福岡の弁護士による交通事故被害者相談

福岡の弁護士による刑事事件の相談

自営業の場合は慰謝料に違いがある?

自営業の方が交通事故に遭うと、たちまち事業が赤字になったり、廃業の危機に陥ることもあります。怪我の傷みがあるなかで、無理をして従業員や家族のために働き続ける方も多く、交通事故事件を担当している弁護士としても頭の下がる思いを抱くこともあります。

しかも、自営業の方の場合には、サラリーマンの方と比べると収入や支出の関係が複雑ですし、十分な資料が残っていないことも多いため、交通事故の慰謝料(ここでは賠償金という意味)を十分に受け取ることが難しいことがあります。

自営業の方こそ交通事故の慰謝料について、しっかりとした知識を学んで頂き、極力損をしないようにして頂きたいです。

自営業の方の慰謝料に違いはある?

自営業の方が事故に遭うと、たちまち様々な問題に直面します。自営業の方の仕事は他の人が行うことが不可能な場合も多いため、仕事を休むと直ぐに赤字になり、廃業のリスクが生じることもあります。他の社員が代わりに働いてくれる場合でも、人件費が増加しますし、社長と同じ成果を上げることは難しいです。

もちろん、交通事故に遭ったことが原因で仕事を休むことによる損害が生じているのですから、本来は損をした分だけ賠償されるべきです。ここでは、休業損害についてご説明いたします。

休業損害とは

休業損害とは、休業により減収が生じた場合に支払われる賠償の費目のことです。精神的な苦痛に対する賠償金である慰謝料とは別枠で休業損害を受け取ることができます。

休業損害はどのように計算するか

自営業の方の休業損害請求に必要な書類

自営業の方の休業損害請求に必要な資料は、基本的には確定申告書の写し(受付日付印のあるもの)と医師の診断書です。確定申告の際に控え用の申告書も提出していれば、受付日付印のある申告書の写しを受け取ることができます。受付日付印がない確定申告書の控えしかない場合には、納税証明書又は課税証明書を提出する必要があります。所得に変動が少ない場合には1年分の資料で足りますが、変動が大きい場合には複数年分の資料が必要になる場合もあります。

確定申告書の写しを無くした場合

確定申告書の内容を確認する方法には開示請求と閲覧請求があります。
開示請求は、国税庁のウェブサイトで入手できる保有個人情報開示請求書に必要事項を記載して、本人確認書類の写し、住民票写し、92円切手と一緒に税務署に送付することで行うことができます。税務署で直接開示請求の手続きを行うことも可能です。開示請求をしても確定申告書の写しを入手できるまでにはある程度の日数がかかります。

税務署で閲覧請求をすることもできますが、原則としてコピーや写真撮影ができないので、確定申告書の写しを入手できません。

自営業の方の慰謝料請求を弁護士がサポートいたします!ぜひご相談ください。

自営業の方がご自身で休業損害を請求しようと思っても慣れない手続に戸惑うことも多いと思います。固定経費や代替労働力等に関する請求漏れが生じるおそれもあります。

また、相手方の保険会社や弁護士の指示どおりに手続きを行って、休業損害の提示を受けても、本当に被害者の立場にたって妥当な額を提示してくれている保証はありません。実際には相手方保険会社は自賠責基準である1日6,100円しか認めてこないことも多いです。さらに、会社勤めの方と比較すると自営業の方は実際に休んだかどうか証明することも困難ですので、相手方保険会社が主治医の指示に反して不当に早期に休業損害の支払いを打ち切ろうとして来ることもあります。

交通事故を取り扱っている弁護士は、自営業の方の休業損害の請求に関する経験が豊富なので、請求の方法や相手方との交渉の仕方を熟知しています。また、自営業の方の休業損害を請求する場合には、訴訟化のリスクを踏まえて妥当な落としどころを探ることも重要なのですが、これも経験や知識がないとできることではありません。自営業の方が交通事故に遭った場合には、業務の関係ではサラリーマンの方以上に大変な思いをされることが多いと思いますので、賠償関係だけでも安心して頂くために、まずは弁護士に相談して頂くべきです。

休業損害の計算方法

自営業の方の休業損害の計算方法は、他の職業と同様に「休業日数×1日当たりの基礎収入」です。基礎収入や休業日数の具体的な数値の算定過程に特殊な点があります。

自営業の基礎収入算出方法

自営業の方の基礎収入は、確定申告書の申告所得額(年間収入額から必要経費等を差し引いた額)とされることが多いです。具体的には、「前年度の確定申告時の申告所得額(年間収入額-必要経費等)÷365日」という方法で計算されます。なお、青色申告をされている場合には、青色申告特別控除額を控除する前の額が採用されます。

また、休業中も事業の維持存続のために家賃や従業員の給料等の固定経費を支払うことがやむを得ない場合には、固定経費の額が加算されます。この場合には、「(前年度の申告所得額+固定経費)÷365日」という方法で基礎収入が計算されます。

確定申告していない場合

確定申告をしていない場合には、税金に関しては所得がないという認識を表明したことになります。したがって、現実の所得どおりの基礎収入が認められないことも珍しくありません。

自賠責保険が使える場合には、相手方保険会社も自賠責基準の1日当たり6,100円の基礎収入を認める可能性があります。
また、例えば、確定申告をしていないけれども子供二人の私立大学の学費を支払って妻を扶養している場合には、生活状況からすると一定の所得がないと不自然であると考えられます。このような場合には、賃金センサス(労働者の種類別に賃金を集計したデータ)を一定の割合で減額した金額が基礎収入として認められることがあります。

