福岡の弁護士による交通事故被害者相談

福岡の弁護士による刑事事件の相談

妊婦の交通事故、中絶・流産したら慰謝料はどうなるか

妊娠中に交通事故に遭ってしまった場合、胎児をお腹の中に抱えているだけでも大変なのに、通院やその後の示談交渉、生まれてくる子への影響等様々な問題に直面することになります。

例えば、交通事故により腰痛が発生したのでマッサージを受けたいがそのような治療が受けられないとか、そのような治療を受けることができないから通院回数も減って受け取ることのできる慰謝料額が下がってしまうのではないかとか、服用する薬によっては胎児に影響がでるのではないか等があると思います。

我々弁護士は、妊娠中の方が生まれてくる子にだけ集中できる環境を整え、交通事故のことに関する憂いが少しでもなくなるように動きますので、お悩みの方はぜひご相談ください。

妊婦の交通事故に遭った場合の慰謝料について

妊娠中に事故に遭った場合、事故により切迫早産になったり、早剝(そうはく)のリスクが高まったり、生まれてきた子に後遺症が残る可能性があるので、たとえ事故が軽微なもので傷害の程度が軽くても、考えなしに早期に示談することはお勧めできません。

少なくとも、出産までは待つのがよいでしょう。ただし、損害賠償請求権は原則、事故発生の翌日から3年で時効にかかりますので、その点はご注意ください。

胎児・妊婦が交通事故に遭ったら急いで弁護士へご連絡下さい。

これまで述べてきた内容だけでも妊娠中に交通事故に遭ったらまずは弁護士に相談すべきであることがわかると思います。

どのような治療を受けることができるか、整骨院に通ってもよいのか、生まれてくる子に影響がでないのか、影響が出てしまったらどうなるのか、相手方保険会社から損害賠償の提示を受けたがどうすればよいか、示談は出産まで待った方がよいのか、このような様々な問題についてご相談ください。

胎児の慰謝料について

それでは、以下では、妊娠中の交通事故によって出産に影響が出たり、胎児に影響が出たりした場合、法的にどのような請求ができるか等について解説していきます。

胎児固有の慰謝料は請求できるのか

民法上は、胎児は損害賠償請求権については既に生まれたものとみなすと規定しており、胎児固有の慰謝料は請求できます。もっとも、これは胎児が無事生まれてきた場合のみで、死産してしまったりすると胎児固有の慰謝料請求はできなくなります。

産まれてきた子に後遺症が残った場合

生まれてきた子に後遺症が残っていた場合、その後遺症と交通事故との間に因果関係が認められるのであれば慰謝料等の請求は可能です。

もっとも、その因果関係を立証するのは容易なことではないため、事故後すぐに産婦人科を受診した上で、事故状況や受傷の状況を正確に伝えましょう。先天性の障害がないかどうかの検査等をしておくことは、因果関係の立証を助けることになります。

切迫早産の場合の慰謝料請求

交通事故が原因となって切迫早産になってしまった場合、追加でかかってしまった入通院費や切迫早産により子供に障害が残ってしまった場合の慰謝料等については請求することは可能です。

もっとも、切迫早産が交通事故を原因としたものであることの証明が必要ですし、子供に障害が残った場合にはそれが切迫早産が原因であることの証明も必要です。

流産・死産・中絶に至った場合の慰謝料

妊娠をしている事実に気づかず、交通事故後レントゲンを撮ったり、投薬治療を受けたことで、流産をしたり、胎児への影響を考慮して人工妊娠中絶に至ってしまったという方がおられます。当然、妊娠している事実に気づいていて、死産や流産する方もおられます。

このような場合、上述した(3‐1)ように子供が生まれてきていないので、胎児固有の慰謝料に関しては請求できません。

もっとも、通常通りの請求しかできないわけでなく、結果的にわが子を失うことになってしまった思いを、胎児固有の慰謝料という形ではなく、交通事故の被害者本人である母親の慰謝料の増額という形で請求していくことは可能です。

交通事故により妊婦死亡となった場合

通常、一家の支柱である男性の配偶者である女性が交通事故により死亡するに至ると、残された遺族に対して一般的に認められる死亡慰謝料としては、2500万円程度であることが通常です(その他にも逸失利益等の請求はできます。)。

もっとも、その女性が妊婦であるときには、残された遺族(配偶者である夫、遺児、父母)の慰謝料請求合計で3000万円を超えることもあり、妊婦である事実は慰謝料の増額事由になるといえそうです。当然、妊婦である母親が死亡しても、胎児が無事に生まれてこれば、その胎児固有の慰謝料も認められます。

死亡事故の慰謝料

交通事故により胎児・妊婦へ影響があった場合すぐに弁護士へご連絡下さい。

妊娠中に交通事故に遭い、実際に切迫早産と診断されて入院しなければならなくなったとか、胎児に後遺症が残ってしまったなどの問題が生じた場合には、すぐに弁護士へご連絡ください。

同様の状況になってしまった案件も多数扱っておりますので、事案に応じて適切なアドバイスをさせていただきます。

妊婦が交通事故にあったら慰謝料相場はどれくらい?

