福岡の弁護士による交通事故被害者相談

福岡の弁護士による刑事事件の相談

交通事故の裁判はとても大変!?知っておきたい交通事故裁判のこと

交通事故は、けがの度合いが軽い場合には、ほとんどが示談交渉で纏まります。しかし、相手方の保険会社が主張する損害の内容と、こちらが主張する損害の内容との間に相違があり、その乖離が大きい場合には裁判に至ってしまうことがあります。ここでは裁判になる時の詳しい中身や裁判になった場合の中身について説明します。

交通事故で裁判になるのはどんな時?

交通事故で裁判になってしまう場合としては、こちらの主張する過失割合率と相手方の保険会社が主張する過失割合率について大きな見解の不一致がある場合や、認定された後遺障害の等級が高いために慰謝料の額や後遺障害逸失利益の額が高く相手方の保険会社が減額を図ろうとする場合などがあります。

また、認定された後遺障害の等級が高いために慰謝料の額や後遺障害逸失利益の額が高く、示談交渉段階では折り合いがつかなかった場合で、過失割合率については争いがない場合には、交通事故紛争処理センターでのあっせんを利用することも可能ですが、交通事故紛争処理センターが呈示したあっせん案に納得がいかない場合や、相手方の方があっせん案を受諾しない場合には、やはり訴訟により解決を図ることになります。

裁判が終わるまでにかかる期間

交通事故に限りませんが、示談交渉がまとまらず裁判となった場合、裁判所が判決を取得するまでには、大体1年から2年程度の時間を要します。また、裁判が進行し、ある程度主張が整理された段階で、裁判所より和解が勧められることがあります。この段階で、双方が合意し、和解した場合には、控訴されさらに長期化するリスクがありませんので、判決を取得するよりも早期に解決します。

裁判にはどんな費用がかかるのか

裁判には大きく分けて訴訟費用(裁判所に収める印紙・郵便切手代)と、代理人として訴訟を行う弁護士に支払う弁護士費用がかかります。その他、専門家の私的鑑定書代もかかることがあります。

➀裁判費用

訴えを提起するには、裁判所に対し給付を求める額に応じた収入印紙を納める必要があります。 裁判所に対し納めなければならない収入印紙の額は、訴えにより求める額により変わります。例えば、訴額50万円であれば収入印紙代5000円、訴額100万円であれば収入印紙代10000円、訴額300万円であれば収入印紙代20000円、訴額500万円であれば収入印紙代30000円といった具合に、求める額が上がれば上がるほど、必要な収入印紙の額は増えていきます。

➁弁護士費用

弁護士に支払う費用としては、着手金と成功報酬があります。
着手金は、弁護士が事件を遂行するためにはじめにいただく費用です。
着手金の定め方は事務所により様々ですが、獲得できる見込みの額が高いほど、着手金の金額も高く設定されるのが通例です。

成功報酬とは、最終的に判決又は和解により得た経済的利益の額に応じ、割合的に算定されることが多いです。例えば、裁判により500万を得る内容の勝訴判決または和解を獲得した場合で成功報酬が15%と定められていた場合には、成功報酬の額は75万円となります。
以上のほか、相談時の相談料や、交通費などの実費、弁護士が出張や出廷する際の日当などが生じる場合があります。

以上の費用については、加入している任意保険に弁護士費用特約を付加していた場合、上記の費用の全部又は一部を負担してもらえることがありますので、加入している任意保険の内容をご確認下さい。

弁護士費用特約について詳しく見る

裁判を起こすメリット

裁判を起こすメリットは、裁判でこちらの立証が成功すれば、交渉段階で相手方と折り合いがつかなかった部分も賠償を求めることができ、また、認容される金額は、保険会社が提示する金額よりも高いいわゆる裁判基準になりますので、より大きな金額を獲得できる可能性があります。

判決や裁判上の和解を得ると、相手方が支払いを行わない場合にはその判決や和解に基づき相手方の財産に対して強制執行を行うことができます。
有利な判決を得るためには、きちんと主張・立証を行う必要がありますので、必ず専門家である弁護士に依頼して下さい。

弁護士費用を加害者側に請求することができる

交渉段階では請求できないが、裁判では交通事故により生じた損害として計上できるものに弁護士費用があります。これは、示談交渉等がうまくいかなかったために、経済的利益を獲得するためにやむを得ず訴訟に至ったことを理由として認められます。

ただし、相手に請求できる弁護士費用の額は、実際にかかった弁護士費用ではなく、認容されるべき額の1割というのが実務です。

なお、加害者は、被害者が弁護士費用特約に加入しているからといって、弁護士費用の支払いを免れることにはなりません(名古屋地判平22.2.19)。

遅延損害金で損害賠償金が増額する

遅延損害金とは、簡単にいえば利息のようなものです。
遅延損害金は事故の日を起算点として、年5%の割合で生じます。
そのため、損害の総額が大きい場合や、事故から判決までの時間が長かった場合には、それだけ損害賠償金が増額されることになります。

遅延損害金は示談交渉段階や交通事故紛争処理センターでの手続では計上されず、裁判特有のものとなります。訴訟上の和解の場合も遅延損害金が計上されませんが、調整金という名目で遅延損害金相当額が計上されることが多いです。