収入に変動がある場合

自営業の場合には年度によって所得に大幅に差がある場合もあります。そのような場合には事故前数年分の平均値を基礎収入とすることがあります。具体的には「事故前3年間の申告所得額÷3年÷365日」という方法で基礎収入が算定されることがあります。なお、事故後の減収も考慮されるので、必要資料として事故「前後」数年分の資料の提出を求められることもあります。

確定申告書より実収入より多い場合

確定申告書に記載した所得額よりも実際の所得が多いという場合でも、原則として、確定申告書に記載された所得額が基礎収入の算定の基準になります。

裁判所では、税金に関しては所得を少なく申告していたことと、交通事故の賠償関係では高い所得を主張することが、自己矛盾すると捉えられてしまうからです。
例外的に、信用性の高い証拠で所得を証明できる場合には確定申告書に記載されている額を超える金額が認めらることはあり得るのですが、裁判所に申告外所得の立証が認められるケースは稀です。

家族経営の場合

夫婦の一方が営業や販売等を担当し、夫婦の他方が経理を担当している場合も多いと思います。このような場合には、配偶者の寄与によって所得が増加していることを考慮して、一定の割合の減額が行われることがあります。

自営業の慰謝料はケースにより様々です。弁護士へご依頼ください。

自営業の方の慰謝料(損害賠償額)の計算方法には、サラリーマンの方に比べてはるかに多くのパターンがあります。交通事故の相手方の提示額を鵜呑みにしているだけでは、ご自身の休業損害が十分に支払われる保証はありません。多数の自営業の方の休業損害の請求を経験している弁護士は、休業損害の支払いが適切に行われるためのノウハウを持っています。まずは、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

休業日数の算出方法は?

自営業の方の休業損害に関する休業日数は、傷害の内容、程度、治療状況、職業の性質等を考慮して算出されます。
具体的には「入院日数+通院日数」を一つの目安として算定されることがあります。例えば、6か月の治療期間のうち、当初2か月は80%、次の2か月は50%、残りの2か月は20%というように一定の休業割合を認定して、基礎収入と掛け合わせることで休業損害の額を算出することがあります。

保険会社が通院日数で支払うと言ったら

サラリーマンの方であれば休業損害証明書を会社に発行してもらえれば、原則として証明書に記載された休業日数が認められることが多いですが、自営業の場合には休業損害証明書を書いてもらうことができません。

自宅療養をしている場合には、医師の診断書や仕事の内容を参考にして休業日数を主張することになります。主治医に依頼して、怪我の内容、程度、治療状況、職業の性質を考慮した復職可能な時期について、医師としての見解を書面化してもらうことも有益です。

人件費が休業損害に含まれるのか

自営業の方が怪我で休むことを余儀なくされた場合には、漫然と事業を停止していては廃業のリスクが生じることになります。
事業の維持存続のためには代わりに働いてくれる方の人件費を払うことが必要やむをえない場合もありますが、このような人件費も休業損害に加算されます。

家族の給料(専従者給与)は?

生計を共にしている配偶者や親族に支払う給料のことを専従者給料といいます。
税務上の観点から労働の実態がないのに専従者給料が支払われているケースは多いのですが、このような場合には専従者給料も実質的に交通事故の被害に遭われた自営業の方の稼ぎであると考えられるので、休業損害に含まれます。

弁護士に相談するメリット

自営業の方が交通事故に遭うと、事業の存続の危機に瀕することもありますので、交通事故の手続き以上に重要な仕事が多数生じると思います。面倒な交通事故の手続きを弁護士に委託してしまうべきです。

また、加害者の保険会社や弁護士は、賠償額を値切ることの専門家ですので、直接ご自身で加害者側とやり取りすることは大きなストレスになります。加害者本人とやりとりする場合でも、当事者同士では冷静な話し合いができないことも多いです。弁護士に依頼すれば加害者側とやり取りする必要がなくなります。

なにより、専門家の知識や経験を生かすことで、慰謝料(賠償金)を増額できる可能性があります。自営業の方の休業損害の計算方法は複雑なので、相手方が値切ってくることも多いです。妥当なラインまで増額交渉するために弁護士に依頼することも合理的です。経営状況、収支に関する資料の内容、怪我の内容等によって、個別具体的な判断が必要になりますので、経験豊かな弁護士の知見を利用して頂くべきです。

自営業の慰謝料は早い段階で弁護士へご相談ください。

自営業の方の休業損害については、基礎収入額、休業日数について、複雑な計算方法があります。具体的事案でどのように請求するかという判断をご自身で行うことは極めて困難です。最悪の場合には相手方保険会社や弁護士の言いなりになって本来より低額の慰謝料(賠償金)しか受け取ることができないこともあります。交通事故に遭ったら早い段階から経験豊かな専門家である弁護士に依頼するべきです。 

また、交通事故の直後から、休業損害等の請求面や治療面を考慮して、医師の指示に従って適切に病院に通院して頂くことが重要になります。主治医に復職の時期について適切に書面化してもらえれば休業損害の主張において有力な証拠になります。このような病院の通院方法や対応方法についても、弁護士はノウハウを有しておりますので、交通事故後の早い段階で弁護士に相談するべきです。