらの慰謝料以外にも逸失利益や将来介護費といった費目があり、自賠責基準を大きく超える賠償額になることがほとんどです。

まずは弁護士にご相談ください

これまでに述べた慰謝料の計算方法は、あくまで一般的な目安であり、特殊な事情がある場合は慰謝料の金額も変わり得るものです。個人で保険会社と交渉をされている方や、加害者が非常に悪質な運転を行なって重篤な被害を被った方のような場合には、弁護士が関与することで慰謝料の金額が大きく増加することもあり得ます。

弁護士にご相談いただければ、どの程度の慰謝料になりそうなのかを弁護士基準(裁判基準)を用いてご説明できますので、交通事故に遭われた方は弁護士に相談することをご検討ください。