妊娠中に事故にあった場合、胎児への影響を考えたり、効果的な治療を受けられないというように考えたりして、通院日数が少なくなってしまう妊婦の方がおられます。

あまりにも通院日数が少なく、妊娠中に治療を終了してしまったというような場合は、慰謝料が通常より少なくなる可能性があるため、案件によっては出産後も通院を継続してもらい、慰謝料をより多く獲得することもあります。

上述したように、胎児が死亡してしまった場合は、慰謝料の増額請求をすることもあります。

慰謝料の相場を解説

妊娠中の事故は休業損害に注意が必要

妊娠中の女性が家事労働をしている場合、基本的には実通院日数に応じて主婦としての休業損害が支払われます。

しかし、慰謝料の場合と同様、妊婦ということで通院日数が少なくなってしまうと、受け取ることのできる休業損害が通常より少なくなる可能性があるため、案件によっては出産後も通院を継続してもらい、休業損害をより多く獲得することもあります。

主婦としての休業損害の額は自賠責基準と弁護士基準では全然違いますので、必ず弁護士に相談しましょう。

妊娠中の交通事故治療で気を付けること

妊娠中に交通事故に遭った場合、特に投薬、レントゲン撮影および治療方法に気をつける必要があります。

まずは、交通事故による治療で使用する薬の中には妊娠中の投薬を禁止している薬もあるため気を付ける必要があります。妊娠していることに気づかずに投薬をしてしまった後、奇形児となる可能性があるとして中絶した人もいますので、妊活をしている人が交通事故に遭った場合には気を付けてください。同様に、レントゲン撮影による放射線の被ばくにも注意が必要です。

最後に、うつぶせの体勢になったうえでマッサージを受けることや電気治療も受けることができないため、注意が必要です。

妊婦の交通事故は立証し辛い場合が多いです。まずは弁護士へ相談してみましょう

今まで述べてきたように、妊娠中に交通事故に遭った場合、通常の交通事故後の損害賠償請求と比較してより法的に難しい問題をはらんでいます。

ただでさえ、妊娠中はストレスフルなので、弁護士に相談をしてもやもやしている問題を吐き出し、少しでもストレスを減らして出産に臨んでください。

妊婦の交通事故に関する裁判例

停車中の車両に同乗していた妊婦及びその夫が、これに追突してきた車両の運転者に対して、妊娠36週の胎児が死亡したことについて損害賠償請求した事案があります。

裁判所は、生まれてきたわけではないので胎児固有の慰謝料が認められるわけではないものの、当時何ら問題を抱えていなかった胎児が正常に出産される可能性は高かったとして、胎児の母親と父親の慰謝料それぞれ700万円と300万円を認めました(東京地判平成11・6・1日判決)

41歳3児の母が加害車両に追突されて、腹部にあざができるほど受傷し、妊娠12週未満の早期流産をしたとして、慰謝料請求をした事案があります。

この事案では、本件事故から不正出血の確認まで3、4日の間があったこと、産婦人科で明確に原因の特定がなされていないことから、裁判所では、流産に対する知見を詳細に検討して胎児の染色体異常はなかったと認定したうえで、本件事故時の衝撃が大きかったと認定し本件事故と流産の因果関係を肯定し、その慰謝料額を200万円としました(大阪地判平成18・2・23)。

妊娠中の交通事故でお困りでしたら、弁護士にご相談ください

妊娠中に交通事故に遭ってしまうと、ただでさえ身体がつらいのに、それに加えて身体に対する痛みも負うことになってしまいます。

そればかりか、生まれてくるわが子が無事生まれてくるのか、後遺症が残りはしないか等心配は尽きないと思います。

そのような心配によって、通院回数が制限され、受け取ることのできる慰謝料や休業損害の額が少なくなってしまうと、「妊婦じゃない人より大変な思いをしているのになんでこんなことになるの!」とお思いになられる方も多いです。

このような思いをしないためにも、妊婦の方が交通事故に遭った場合には、いち早く弁護士の相談を受けてください。適切なアドバイスを受けることができないと、本当に損をすることになりますので、ご注意ください。