裁判を起こす時は弁護士へ依頼しましょう

裁判を起こすにあたっては、訴え提起の段階から今後、訴訟を追行するにあたって生じうる争点をしっかりと見据えた上で、主張を組み立て、その根拠となる資料を予め用意をする必要があります。この見通しなくしては、訴訟追行はままなりません。

訴え提起にあたり、当初より弁護士が関与している場合、ご依頼の段階でご依頼者の主張の弱点や、それをカバーする主張やそれを裏付ける資料について、調査・収集を行うことができます。また、確かな見通しをもって訴え提起段階より関与することで、裁判が進行しても一貫した矛盾のない主張・立証を展開することができます。
そのため、裁判を起こすにあたっては、きちんと専門家である弁護士に依頼した上でこれを行うことは必要不可欠といえます。

裁判を起こすデメリット

裁判を起こす場合にはデメリットもございます。 まず、裁判を起こす場合、先に述べた訴訟費用がかかり、また、一般に示談交渉に要する弁護士費用よりも高額となります。 また、解決までには1年あるいは2年程度かかりますので、実際に賠償金を獲得するまでには長い時間がかかりますし、場合によっては車両の専門家や医師の意見書の取り付けなどが必要となる場合があり、この取得に費用と手間を要する可能性があります。

更に、訴訟の性質上、敗訴のリスクや示談交渉段階での保険会社の提示よりも低額での認容判決が出される可能性も否定できません。

裁判を起こしてから解決までの流れ

ここからは、裁判を起こしてから解決に至るまでの流れを見ていきましょう。

①裁判所に訴状を提出

訴状には、給付を求める内容(請求の趣旨)とその理由となる事実の主張(請求の原因)を記載し、原告である被害者の住所、被告となる加害者の住所、または、事故が発生した場所を管轄する裁判所のいずれかの裁判所に対して提出します。訴状の作成は弁護士が行います。

②口頭弁論

口頭弁論では、訴状や準備書面の陳述、証拠調べ等が行われます。
実際の裁判では、初回の期日と証人尋問を公開の法廷で行い、双方の主張の整理は弁論準備手続という密室で行われる期日により進行し、だいたい、1か月に1度のペースで期日は重ねられます。

期日には弁護士のみが出廷することがほとんどです。

③証拠集め・提出

双方の主張のいずれが正しいのかは、第三者である裁判官により判断されますので、自分の主張が正しいと裁判官に認めてもらうためには、自分の主張を裏付ける証拠を提出する必要があります。

交通事故の訴訟の代表的な証拠としては、診断書、カルテ、実況見分調書、ドライブレコーダーなどです。

④和解協議

裁判所より、和解が可能か、どの程度の金額であれば和解が可能かについて打診されたり、裁判所の方から、裁判所からその時点で裁判所がもっている心証に基づき、和解案を提示されることがあります。和解するべきかどうかは、弁護士の見通しも踏まえてご相談させていただきます。

⑤判決

双方の主張及び証拠が出尽くし、和解も成立しなかった場合、裁判所は、双方の主張及び証拠に基づいて事実を認定し、その事実に基づき原告の請求の全部あるいは一部を認めるのか、請求を棄却するのかの判断を示します。これが判決です。

判決の内容に不服のある当事者は、判決の謄本が送達されてから2週間以内であれば上訴により、上級の裁判所に再度の判断を求めることができます。

裁判は弁護士が付いていなくても起こせる?

民事裁判では、必ずしも弁護士が訴訟を追行しなければならないわけではなく、被害者本人において訴えを提起し、訴訟を追行することもできます。これを本人訴訟といいます。求める額が少額なために弁護士費用の方が高くついてしまう場合には本人訴訟が多くなります。ただし、相手が弁護士を立てた場合には、いかに自分の主張が認められるように立証をしていけばよいか熟知していますから、勝算が低くなります。

ある程度のまとまった金額を求める訴訟を提起する場合には、きちんと弁護士を立てましょう。

裁判での解決はとても大変です

交通事故の裁判は、車両についての専門的知識や、医学的な専門的知識が求められることもある複合的かつ高度な知識が求められることもある難しい訴訟です。
これまで説明したとおり、訴えの提起に向けた証拠の収集活動や、訴えの提起後の活動についても非常に手間がかかります。

特に、事故態様や過失割合の争い、被害者に生じた後遺障害の度合い、その程度に基づく逸失利益の額についての争いはし烈を極めます。

裁判以外の解決方法

裁判は非常に手間暇のかかるものですから、早期解決のためには、裁判にまで至らないことがもっともに重要になります。そのため、裁判に至らなかった場合についての解決方法についても説明します。

最も多いのが示談交渉であり、被害者と加害者の合意により、解決を図るものです。
また、過失割合については争いがないけれども、金額について折り合いがつかない場合には、交通事故紛争処理センターを利用し、あっせん案を出してしてもらうことにより解決を図る方法もあります。

いずれにせよ、早期解決かつ十分な補償を受けるため、この段階にもぜひ弁護士にご依頼ください。

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